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葬儀業界のヘッドハンティングのはなし




数年前にヘッドハンティングの体験をしたお話です。

知り合いの葬儀屋さんから「ウチ来ない?」と言われたという求人の話ではなく、
ヘッドハンティング専門(業界ではヘッドハンティングという言い方ではなく、エグゼクティブサーチという言い方が正しいらしいんですが)の会社から、ある日連絡がありました。

ところで今日の話、自慢話かって?
ええ、3割は(^^;)
でもオチは別のところにあります。

面接

連絡をもらったときは、葬儀業界もそんな求人の仕方をする時代なんだと思いました。

ヘッドハンターに会ってみると、とりあえず先方の役員に会って話を聞くだけでいいから、それから考えてくれと言われました。

役員の面接まで時間はほとんど無かったので、古田英明さんの「ヘッドハンターとつきあう法」という本をひとまず読みました。
次にその葬儀社の複数の営業所に、事前相談者を装って訪問してリサーチしました。

で役員面接当日。
役員からは「今の社風を変えたいので協力して欲しい」という話でした。
それを受けて私は、今御社はこういう点とこういう点が問題ですよね、と指摘させてもらいました。
事前相談者を装った他社訪問は結構こなしているので、少なくともその葬儀社の弱点を見つける能力には自信があります。

そうすると役員が「よし、合格」(゚∇゚ ;)エッ!?

それを受けて同席していたヘッドハンターも
「物理教師さんも、ぜひ御社に入りたいと・・・」
・・・って、ちょっと待て(^^;)

話を聞くだけと言ったじゃないか。
ただ、古田さんの本に「ヘッドハンターは、転職させた社員の初年度年俸の35%ほどの報酬をもらえる」と書いていたので、やや強引に話をまとめようとするのは
「想定内」でした。
ただ、その場で合格っていうのは「想定外」
「2日待ってくれ」ということで話を終えました。

で2日後、自分の出した結論は

「転職しない」
(正確には転職ではなく転社というべきなんでしょうが)

理由は経営陣が求めている能力が自分にないから。

その葬儀社はいわゆるARTISANタイプの社員がほとんどで、
経営陣は教育によって近代的なサービススタッフへの転換を希望していました。

しかし私は葬祭業の適性に関する考え方が
才能原理主義」なのです。
その人の能力の方向性をのばすことができても、
方向を変えるのは無理だと思っています。
向いてない奴は切るしかないという考え方。

そしてARTISANばかりの環境にパラシュートで降下して、彼らをノシていく、
そんな政治力やリーダーシップは私には全くない。
みんなやくざっぽいキャラなのに、この書生タイプの私が入っていっても、ねぇ。
変えられない、と思いました。

で、いつもの日常に戻っていったのですが。

でも不思議なことに、まわりの風景が少し違って見えるのですよ。

今回の件で、
葬儀業界における自分の商品価値みたいなものを客観的に考察できた

からだと思います。
自分を一つの商品として見る、
もしくは自分を今勤めている会社と取引している個人商店として見る、
という視点はずっと同じ会社にいるとなかなか持てません。

社外に自分を欲しいと言ってくれる人がいた
自分にできることと、出来ないことが見えた

その結果、自信を持つところ(強み)と、謙虚になるべきところ(弱み)の両方を真剣に考えることができました。

以前葬儀業界は人材は流動的であるという話をしました。
実際にするしないは置いといて、
転職のことは常に頭の隅に置いといた方がいいと思います。

その方が自分の能力を客観的に見ることができると思いますよ。

追記
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