葬祭ディレクターの資格は採用に有利か?




転職などの場合
葬祭ディレクターの資格は
採用に有利かどうか
思うところを述べたいと思います。

(葬祭ディレクターに関する説明は、
この記事「葬祭ディレクター
をどうぞ)

本題に入る前に
現在の葬祭ディレクターの統計的な実態は以下の通り。
葬祭ディレクターのサイトより一部引用)
平成8年夏に第1回試験を実施して以来、本協会が認定した1級葬祭ディレクター、2級葬祭ディレクターは23,604人(平成8年度から23年度までの累計)です。これは平成21年葬儀業従業者総数85,115人に対し27.7%を占めます
(引用終わり)

1級のみの累積合格者数というのはのってなかったのですが
(過去の合格者数を丹念に調べれば判明すると思いますが、
すいません、面倒だったので(^^;))
葬儀屋の5人に1人は葬祭ディレクターの資格を持っている
というところでしょうか。

今が「ちょうどいい」バランスですね。
1割切っているとマイナーな感じですし、5割超えるとありがたみがないですし。
女性社員1
さて
「葬祭ディレクターの資格を持っておくと
採用のとき有利ですか
?」
という質問をたまに受けます。

私の考えは
無いよりはあった方が良いが
葬儀社によってその評価は異なる
というものです。

以下、その理由です。

採用の評価は株価に似ていると思います。

ほとんど利益を出していない会社の株に高値がついていることがありますが
これは将来生み出す価値を、
現在価値に織り込んで投資家は評価しているわけですね。

採用も一緒です。
将来性を織り込んだ人的資本の評価をもとに採用します。

ということで
完成された葬祭ディレクターより、
将来性のある素人の方が
評価が高くなるケースも多々あります。

採用対象者の能力を全て知りうることができるなら
葬祭ディレクターを持つことのアドバンテージは
ほとんど無いといってよいでしょう。

とはいえ、これは机上論。

実際に(面接のときなど)採用の現場で採用担当者が
「全ての能力を知りうる」
ことは不可能です。

情報が不足している状況では
ほんのわずかな情報に
採用担当者は過大な評価を下しがちです。

少なくとも葬祭ディレクターの資格は
基本的なことは一通りこなせるというシグナリングの機能を果たします。
(この構造は英語がしゃべれる、 とか いい大学を出ているとかと同じ仕組みです)

この点
持たざる者より持っている方がよい印象を与えることができる分
有利です。

これが「無いよりはあった方が良い」理由。

ただしこの有利さは
採用側の葬儀社の事情によってもかわります。

なぜなら
葬祭ディレクター資格を所有していることに対する評価は
就職希望先葬儀社のスタッフの葬祭ディレクター比率に反比例する
からです。

わかりやすく言うと
葬祭ディレクターの資格を持っている人がいないか少ない葬儀社だと
持っている人を過大に評価する
っていうことですね。

逆に教育体制がしっかりしていて、
みんなが葬祭ディレクターの資格を持っているような葬儀社では
葬祭ディレクターに対する評価は(相対的に)低くなります。
「ちゃんと勉強すれば葬祭ディレクター資格は誰でも取れるんだから
資格を所有していることは大して評価しない」
という理屈ですね。

(余談ですが
1級は「葬祭実務経験を5年以上有する者、
または平成22年度以前に2級合格後2年以上実務経験を有する者」
を満たさないと受験資格を与えられないことになっています。
しかし全くの素人でも試験対策に特化した勉強を50時間くらいかけて施せば
合格のボーダーラインへ持って行ける
と思います。
現にコレって葬祭実務経験としてカウントされるの?
っていうグレーな経歴の人が受かっている事例も耳にします)

と、いうことは葬祭ディレクターの資格所有者は、
葬祭ディレクターが少ない葬儀社を転職先として狙え、って言いたいところですが
そういうところは
レベル的には???
ってことになるのかも・・・

(追記)
それから2級はあんまり採用の場では評価されないと思うので
受験の手間を考えると(最短の4年で1級を取りたいと思う人は別にして)
2級は飛ばして最初から1級狙いでいった方が良いのでは
と個人的に思います。




8 件のコメント

  • 今でもgoogleで「葬祭ディレクター 国家資格」や「葬祭ディレクター 国家試験」と検索するとヒットするHPや企業が沢山あります。
    この本の筆者プロフィールも国家試験との表記があり、重鎮と言われる方でも分かっていない部分があります。http://www.fusosha.co.jp/book/2011/06522.php

    国家試験の場合は消費税法では「非課税」であり、消費税がかかる場合は国家試験でないと見なす場合が多いと思います。
    実は、厚生労働大臣が発行する国家資格でも、国家試験を実施する主体により受験料金が大きく異なります。

    厚生労働省が直接行う国家試験である医師 15,300円、歯科医師 18.900円、薬剤師 6,800円、看護師 5,400円、診療放射線 11,400円、臨床検査 11.300円、理学・作業 10,100円、視能訓練 15,800円と比較的リーズナブルです。
    しかし、旧厚生省系の外郭財団に試験実施を委託してい国家試験では、臨床工学 30,900円、義肢装具 65,900円、言語聴覚 35,700円、救急救命 35,700円、柔道整復 16,500円、歯科衛生 14,300円。
    「国家試験を外部に委託して円滑な実施」との話ですが、単に天下り団体と天下りを潤わすだけです。

