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葬儀屋だからこそ




このところ葬儀屋さんの「差別」ネタが続いていますが
もう少しおつきあいを。

葬儀屋さんは
・体力
・教養
・倫理観
において一般人の平均値を上回っていなければいけないと思っています。

体力に関しては以前の記事(葬儀屋に必要な能力)で書きましたが、
教養と倫理観になぜ秀でていなければならないかというと
葬儀屋が人の死に関わる崇高な職業だから、です。

昔は宗教家が教養と倫理観に秀でていた(ということになっていた)わけですが
宗教家がパワーダウンしている昨今
これからは葬儀屋もその役割を担(にな)わなければいけないはずです。

この想いは十数年前に私がこの業界に入ったときから思ってきたことなんですが
ただこれを葬儀業界全体が目指すものとして申し上げるには、
あまりにも実態が理想を大きく下回り過ぎていて・・・

でも最近葬儀業界に入ってくる新人さんを見ていると
そろそろ世間から失笑を買うのを恐れることなく、
言えるようになってきた気がするのです。

 

あまり適切な例えではないので
気を悪くする方がいらっしゃったら申し訳ないのですが
小説家の花村萬月氏が以前こんなことを話していました。

あるソープランドの経営者は
ソープ嬢の将来を考えて給料の半分を強制的に貯金させるような人らしいのですが
同時に彼女らを茶道や華道の教室に行かせるらしいのです。
世間から蔑まれる職業だから、卑屈にならないように自信を付けさせるために。

葬儀屋が素晴らしい職業である
という信念が揺らいだことは私自身一度もないと断言できます。
しかし
面と向かってキツイ言葉を投げかける人は実際にはまれだと思いますが
それでもあるときにネット上で
世間様の突き刺さる言葉を目にして落ち込んだ葬儀屋さんもいるでしょう。

そんなとき
葬儀屋である自分には教養と倫理観がある
という自信を持っていると強いのでは、
と思うのです。

さて具体的にどうしたら・・・っていうのは難しいんですけどね。
日々勉強しましょう、くらいしか言えないんですけど。

さてここからはいきなり話をスケールダウンいたしまして。

なにか自信を付けるためにちょっとした成果がほしいんだけど
忙しいので、何から手を付けたらいいのか分からない、
っていう人にはこれはいかがでしょ?

教養と倫理観を身につける第一歩ということで・・・

倫理の教科書+その内容を朗読しているCD

当然宗教思想にも触れています。
私は通勤やら当直の時何度も聞き流してました。
教養と倫理観がアップしたような気になります。
あ、倫理観は気のせいかもしれない(^_^)











14 件のコメント

  • 物理教師様、はじめまして。
    名古屋のI葬祭に勤めております。gonbesanと言います。

    とは言え、まだ勤めて1年半ですので
    駆け出しもいいところです。

    転職を検討した頃より貴ブログを拝読するようになり
    本日は初心を思い出し意味もあり
    最初の方から読み直しておりました。

    これからも、更新が続くことを楽しみにしております。

    なお、先日、自分の店舗に『無宗教葬』のお見積りを
    相談に来られた方がおられました。
    もしかして、、、?
    なんて、思いましたがさすがに思い過ごしでしょうね。
    ※相談対応は別の者がしております。

    それでは失礼致します。

  • gonbesan様、
    >最初の方から読み直しておりました。
    ありがとうございます!感激です。
    >さすがに思い過ごしでしょうね。
    全盛期のキアヌリーブスに似てたら私ですね(^^;)

  • 現日本における葬儀はサービス業であり、国勢調査職業区分番号でも「葬祭業番号」があります。
    しかし、日本での葬祭は「村八分」からも除外されており、職業としては歴史が浅いと言えます。
    例えば飲食業は歴史が古く、「原価率が30~35%」が標準ですが、世間からの非難はありません。
    しかし、葬儀社が原価率35%だと「ぼっている」と非難をされます。

    ラーメンも安いチェーン店では390~500円位、家系や独立系では700~900円であっても「高い」と苦情は出ません。
    ラーメンは食欲との欲求、選択の自由と料金が明確(家系や独立系は食券が多い)であり、「欲望に対する対価」である事からラーメン1杯1,000でも問題はありません。
    しかし葬儀は、近親者の死との「望まない事態」に対しての支出であり、「仕方がなく支払う」との感情があるのも事実です。(全てのヒトに死は確実に訪れるが)

    原価率から考えると、サービス業の葬儀は「あくどい」とは言えません。(問題のある業者もいるが)
    前世代の葬儀従事者のイメージが払拭されていませんので、企業レベルのCIでは社会的評価を上げるのにはまだまだ時間が掛かります。
    トヨタのCMの様に車を買わせるCMではなく、「免許を得る気にさせる、車の運転は楽しい」との掘り下げたイメージ戦略をすれば、効果もありますが。

