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「これからの葬儀の新しいかたち」の書評




今回ご紹介する本はこちらです。

これからの葬儀の新しいかたち~家族葬
鈴木 孝治 (著)

これからの葬儀の新しいかたち~家族葬
これからの葬儀の新しいかたち~家族葬 鈴木 孝治

扶桑社 2011-03-17
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また出ました。名古屋発の葬儀本!

別名冨安フォローワー(^_^;)

名古屋の葬儀屋さんの間では
ティアの冨安氏に続けと本を出すのが流行っているようです。
(参照ページ:「だから、葬式は必要だ。
―弔いびとが葬儀業界の真実を語る」はかっこ悪い

「葬儀秘録」を読むと名古屋でティアさんが躍進する理由が分かる

帯には
「日本初の家族葬専門書!」
の煽(あお)り文。

でもこれ違うのでは・・・

既に結構出てると思うんですが(^_^;)

次に
「一般葬の総額199万円が家族葬なら1/3程度でOK!」

これも違うのでは・・・

199万円のデータの出典は日本消費者協会の悪名高きアンケートからなのですが
(参照ページ:速報 日本消費者協会の「葬儀費用」発表

・まず日本消費者協会のデータには信憑性がありません。
実態よりも高額な数字が出ています。
(参照ページ:マスコミが報道する葬儀費用のウソ

・「一般葬の総額199万円」とありますが、
この日本消費者協会は
「一般葬」と限定してアンケート集計を取ったわけではありません。
そもそも家族葬と一般葬の明確な定義が無い以上、
区別して集計は取れません。
家族葬のサンプルも当然混じった金額ですから
「一般葬の総額199万円」というのは間違い。

・この日本消費者協会の199万円という数字の中には
寺院へのお布施が含まれています。
「1/3程度でOK!」ということはお布施を含んで66万円前後ということですよね。
しかし文中で
著者の経営する葬儀社で家族葬をすると(寺院へのお布施を除いて)
平均57万円かかっていると述べているので
寺院へのお布施を足すと、とても「1/3程度でOK!」とはいきません。
(ちなみに日本消費者協会のデータでは
寺院へのお布施は平均51万円となっています。
家族葬でも僧侶は葬送儀礼を省く訳ではないので、
この数字が著しく下がると思えません)

・・・とこんな感じでスタートではつまずいているのですが
総評としては冨安フォローワーの著作の中で一番良いできだと思いました。

自社の宣伝に比重を置かず、
家族葬についての現状を伝えようという真摯な姿勢は
評価できると思います。

追記
著者として本を出版した以上、
本の購入者に作品を論評されるのは当然予想されていると思います。
しかし一方で本職の物書きでない人にとって、
いろいろ論評されるのは厭なものだというのは私も十分理解しております。
この文章は別に著者を困らせることが目的ではありませんので、
要望が有れば希望箇所を削除するのはやぶさかではないことを、
お断りしておきます。











6 件のコメント

  • 失礼します。東京多摩地域で患者様の移送を続けています。葬儀に参列される方々からの移送もあり、勉強させて頂いています。ありがとうございます。

  • 家族葬の本ですね!まだ読んでいない!
    家族葬や直葬を新しいカテゴリーとしてビジネスされている業界の方々がたくさんおられます。素晴らしい事でしょう。ただ本来?のお葬式の良さ(業界にとってではなく生きる人々にとって)をもっと広めて行かないと最後には棺業界しか残りませんよ!って考えるのは行き過ぎでしょうか?
    また葬儀業界の革命児って?なにを革命されたのでしょうか?白木祭壇のビジネスモデルはそのまんまですが・・・物理教師様ご解説をお願いします

  • 心の救急ケア 様、コメントありがとうございます。
    参考になりましたらうれしいです。
    ブログ拝見いたしました。
    またお時間ございましたら、お立ち寄りくださいませ。

  • 冠婚葬祭森羅万象 様、
    はい、解説いたします(^_^)
    葬儀屋さんの「革命」は枕詞みたいなもんです。
    「住宅街」ときたら「閑静な」がつくように。
    「革命」を使う葬儀屋さん多いですよね。

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