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葬儀代が払えないから親の遺体を捨てたというのは嘘




葬儀のお金が払えないから親の遺体を捨てた(ほったらかしにした)という容疑者の発言は嘘である
と言う記事を何度も書いてきました。
今回これらの記事を一つにまとめました。

遺体隠蔽(いんぺい)破棄に関する「本当」のこと

昨日(2011年9月30日)、私のブログのアクセス数が通常の倍に跳ね上がりました。

大体こういうときは、マスメディアで葬儀か葬儀屋が取り上げられたとき。

ネットで検索してみるとおそらく
「日本の極論」
というテレビ番組で、葬儀のことが取り上げられたのが原因のようです。

島田裕巳さんは相変わらずですし、
番組で行われた議論についてもあまり興味は持てません。

遺体を隠したり捨てたりする人

ただ気になるのはこの部分。

「葬儀代が払えず死亡したことを隠す事件まで起きていると主張」

最近の報道ではこのあたりでしょうか
母親の遺体放置した長女と次女逮捕「葬儀代なかった」

定期的にこんな理由で遺体を隠蔽もしくは破棄したという人が出てきます。

なぜ容疑者の言い分を垂れ流すのか

「昨日お腹が痛かったので宿題ができませんでした」
っていう小学生の言い訳は信じてもらえないと思うのですが
「葬儀代が払えなかったので、親の遺体を隠しました」
という容疑者の稚拙な言い訳を、なぜ警察・マスコミは垂れ流すのでしょうか。

葬儀代が高いから、葬儀屋がぼろ儲けしているから
こんな事件が起こった、と言わんばかりです。
(もちろん悪質な葬儀屋さんはたくさんいますが、上記の事件の原因ではありません)

確かに僧侶を呼んで一般参列者を招いて、というお葬式なら
困窮した家庭では無理でしょう。

しかし直葬で済ませれば、十数万円でとり行うことが可能です。
年金・国保・健保等に加入していれば死亡に際し、ほぼ直葬費用を相殺できる支給もあります。
生活保護の方はそれでも難しいとは思いますが、その場合は国が負担します。

別の可能性はないのか

むしろ上記の様なケースでは
・本当は故人の年金を少しでも受給したかったからでは?
・本当は(故意でないにしろ)殺してしまったからでは?
・本当は無知なために助けを求める方法が分からなかったからでは?
という可能性をまず疑うべきだと思います。

容疑者の「葬式をするお金が無かったから」という言い分を
検証しないで垂れ流すことで
大金がないと火葬できないんだ、
と視聴者を心配させたり、
遺体を隠蔽するような過ちを起こさせたりするのであれば
マスコミの方はもう少し配慮すべきではないでしょうか。

昔いじめが原因の自殺が問題になったとき
「お笑い番組のマネをしていじめた」
と加害者が取り調べで言ったという報道がありました。
それに対してビートたけしが
「無理矢理言わしてお笑いのせいにするんじゃねぇ」
と怒っていました。
私としてはそれに近い心境です。

改めて申し上げますが
葬儀費用や葬儀屋さんと、
遺体の隠蔽(いんぺい)破棄には因果関係がないことはご理解いただきたいと思います。

くどいようですがもう一度

2011年11月の記事

少し前に
遺体隠蔽(いんぺい)破棄に関する「本当」のこと
という記事を書きました。

要旨は
「葬式をするお金が無かったから遺体を隠蔽破棄した」
という容疑者の主張(苦しい言い訳?)を、
マスコミは垂れ流しにすべきではない
というものです。
新聞
で、最近またこんな記事が・・・

「父親の葬儀費なく…」木箱に死体遺棄 42歳男逮捕

記事中に年金を不法に受け取っていたという記述があるのですから
それが本当の理由でしょう。

なぜ「父親の葬儀費なく…」っていう容疑者の言い逃れを
見出しに持ってくる必要があるのでしょうか。

同じような報道が繰り返されると思うので
くどいようですが私も再び繰り返します。

こういう報道を垂れ流すことで
大金がないと火葬できないんだ、
と読者を心配させたり、
遺体を隠蔽するような過ちを起こさせたりする可能性がある
と思います。

マスコミの方はもう少し配慮していただきたいです。

「葬儀代が無いから遺体を捨てた」は嘘だ

2013年3月に書いた記事です

またこの報道です。

 

 

最近毎月のように
「葬儀代がなくて遺体遺棄」
の見出しが躍るようになりました。

 

中には
葬儀代が高すぎるからだ
とか的外れな論評をする方もいらっしゃるようです。
格差社会の闇、的なことを言いたいんでしょうか。

 

