岩下宣子さん、間違ってますよ

最近は出版不況の中、葬儀本に一定の需要があるため
いろんな人が参入してきます。
そこでこの本。

急なお葬式で困らないQ&Aブック (TJMOOK ふくろうBOOKS)

岩下宣子 宝島社 2015-05-07
売り上げランキング : 54877

by ヨメレバ

 

筆者はマナー講師である岩下宣子さん。
マナー講師は参列者サイドの知識は豊富ですが
葬儀実務サイドのことには疎いことが多いのです。
そこで何かやらかしているはず、と思い
購入してみたらやはりHIT!
以下、指摘していきます。

自宅療養中に亡くなったら?

主治医を貯んで死亡を確認してもらいます。
主治医が不在なら、歯科や耳鼻科などでもOKです。
(中略)
死亡確認がとれるまでは、遺体に触れるのはNG。
たとえ床に倒れていてもベッドに運ぶなどせず、
そのままの状態にしておきます。

多分この本を読んだ人は近所の歯医者や耳鼻科に死亡確認を依頼して
断られ続けるんだろうなぁ。
確かに法的には歯医者や耳鼻科は死亡診断書を書くことができますが
検案書の場合歯科医はダメらしいです)
実務上は断るでしょう。
死亡認定の責任は負おうとしないはずです。
歯痛や鼻づまりがひどくて死に至った人がいるなら別ですが。

>ベッドに運ぶなどせずそのままの状態にしておきます。

一応救命措置はした方がいいんじゃないか?
歯

病院で亡くなった場合は

ただし死 亡診断書を受け取っていて車に遺体を寝かせるスベースがあれば、
自家用車で搬送することも 可能。

法的にはね。
ただしこの記事でも書きましたが
実際は大変です。

故人と遺族の葬儀の希望はどちらをとるべき?

葬儀は故人の遺志や遺族の意向をもとに決定します。
しかし ときには両者が食い違うこともあります。
(中略)しかし 葬式の主役は故人。
遺族の意向と違っていても故人の遺志を優先します。

こんなの言い切っちゃって大丈夫でしょうか?
個々人の価値感の問題だと思のですが。

葬儀に参加する人数はどうやって予想する?

参列者の予想は年賀状が目安

これは古いと思います。
高齢化がすすんでいるため
年賀状は出せても立地的、肉体的に参列ができない人が多いので
最近はあてになりません。
実際目安にしている葬儀屋さんは稀少だと思います。

葬儀は自宅でもできるの?

自宅での葬儀で注意すること

準備から片付けまでを自分たちですべて行う

とは限らないです。
多少追加料金は頂くかもしれませんが自宅葬の場合
葬儀屋さんが手伝うことの方が多いと思いますが。

弔事は誰に頼むべき?

ときには弔辞の長さもあわせて伝えるように しましょう 。
また、時間の都合によっては弔辞を割愛する場合があるというのも、
事前に知らせておきます。

(ヾノ・∀・`)ナイナイ
割愛するかもなんてこんな無礼な頼み方されたら相手は絶対怒り出しますよ。
マナー講師失格!
以上はライターがネットで聞きかじったことを書いた記事なのでしょう。
しかし監修という形で名前を貸した以上は
岩下宣子さんの文責ということになりますので
今後ご注意くださいね。




13件のコメント

遺体の移動は刑法第190条、死体損壊等(死体遺棄罪)を問える場合もありますが、
通常の変死事件では問えません(問いません)。
そのために、家族で運んで布団に寝かせて医師や警察を待っても問題とは
なりません。(所轄刑事課員から小言があるかも知れないが、状況説明でOK)

第190条は損壊、遺棄、領得(死体及び棺内副葬品)より構成されており、
死体の移動は「死体遺棄罪」を適応できる場合がありますが、これは
「隠す、装う(偽装等)」を対象としており、家族が死亡者を思う気持ち(可哀想等)は
国民の宗教的習俗を鑑みると正当な考えであり、第190条適応は阻却出来ます。

変死事件では、家族が遺体を動かしていることは珍しくもありません。
家族が「隠した物」を見つけ出すのも能力のうちです。(所轄が恥をかくが)

