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多摩大学大学院客員教授 紀平正幸氏が葬儀のことを全く理解していない件




今回ご紹介するのはこの本。

終の二択 ~定年からの取捨選択術~

終の二択 ~定年からの取捨選択術~ (ワニブックスPLUS新書)

紀平 正幸 ワニブックス 2014-06-09
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by ヨメレバ

著者の紀平正幸氏が葬儀のことを全く理解していないので
指摘しておきます。

いまや終活ブーム。
そうなると当然玉石混淆の状態になるわけで。
紀平正幸氏は「石」の方。

著者の職業は心理カウンセラー、ファイナンシャルプランナー、客員教授。
肩書きだけ見ると終活を語るのに適任のはずなんですが
全体的にクオリティ低すぎです。

たとえば
前書きに氏の特徴が出ていると思います。
「ここで一つ忠告しておきたいことがある。
多くの人が「豊かさ」さえあれば「幸せ」を実現できると
勘違いしているという点だ。」
勘違いしているのは紀平氏のほうではないでしょうか。

多くの人は「貧困」は「不幸」だと思っているかもしれませんが
「豊かさ」さえあれば「幸せ」なんて、
高度成長期ならいざしらず
ほとんどの人がもはやそんなふうには考えていないでしょう。
にもかかわらず、世間を馬鹿にしたこの物言いなのです。

そんな紀平氏が
葬儀について述べるとこうなります。(P193~)
葬儀を「挙げる」または「挙げない」?
盛大な葬儀なら故人は喜ぶのか

はっきり言わせていただく。

「葬儀」という名の″盛大な儀式”は不要だ。
身内だけで送る「家族葬」で十分である。

「はっきり言」っているところ申し訳ないのですが

葬儀屋さんがこの文章読んでも
何を言っているのか意味が分らないと思います。

彼の論理を分りやすく言い替えるとはこんな感じ。
「麺類という炭水化物の多い食べ物は不要だ。蕎麦で十分。」
ね、意味分らないでしょ。

「家族葬」は「葬儀」の一形態であるのだから
二択という相反する扱い方をするのはヘン。

まさか、まさかとは思うけど
紀平正幸氏は直葬を御存じ無いのでは?

葬儀をするしないの話なら
葬儀と直葬の二択でいいんじゃないの? 
また遺族からしてみれば、亡くなったことだけで悲しんでいるのに、
葬儀を行うことで、「誰を呼んだ」とか「誰に連絡しなかった」だとか
面倒なことが多々起こり得るのだ。
参列者を制限する家族葬の方が、
>「誰を呼んだ」とか「誰に連絡しなかった」だとか面倒なことが多々起こり得
可能性が高いんですけどね。

まとめの一文は 

もしどうしても盛大に行いたいのであれば、「生前葬」スタイルを選択し、
自分も参加者の一人になりたいものである。
なんで唐突にここで生前葬がでてくるんでしょうか?
これまで葬儀は面倒で金がかかるから止めとけという論理を展開しながら
普通の葬儀より面倒で金がかかる(だから実際誰もやろうとしない)
生前葬を勧めるのがさっぱり分らないんですが・・・
生前葬という言葉を覚えたので使ってみたかった?・・・って小学生か! 
今回は私の専門分野に限定して反論しておきますが
他の分野の記述にも?というところがたくさんありました
(宝くじを買えとか年金の繰り上げ受給はするなとか。
金融資産の計算方法も結構間違っている。)

私を含め読者はちゃんとお金払ってこの本買ってんだから
もうちょっとまじめに仕事しませんか。 

(追記)
 「紀平正幸」で検索するといろいろある人みたいです。

紀平正幸氏の経歴詐称問題

日本FP協会が全く信用できないひとつ、説明責任
 











7 件のコメント

  • 何もしない、何も言わなければ「認めたことになる」とされています。
    その意味で、物理教師さんのスタンスは正しいでしょう。
    問題や間違いと感じれば、「自分の意見を述べて、後は個々の判断に委ねる」。
    何も言わない、何も発しないことは「全てを容認し、受け入れたと判断がされる」ので、正解か間違いかではなく、理路整然とした考えが枝を伸ばします。

    近年、SNSが主流になり「軽薄が増加」しました。

    因みに、年金機構の担当者は「繰り上げ受給が徳」と言っていました。(85歳以上まで生きる自信があれば別ですが、不摂生がたたり無理)

  • いつも楽しく拝見しております

    この方の著書を読んだ事はありませんが、抜粋されているところだけ読みますと家族に宛てた手紙かと思わずツッコミたくなりました。

    肩書きのある方からしたら、一般的な葬儀=盛大な葬儀となり、盛大な一般葬か質素な家族葬かの二択が成立したのだと思います。
    でもこれって一昔前ですよね。

    家族葬としなくとも故人が長年施設に入っていたり、会社関係の弔問が減りつつある現在では、家族葬に毛の生えた一般葬と本当の家族葬が、かなり割合を占めているのではないかと感じています。

    そう考えると一般の方に向けて「葬儀は必要ない」と唱える方の二択は直葬とそれ以外の儀式をする葬儀となるのでしょうか?

    個人的には直葬も立派な葬儀であると思います。

  • prof様
    >物理教師さんのスタンスは正しいでしょう
    正直、いちいち絡むのが面倒なときもあるんですが
    これが自分にできる役割だと思っています。

  • 葬儀社営業課長様、
    コメントありがとうございます。
    >個人的には直葬も立派な葬儀であると思います。
    このご意見には全く同感です。

  • ヒトの死に際しての葬と言う意味では、各自の立場により受け取り方が異なります。

    神奈川県の研究報告書に面白い文献があります。
    http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/429187.pdf
    1次葬が火葬まで、これ以降が2次葬。
    祭壇や参列者に関係なく葬は成り立つ様です。
    特に、先の東日本大震災での1次仮埋葬、2次火葬、3次埋葬を考えると、「これらも葬と言える様です」。

  • 川崎市遺体保管場問題が報道されました。
    http://news.tbs.co.jp/20140725/newseye/tbs_newseye2259125.html

    やはりというか当然の結果ですがTBSです。
    葬式、火葬、遺体、墓問題が大好きな局ですので、「住民側が持ち込むと、住民有利なフィルムに仕上がります」。
    先週からTBSのアクセスが非常に多くなっており、恐らく「噂の」も取り上げるのではと感じています。

    私の知る限り、住民と市議の反対運動は「下手(むしろ失敗)」であり、着地点を失い迷走をする羽目となってしまいました。
    専門家の意見を聞かず、「知識のない者たちが感情論」で対応しても無駄です。
    今回の件で、「業者側の勝ちが確定」(23日の住民説明会ですり合わせが可能であった)しました。
    住民と市議の「オウンゴール」ですが、置き土産として川崎市条例(葬儀場、遺体保管場、エンバーミング施設規制条例)が出来ることが確定しました。

    また、これらの規制条例が全国各地(政令指定都市と中核都市)に拡散することも確実となりました。
    行政としては規制条例制定で住民や議員の矛先を交わせますが、「現実味のないザル規制」では阻止は不可能であり意味が見出せません。
    意味のない文字だけの規制条例ではなく、「適正配置や適正管理」を考える方が良い事に気が付かない様です。

  • prof様、
    >先週からTBSのアクセスが非常に多くなっており、
    また偏向報道ですかねー
    >意味のない文字だけの規制条例ではなく、「適正配置や適正管理」を考える方が良い事に気が付かない様です。
    行政もポーズだけなんとかやっとけ、みたいな感じですかね。

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