  • prof様、
    >「仕方がなく支払う」との感情があるのも事実です。
    葬儀費用って商品の対価というより税金に近い、っていう感覚ですよね。
    >「免許を得る気にさせる、車の運転は楽しい」との掘り下げたイメージ戦略をすれば
    くらしの友さんの電車内広告みたいなのもありますね。私はあれはどうかと思うんですが・・・

  • くら友さんの広告は知りませんが、初代は「町の世話役的創業」でしたが、2代目では拡大(面識はありますが)、3代目の施策でしょう。

    以前も書いた話ですが、担当者や従事者レベルの組織が無ければ社会的評価やスキル・アップが難しい部分があります。
    国内の葬儀系組織や団体は「経営者のための組織であり従事者のためではない」ために、利用者である依頼者から見れば「ズレ」が大きいと思います。

    経営者、管理者、担当者(現場)では考えに大きな差異があり一葉には出来ませんが、「世間の評価基準となるのは現場の担当者」と言えます。
    「外の私」が言う立場ではありませんが、実際に葬儀を行い、ご家族に対応をする「実務者」の組織は必要と思います。
    物理教師さんの立場もありますが、「誰か」が組織(看護協会や技師会的な組織)でも起ち上げれば”変化はある”と思いますが。

  • 【聴くだけ倫理】おもしろーい、早速購入してみよう、とAmazonを見たら、【政治・経済】【世界史】等いろいろあるんですね♫

    教えてくださりありがとうございます(*´ω`*)

  • prof様、
    >「実務者」の組織は必要と思います。
    あー、確かにそうですよね。
    実務者の横のつながりは無いこともないんですですが
    上層部経由のことが多いですよね。

  • 初めまして wabisukeと申します。
    物理教師様のお話はためになる物ばかりで
    (無知な私には難しいものも沢山ありますが)
    古い記事も読み返して勉強させて頂いてます。
    有難うございます。

    「華道」というワードに釣られておじゃましてしまいました。
    葬儀に特化した花装飾と、死化粧・納棺の出来る人間になろうと勉強中です。
    長年親交のあった方にそれを話したら
    「もっと普通の仕事があるでしょう!?」ってヒステリックに言われました。
    以来、お付き合いは途絶えてしましました。

    ご存知とは思いますが
    茶道も華道も源流には「賤民」と位置づけられた人々の存在があり
    弔いとも深い関係があります。
    自然の全てに神仏が宿るとされ畏れられていた時代には
    草花を切り落としても再生させて神仏が宿るように美しく整える人や
    石を動かして美しい庭を作る人達は重用され、将軍によって保護されました。

    人間の存在も自然を構成するうちの一つですから
    自然を読み解く能力に長けた人々でなければ
    正しい弔いが出来ず、祟りがあると考えられていたんだそうです。
    今では茶道も華道も高尚な芸事として浸透していますけど。

    これからは花を通して弔いの歴史もアピールしていきたいと思っています。
    そしていつか親交が途絶えてしまった方も納得して頂けるような
    説得力のある仕事が出来る人間になろうと思います。

    これからもこちらのブログで勉強させて頂きます。
    宜しくお願い致します。

  • wabisuke様、
    丁重なコメントありがとうございます。
    >古い記事も読み返して勉強させて頂いてます。
    ありがとうございます!
    >「もっと普通の仕事があるでしょう!?」
    「普通」の仕事ってなんでしょうね。
    誰にでもできる仕事という意味なら、普通じゃない仕事がしたいですよね。
    葬儀屋という弔う仕事も数百年やり続ければ高尚な存在になれるのでしょうか。
    あ、でもいろんな業態を含めると既に数百年続いてきてるんですよね(^^;)
    高尚な存在にはなれなくても、道は極め続けたいですよね。
    >説得力のある仕事が出来る人間になろうと思います。
    がんばってください!私もがんばります(^_^)

  • 僧侶や葬祭業の方たちは、自然の理や命の尊厳を真摯に見つめながら毎日を生きてますよね。
    すばらしい生き方だと思います。
    ていうか、それが普通の真っ当な生き方なのに。
    やっぱり私たちは騒がしい毎日に追われて、
    基本的ななんかを忘れてると思えてしょうがないです。

  • Narcissusssa様、
    >僧侶や葬祭業の方たちは、自然の理や命の尊厳を真摯に見つめながら毎日を生きてますよね。
    そうですよね。特に若手にこの傾向があるのは、良いことだと思います。

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