スタッフにもたまにこの手の失敗をする人が居ますが「いらない情報(キーワードを聞かせる)を与えて不安にさせてしまう。」わざわざ耳鼻科って・・・。こちらは地方なので警察が紹介しておりますね。往診の無い場合は検視するだろう・・。

故人と遺族の葬儀の希望はどちらをとるべき?
これはアホの極みですね。スタッフがこれをしたら殴りますよね。ここが腕の見せ所なのであって・・・。

なんでこう情報過多なのだろう今の時代・・・。

prof様
>変死事件では、家族が遺体を動かしていることは珍しくもありません。
現場では確かにそうで、警察から注意される遺族は見たこと無いです。

かかし 様
>情報過多
多い分にはいいんですけど
どうも間違い情報含有率が他業界より多い気がします。

刑法第190条については厚労省、学会共に「明確な答えを表明していません」。
実は、解剖も第190条の「死体損壊」に当たると考えられていますが、
刑法第35条により阻却されます。
第35条は、「法令又は正当な業務における行為は、罰しない」との条文であり、
解剖は「死体解剖保存法」との法令と、同法による「正当な業務」であり第190条の
「死体損壊や毀損」は解剖行為(正当が条件)に適応できません。

一方で、遺体からの小線源除去は「正当な解剖行為範疇」(厚労省通知)ですが、
ペースメーカ除去は厚労省通知や判断と法令がなく、医師が行う行為であっても
「正当な業務」(医行為)と言えるかの判断および判例もない事から、
厚労省は「否定も肯定もせず」との立場をとっています。
この件に関しては、11月号に書きましたので「厚労省と学会が動くと思います」。

prof様
厚労省って
IFSA設立前の動きもそうですが
亡くなった後のことには関わりたがらないイメージですね。

これは当然の対応です。
厚労省所管で遺体(死後)に関するものは、死体解剖保存法と墓埋法だけです。
一方で刑法では第190条があり、この「壁」は絶対で第35条適応も困難なために、
「小線源除去は死体解剖保存法を適応」して、躱した部分があります。
また、遺体の縫合に関しても「医政局長通知で医学資格者限定」として刑法を
躱しており、「死後は医行為ではない」との制約が足かせなためです。

基本的には、厚労省の「知らないところ、見えないところで勝手にやっている」のは
厚労省の責任ではありませんが、「把握していた」となると厄介です。
現在、各自治体で生じている指導要綱問題でも、多くの自治体管理責任者が議会で
「知らない、把握してない」を連発しており、責任回避をしています。
何よりも厄介なことは、「正当な業務は、法令等で認められた行為」であり、
葬儀分野には法令がないとの問題です。

青ナンバー車の遺体搬送は法令があり「正当な業務」と言えますが、それ以外の
部分は法令が存在しないために、「正当な業務の線引きが出来ません」。
通俗を鑑みれば、「通常の行為は正当な業務範囲」と考えられますが、散骨の様に
法務省判断(1991年)があれば明確ですが。
死後24時間以内の火葬は禁止

死後24時間以内の火葬は禁止の理由は諸説ありますが、葬儀業界の都市伝説の
「生き返る」は今の日本では除外です。(私も1件しか経験がない)
実は司法的な意味合いが大きく、「後になって犯罪に巻き込まれていたや、家族が
不信を抱き届け出等」があり、遺体がなければ証拠もなく立証が出来ないためです。
仮に「生き返る」とすると、死後24時間以内の解剖やエンバーミング、ドライアイスは
「止めを刺す」こととなり出来ません。(立正も困難)

遺体へのドライアイスは「遺体損壊に当たるか」との話し合いをしたことがありますが、
厳密には「毀損行為」ですが家族の承諾もしくは要請があり、家族自身も「凍る」ことを
認識していれば第35条の適応は無いが「セーフ」だろうと結論付けました。

prof様
解説ありがとうございます。
>私も1件しか経験がない
経験あるんですね(^^;)

死亡確認を「間違った医師」は、大学医局から絶縁状が出され、
流刑(Drコトー)で一生涯を過疎地で暮らす結果へ。
学会、論文も認められず、認定医、専門医、指導医も不可、
破門引退を迫られた上司と共に、全てのキャリアが奪われました。
まさに「ヤ〇ザの世界」と一緒。

prof様
ま、確かにこういうミスをする医者を現場に置いとくと
いずれまた何かやりそう、ってことなんでしょうね。

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