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セレモニースタッフの育成方法




セレモニースタッフの育成方法を述べつつ
それに関連して最近読んだ本をご紹介したいと思います。
(育成方法とは書きましたが、こちらが育てるというより
スタッフとして成長していただくには、というニュアンスの方が近いかな。)
今回ご紹介するのはこの本。

店長必携 人が集まる・心をつかむ・育ち、離れない ホスピタリティマネジメント

清水均 日経BP社 2014-10-09
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もともと店長がアルバイトを採用・育成するための指南書なんですが、セレモニースタッフを内製化(自社で雇用育成)している葬儀社の方にも読んでほしい本です。
ちなみにここでいうセレモニースタッフというのは
お葬式の担当者ではないけど焼香案内など担当者をサポートする業務の人です。
フルタイム労働ではなく契約社員やパートタイマーの立場で
それなりの人生経験を積んだ(^^;)年齢の女性が務めていることが多いです。
また派遣会社から派遣されることも多く
内製化している葬儀社の方が少ないかもしれません。
とはいえ
会葬者に接している時間はスタッフの中で一番長く

会葬者への対応はその葬儀社のプロモーション活動の一つとも言えるため
セレモニースタッフはその葬儀社の印象を決めるキーパーソン
なのです。

そのためセレモニースタッフを内製化して育成することは
葬儀社全体のクオリティアップに繋がります。
しかし葬儀担当者ほど育成に注力されないことも多く
その結果スキルアップが行なわれなかったり
離職率が高くなるケースも多々あります。

グループ

ではそのセレモニースタッフの育成について
重要なのに実際行なわれていないのは以下の2点だと思います。

・会社の理念を伝えるオリエンテーションの時間を作ること
・トレーナー(先輩セレモニースタッフ)とのOffーJTの時間を確保すること

実態としては最初からOJTという名の現場任せのほったらかし、
になっていることが多いと思います。

そうではなくてちゃんと戦略的に進めていきましょう、ということです。

そこでまず最初にオリエンテーションの時間を作って
葬祭業のすばらしさやこの仕事のやりがいなどを伝えるべきなのです。
この仕事はいくらでも語るべきことがあるはずです。
そこを伝えてから、次の段階として、
どういったことを学んでいくのか
という全体像を伝えていくべきです。

次にトレーナー(先輩セレモニースタッフ)と一緒に過ごす時間がスタートするのですが
起こりがちな問題が2つ有ります。

人間関係台所化です。

人間関係というと、おっさん連中は
「ああ、だから女ってやつはね」と言い出すのですが
性差よりも社内ポジションによる問題が大きいと私は思います。

彼女らは上下や左右にポジションチェンジしない、
つまり職域や勤務体系の変更、もしくは昇進が基本的にはありません。
そういう固定化された状況では、入社してきた新人セレモニースタッフは
新しい協力者ではなく、テリトリーを犯す者、として扱われる場合があります。

もちろんそう考えない人、
もしくはそう思っても攻撃衝動を抑えるべきと考える人が多いと思いますが
全体の2割いるだけでかなりやっかいなことになります。

台所化問題(私が命名しました)に関しては
性差の問題が少しあるかもしれません。

女性って自分の家の台所の道具の配置に関して
これは絶対ここ!って言う人結構いるじゃないですか。
「なんでこの皿はここじゃなくちゃいけないの?合理的な根拠は?」
って聞いても、この皿はここなの!っていう感じで。
それを自分の配属の式場や倉庫でやっちゃってる場合。
これは、ここ。それはこの手順じゃなきゃダメ、という感じです。

ここに新人が入ってくると、先輩セレモニースタッフの姑(しゅうとめ)化が起きてしまう。
姑が一人ならいいんですけど、
複数いるとダブル(トリプル?)スタンダードができてしまいます。
それでなくても新人にとって葬儀の現場ってなじみのないことだらけなので
かなりのストレスになってしまいます。

この2つの問題の完全解決は難しいんですが
人間関係の問題は、
・トレーナー選定は相性も考慮して最善と思われる組み合わせを行なう。
またトレーナーにもトレーナーとしての役割に関する事前教育を行なう。
とはいえリスクの分散も考慮して(つまり組み合わせの失敗を織り込んでおいて)、
ソロデビューまでずっと1名のトレーナーではなく、
何人かの持ち回り制を前提にしておく。

この本の中では、トレーニングプログラム作り方の部分(6章、7章)が役に立つと思います。

台所化問題に関しては
常日頃からのオペレーションの均一化
つまりマニュアルの作成が必要です。

この本においてはP94~のマニュアル例が参考になると思います。

会葬者の声がけはある程度定文化できるので、
会話例を盛り込むのがポイントです。

それから当たり前のことですがマネージャーは最初の2週間、
始業と終業時、例え短い時間でも毎日
新人セレモニースタッフとコンタクトを取ることです。
常に対面で、というわけにもいかないでしょうから、電話でもいいので
いつも気にかけているというサインを送るべきだと思います。
たとえ自分が休みの日でも。
女性

今後セレモニースタッフの需要が増えていくのは確実です。
彼女らの育成システムの確立は、個別の葬儀社レベルの話ではなく、
葬儀業界全体としての急務だと思います。
(参考記事:人口統計から10年後の葬儀社の労働環境を予測する!?

それからセレモニースタッフになろうと考えていらっしゃる方は面接の際
その葬儀社がどういった育成プログラムを組んでいるかを尋ねることで

そこで働くかどうかをお決めになってはいかがでしょうか。

(追記)
前述の「ホスピタリティマネジメント」の著者が書いた本でこういうのもあります。

ホスピタリティコーチング 新装改訂版

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by ヨメレバ

聞いたことのある話が結構多いので普段サービス系の本を読み慣れている方は
「ホスピタリティマネジメント」の方だけで良いと思います。











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