葬儀業界が女性より男性を採用する理由




東京医大の問題

最近東京医大の得点操作が話題になっています。
東京医大、女性受験者の得点操作で謝罪
女性もしく三浪以上の受験生の得点を相対的に他の受験生より不利にしていたという問題です。
この背景には女医の比率が上がると、女医は夜勤を避ける傾向があるため、夜勤者が不足して医療現場がたちいかなくなるという問題が背景にあるようです。

今回の件、こっそり得点操作をしていたことは論外です。
許されるものではありません。

ただし、まず私が思うのは、世間て大学生は入学試験だけで選抜されているものと思い込み過ぎなのではないでしょうか。
私は、大学進学率が1割くらいの田舎で育ったので、いい大学に入るには一生懸命勉強して入学試験に合格しなければいけないと思い込んで、その通り実行しました。
しかし大学に入ってみると付属からのエスカレーターや推薦で入った子がうじゃうじゃいたわけです。
そして彼らの相対的な学力の低さを知るにつれ、これって公平じゃないという不満と、自分が世間知らずであることを感じたわけです。
それでも当時はまだ一般入試組が多数派でしたが、今では一般入試で入る人の方が少ないという事態になっています。
(参考記事:私が欲しい新卒の人材 | 考える葬儀屋さんのブログ
もはや入学の選抜って、私に言わせれば公正でも公平ではないのです。

それから海外の大学が人種や寄付金額によって定員枠を設けている事例に見習って、例えば女子は3割しかとらないと事前に公表していたらこの問題はどういう扱いだったのでしょうか。

このあたりの議論は当事者に任せて、今回はその是非は論じません。

葬儀業界には男性枠がある

わたしが言いたいのは、今回の問題の構造は葬儀業界と非常によく似ているということです。

葬儀業界の採用には歴然とした男性枠があります 。
なぜなら男性が、夜勤を行うからです。
女性も夜勤を行う葬儀社は全体の一部に過ぎません。

葬儀社の勤務体系は医療現場と同じく24時間体制です。
病院で亡くなると、ご遺体は病院に駆けつけた葬儀屋さんに引き渡されます。
つまり医療と葬祭業の現場は切れ目なくつながっています。
そしてそれは真夜中にも起こりうるので、葬祭業と医療の現場の勤務体系が似ているのは当然のことです。
よってどちらの業界も夜勤の人手不足の問題に頭を痛めています。
その結果、夜勤を行わない女性より夜勤を行う男性を必要とします。
(看護士は女性が多いですが、月間72時間ルールなどで、医師や葬儀屋さんよりも労働環境は守られています)

例えばある葬儀屋さんの採用枠が3名で、評価の結果、上位3名が女性だったとします。
大体男性よりも女性の方が優秀なので、この状況になることは多いです。
しかし採用側はおそらく男性2名女性1名の採用とするでしょう。
つまり2番手3番手の女性よりも4番手5番手の男性を優先するわけです。
この会社は別に男尊女卑なのではなく、当然給与体系も男女一緒で、産休制度等の福利厚生がしっかりしている会社であっても、このような選抜を行います。

なぜなら会社に泊まってくれる人、つまり男性が欲しいから、です。

この問題が解消されない理由

この問題を解消する、つまり女性の採用数を男性と同じにすることは可能です。

女性スタッフが「我々女性にも夜勤をさせろ」と主張すれば良いのです。

女性であることを理由に、もし葬儀社側が女性に夜勤を認めなければそれは法律違反になります。
つまり女性が望めばいつでも夜勤ができるのです
女性が男性と同じく夜勤をするとなれば、むしろ女性の方が優秀なので市場原理に基づいて葬儀社は女性を採用しようとするでしょう。
(もしくは夜間病院には駆けつけないというオペレーションにする方法がありますが、この選択肢は病院側に負担を強いるので現実的ではないでしょう。)

しかし実際は女性が夜勤を要求するような事態にはなりません。
わずかな夜勤手当をもらってまで、わざわざ夜、働きたいと言う女性はほとんどいないからです。
会社が夜勤をしろと言わないのなら、既に採用されている女性は、採用基準を見直させるために今の待遇を放棄することはありません。
まだまだ時間あたりの基本給が他の職種よりも高いので、夜勤をしなくても食べていけるということも背景にあるでしょう。

これが女性より男性を採用する葬儀業界の事情です。

とはいえ正社員が全て男性であるA社であるとか、女性には葬祭ディレクター試験を受けさせないT社のやり方が正しいと私は思いません。
しかし妙案はすぐに浮かびません。
やはり今年も男性を優先して採らざるを得ないでしょう。

でも現在、売り手市場で、そうなると葬儀業界の男性不足が生じます。
男性はよく分からない業界よりも、みんなが知っている業界や会社に行きたがるからです。
男性だけを欲しがる葬儀社はいずれ弱体化していくでしょう。

こうして葬儀業界の葛藤は続くのです。











2 件のコメント

  • 私は四年ほど葬儀業界に身に置いてるものです。
    いつも今後の勉強のためになるなと思いながらブログを拝見させて頂いてます。

    正直な話、今いる葬儀屋は私の考えとは著しくかけ離れてる葬儀社であり(お客様よりも売上主義、裁判沙汰も何度か、、、)
    そんな会社に席を置きながらも考える葬儀屋さんのブログを見て、自分だけはお客様の為になるようなうな葬儀屋になろう!思いモチベーション上げています。。笑

    正直言って今回のブログには全く関係ないですが。笑
    日々あなたのブログを見て、救われてる葬儀屋が居るんだよなーと急に思い、今回のコメントを書きました。。。
    あなたは私にとって目標の葬儀屋です。
    今後も葬儀屋にとって有益な情報を発信していってください。笑
    心から尊敬してます。

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