過去何度かこの問題に対しては言及してきました。

同じことは何度も言いたくありませんが
マスコミ報道に改善の兆(きざ)しが無いようなのでもう一度言います。

 

遺体遺棄と葬儀代は関係ありません。

 

いまマスコミがやるべきことは
貧困者の恐怖を煽って類似の事件を引き起こすことではなく
正しい対処方法を伝えることだと思います。

生活保護者でしたら直葬ができるだけの公的な費用が出ます。

役所の生活福祉係か民生委員に相談してください。

 

さらに詳しい情報は
キリスト教会葬儀研究所サイト内の
葬祭扶助制度解説のページ
を参照してください。

 

こちらのブログ たとえ明日私が葬られるとしても でも

葬祭扶助について詳しく述べられており参考になります。

言い続けます

2015年12月に書いた記事です

先日こんな判決がありました。

以前からずっと私は「葬儀費用が出せなかったから遺体遺棄を行った。」
という犯人の供述(苦しい言い逃れ)をマスコミは垂れ流すな、という主張を行っています。

理由は
・遺体遺棄の多くが、葬儀費用が払えないから、ではなく
年金の不正受給が目的のケースである。
・次に多いのが無知もしくは判断能力に支障があるケース(と思われる)。

そして彼ら彼女らは警察に問い詰められると「葬儀代金が払えないと思った」と答え、
それがまたそのまま報道されるというマッチポンプ。

さらに報道が繰り返し行われることによって、
真に受けた人達が遺体遺棄を行ない、さらに状況を悪化させる。

・この報道が繰り返されることで左寄りの人が
こんな悲劇が起こるのは日本の葬儀費用が不当に高いからと訳知り顔で言い始める。
(実際テレビやネット上でそんな意見が散見される)
そもそも「葬儀代金が払えないと思った」と言っている人は
では実際にいくら必要なのかを恐らく知らないでしょう。

お金

本当に葬儀費用(火葬する費用)を支払えないくらい貧しいなら無料です。
→生活保護→火葬費用は行政が負担という仕組みがあります。
直接葬儀社へ依頼した場合でも、火葬のみなら探せば10万円以下でできます。
そういった現状を考えると裁判官の
「遺体を放置したのは事実だが、経済的に苦しく葬儀費用が出せないなど動機は消極的だった」
「困ったときは周りの人に相談すれば助けてくれることを忘れないでほしい。」
という今回の 発言は的外れだとおもいます。
経済的に苦しくても火葬だけなら行えます。
周りに相談できない事情(助けてくれる人がいない、どこに相談していいのか調べる能力が無いなど)があるからこの事態になったのでしょうし。
今後マスコミがやるべきことは、容疑者がしゃべった苦しい言い逃れを垂れ流すことではなく
お金が無い人にはこんな葬儀の仕組みがある、と啓蒙することではないでしょうか。

「いつもの」事件

2018年5月に書いた記事です

もはや定番となってしまった感がありますが
先日もこのような報道がありました。
これに対して私は
①動機は葬儀代がないせいじゃない
②マスコミは警察発表をそのまま垂れ流すな!

という主旨の記事を過去何本か書いています。

言いたいことは既に上記の記事で申し上げていますが

最近

 

2円で刑務所、5億で執行猶予 (光文社新書)

浜井浩一 光文社 2009-10-16
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by ヨメレバ

 

という本を読んで
若干付け加えて申し上げたいことがあります。

この本の内容は
犯罪学の研究者が書いた犯罪統計への考察です。

刑務所に入っていると聞くと、
道徳観の欠如した狂犬のような人が多いイメージがありますが
実はそうでもないようです。
障害とまでは言えないが、生活能力や学力が不十分で
出所しても働き口が無い
→金が無くなる→どうしていいかわからない
→モノを盗む→また刑務所
という「社会的弱者」の方が結構いるようです。

 

たまに餓死で発見、というような報道があると
なんで?って思ってましたが
この本を読むとたしかにそういうこともあり得ると思えます。

 

今回の事件は遺体遺棄や隠蔽というより
何も考えずに放棄、という状態なので
もしかすると
上記のような人が起した可能性はないでしょうか?

 

だとしたらなおさらマスコミが行うべきことは
同様の事件を誘発しかねない、警察発表の垂れ流しではなく
社会的弱者でも行政のサポートで火葬ができるということを

アナウンスすることではないでしょうか?

追記:同じ主張を繰り返すのは正直徒労感があります。
しかしかつて繰り返し書いていた日本消費者協会のアンケートがおかしい
という主張が最近少しだけ浸透してきたという成功例?があるので
今回の件もあきらめずに言い続けようと思います。











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