    受験者数も少なく、どの程度のコストが掛るのかは分りませんが、53,000円の受験手数料は国家資格と比較すると非常に高いと感じます。
    資格者の量産は資格の質と評価の低下になりますが、等級を5等級(我々は6等級評価を行う)まで広げる等で、評価の細分化を行った方が技能認定としての価値は上がると思います。

  • prof 様

    >重鎮と言われる方でも分かっていない

    この本よみました。嫌いじゃないけど、確かに「現在」は分かっていない印象です。

    お医者さん安いですね。それまで投資した教育費と合格率の高さを考えると
    むしろ高くしてくれた方が、いい感じがしますが(^^;)

    うすうす気付いてはいますが、世の中こういう仕組みなんですね。
    世間からぼったくりと言われている葬儀屋さんからさらに搾取するというのは
    ある意味すごいとおもいますけれども。

  • 日本人は他国の人々と比べると、肩書や資格に弱い(騙されやすい?)傾向があります。
    そのために、他国では見られない「資格詐欺事案」も発生しています。
    資格ビジネスは美味しい部分もありますが、レベル維持も重要な課題であり、「容易に取れない事で、有資格者の価値を維持する」ことも重要です。
    大学での評価も、優、良、可、不可だけではなく、上位4%(学校により異なるかも知れないが、私の頃は)には秀が与えられました。
    可と秀の学生が同じ評価なのは些か?です。

    我々には特級(全体の3%以下で概ね1%位)、その下に1~5級があります。
    従事者が1級でマイスタークラスが4~5級であり、教授クラスが特級となります。
    日本の葬儀従事者においても1級と2級だけではなく、更なるレベルの高い従事者に対して何らかの評価を与えても良いのではと考えています。
    1級を取ったら終わりでは、生涯教育としては維持が難しいと思います。

  • prof 様、
    > 日本人は他国の人々と比べると、肩書や資格に弱い

    ↓なんか肩書きがすごいことになってます。
    http://www.shukatusodan.com/magazine20111104.html

    1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査)、グリーフケアアドバイザー、
    儀典オーガナイザー、デスケアネットワーク主宰、葬祭コンサルタント。

  • 中国では運転免許を取るためには運転試験場で、内科医、眼下医、耳鼻科医、整形外科医の検査を受けます。(私の場合は外国人ですので、指定された検査機関で心電図と内科医の検診も必要)
    これが、6年おきに繰り返され、70歳(うろ覚えですが)で運転資格は取り消されます。
    しかし、日本では運転試験場や警察署で警察職員が眼科検査を行い(眼下医?)、呼びかけに応えれば聴覚検査OK、外見的に手足に不自由がなければ運動機能はOK、意識障害が起こる可能性がある心臓疾患や脳機能については無視。

    医学資格においては、男性医師が60歳、女性医師では55歳で資格剝脱(取り消し)を行います。(他資格も切磋琢磨、晴耕雨読、医療レベルの維持)
    これは、「患者さんに対して最善かつ最新の医療を提供し、安定した医療レベルを保つために必要な施策」です。(日本には100歳以上の医師がいますが)
    日本の資格の多くは「終生(生涯)資格」であり、外郭団体や行政の金儲けとも取られる「資格更新」も僅かに見られますが、多くは1度取れば死ぬまで有効であり、レベル維持が難しいシステムです。

    本来、資格とは適正に管理するための物でしたが、利益のための物となれば、「笑い草」になります。
    ちなみに、日本の警察幹部や自衛隊幹部は55歳で定年であり、天下りします。
    しかし、TVでもよく目にしますが半島の共和国の軍人(特に幹部)には「停年制が無く」、80歳を過ぎた将軍達(先々代の指導者の僚友)が沢山います。
    日本の国会も年寄りだらけであり、世襲制のために
    葬儀業界と同じで否定はできませんが。

  • 本来、資格とは「法令に基づき、その資格がなければ出来ない許可」と考えるべきであり(運転免許や医学資格)、安易に作ったり名乗ったりするのは総括すると「ネガティブ・メソド」に分類します。
    法令がない、公的資格がない業界(特に葬儀業界やカイロ業界)では、他社との差別化や優良表示(独禁法的には?)、資格ビジネスのために驚くほど多くの資格が名乗られていますが、資格が多くほど「資格の価値観が下がり」、資格が多い業界は一般ん消費者から見れば「猜疑観(感)」が増します。

    業界として考えると、「資格の乱造や乱発はオウンゴール」であり、一時的利益の囲い込みには有用な方法ですが、瀬戸際(終末的)対応と考えます。
    現時点では葬祭ディレクター(正式には視覚ではない)だけが葬祭業における法令に基ずく物であり、これが1級と2級しかないことも類似資格が出来る原因です。(最低でも3等級、出来れば5等級評価が良い)
    私自身も国家資格や公的資格を20位持っていますが、これ自体が見っとも無く重要な資格が「安く見られる」ために、3~5資格以上は書きません。
    (医療者ではメイン国家資格+権威のある学会認定資格2~3程度以上は書かないのが通例)

  • prof 様、
    >(最低でも3等級、出来れば5等級評価が良い)
    これは同感です。
    できれば1級は合格率10%以下くらいが良いかなと思います。

  • 世襲制により成り立っている葬儀業界も、2代目から3代目世代になり、不安材料も増加しています。
    資格も経営者や企業、営業のためでなく、「従事者と利用者のため」であるべきであり、主体を誰に置くかを考え直す時期でしょう。

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