遺影写真の歴史と変化




先日「異界談義」という本を読みました。

その中に
山田慎也氏(葬儀と葬儀屋さんに詳しい学者さんです)の
「亡き人を想うー遺影写真の誕生」
という文章がありました。

これによると遺影のルーツは
江戸時代の死絵(亡くなった歌舞伎役者を描いた浮世絵)
だそうです。

ただ肉親を対象とするという意味での遺影のルーツは
西南戦争のころの肖像写真にあるようです。

以前、こんな記事を目にしました。

みうらじゅん 両親の遺影を撮る「イェ~イ旅行」を提案する

みうらじゅんはただ「イェーイ写真」って
言いたいだけだと思うんですが(^^;)
過去に「親孝行プレイ」って本を出されているので、これの発展系なんでしょうね。

前述した
西南戦争のときは死を前にした軍人の間で
写真を撮ることが流行したらしいです。
その後、日清戦争の時は
戦死者の遺影写真が雑誌に掲載されていたとのこと。

亡くなる前に遺影写真を撮っておこうという風潮は
明治時代からあったということですね。

それから余談ですが
ウィキペディアの「遺影」のページ(2011年11月現在)にはこのように書かれています。
「従来はフレームは漆塗りの黒、写真は着物を着たモノクロのものを用いる事が多かったが、「葬儀会場に冷たい印象を与える」、「白黒では子供が怖がってしまう」といった理由からフレームは自由になり、カラー写真が用いられる事が多くなった。」

恐らくこれは違うと思います。

遺影写真の色とフレームが
「葬儀会場に冷たい印象を与える」
というのはちょっと無理があります。
会場の印象に関しては、遺影よりむしろ
式場の種類(寺院など)や内装、祭壇、照明の方が、
影響が大きいです。
遺影はモノクロでも暖かい印象の式場はいくらでもありますし、
逆にカラー写真でも冷たい印象の式場もあります。
(例えば関東圏でいうと、
横浜市の北部斎場で木の祭壇で、白菊飾って、備え付けの照明しか使わなかったら、
たとえ遺影がカラー写真でも、式場は冷たい印象になります)

また「白黒では子供が怖がってしまう」といいますが、
そんな子なら遺影以前に遺体を怖がるでしょう。

昔、モノクロの着物姿の遺影が多かったのは、
「単に昔は、着物を着ている人が多く、また白黒写真しかなかったから」
という理由だと思います。

それから
「米国などでは遺体保存の方法(エンバーミング)が発達している為に、
葬儀の場面では棺をオープンする事から特別に遺影写真をかざる習慣は無い。」

とありますけど、
アメリカ映画のお葬式のシーンではたまに遺影を見かけますけどね。
まぁ日本映画にも「実際にこれは無いよ」っていうお葬式のシーンは多いので
これをもって事実と違うとも言い切れないですけど。




7 件のコメント

  • こんにちは
    自分は今日初めてこのブログを読みました現在高校二年生です。
    お聞きたいことがあるのですが葬儀屋さんに務めるためにはなにか資格などは必要なのでしょうか?また斎場のスタッフなどになるにも必要でしょうか?
    ここで聞くのは恐縮ですが、将来この仕事をしたいと思っているので答えていただいたら嬉しいです。
    長文すみません

  • ゆとりさん、
    返事が遅くなりまして申し訳ありません。
    それからこの業界に興味を持っていただいてありがとうございます。

    > 葬儀屋さんに務めるためにはなにか資格などは必要なのでしょうか?また斎場のスタッフなどになるにも必要でしょうか?

    葬儀屋さんになるならおそらく自動車免許は必要だと思います。
    斎場専門スタッフ(焼香案内をする女性スタッフなど)なら必ずしも必要ではないとおもいますが。
    あと、大手葬儀社によっては大卒を中心に採用しているところがあるのですが、
    ごく一部です。

    また何か質問がありましたら、お待ちしています!

  • 初めてこのブログを拝見しました。
    私は、ブログ「遺影について思うこと」を書いているのですが、遺影の歴史については漠然としたことしか知りませんでした。
    価値ある情報をありがとうございます。
    私は、遺影は家族にとっても本人にとっても、大事なものではないかと思っています。

  • Kimico 様、コメントありがとうございます。

    ブログ拝見いたしました。
    今回の記事は三次資料を引用したものなので
    ちゃんとした論文ならアウトなのですが
    お役に立てて良かったです。

    またお立ち寄りくださいませ。

  • はじめまして
    私は写真屋で遺影写真を制作していた者ですが
    私の知る限りのことで恐縮なのですが
    遺影写真が今日のように、ほとんどカラー化したのは
    パソコンで遺影写真を作るのが主流となった
    1990年代の終わりから2000年代に入ってからだと思います。
    それ以前は、暗室で引き伸ばして、着物などに合成し背景をエアブラシで描くという作業を
    行いますので白黒写真にせざるを得なかったのです

    さて、遺影写真のカラー化ですが、当時はモノクロ写真にエアブラシで着彩していたと、当時勤めていた会社の先輩から聞いたことがあります。

    余談ですが私は、遺影写真がデジタル化した頃に
    社員となったので暗室での作業は経験しておりません。

  • 元写真屋様、
    情報提供ありがとうございます。
    >当時はモノクロ写真にエアブラシで着彩していた
    これ凄く大変そうですね・・・

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