(PR)

がんばれ! 奥山晶子




このページでは葬儀ライターの奥山晶子さんについて書いた記事を掲載していました。
先日確認したところ検索上位に上がっており
ちょっと影響がありすぎるかな、と判断し、いったん本文記事を削除しております。

この記事(「小さなお葬式」擁護記事を裏読みしてみた | 考える葬儀屋さんのブログ)に書いた事情により、本文記事を復活させました。(2018年12月29日)

************************

先日テレビ東京の「なないろ日和!」

という番組でまた終活特集がありました。

そこに奥山晶子(おくやま しょうこ)女史が
終活の解説者として登場していました。
奥山女史は以前
東京MXテレビの「ぷらちなライフ」にも登場していたので
(参考記事:東京MXテレビ「ぷらちなライフ」を見て
今後彼女の出番が増えるかもしれません。

「彼女どう思う?」と葬儀屋仲間からたまに聞かれることがあります。
これはつまり「この人を許していいの?」ってことだと思うんですけど(^^;)
私の現在のスタンスとしては問題はあるけどもう少し見守ってはどうか、
と考えています。

今回のテレビ出演をきっかけに彼女と彼女の著作に
触れておきたいと思います。

 

葬式プランナーまどかのお弔いファイル

奥山 晶子 文藝春秋 2012-08
売り上げランキング : 317593

by ヨメレバ

彼女のプロフィールはこんな感じ。
http://ama-izu.co.jp/partners/shoko-okuyama/より引用

作家
葬儀ライター
フリースタイルなお別れざっし『葬」編集長
1980年、山形生まれ。新潟大学人文学部卒業。主に哲学を学ぶ。
大学時代4年間通して本屋でアルバイトをするほど本が好きで、
出版社への就職を試みるも採用されず、互助会へ入社。
配属先がご葬儀部門、営業に始まり、
その後搬送から司会業まで年間約50回のご葬儀をプロデュースする責任者へ。
約2年間の勤務の中で、同年齢の女性の突然の死や子供の死などに触れた経験から
「人生、やりたいことをやらないと後悔が残る」と決心、互助会を退職。
大学時代憧れだった書籍に関わる仕事を模索し、
書籍営業代行会社や脚本家などを経て現在の出版社に就職。(以下略)

「どう思う?」って聞いてくる人の発言にはおそらく
たかだか2年ごときで辞めた奴がテレビで葬儀を語るのか?
というニュアンスが含まれているようです。

確かに初志貫徹と言えば美しいが
葬儀の現場投げ出して出版社を選んでおきながら、
結局元葬儀屋の肩書きを飯のタネにするという行動は
葬儀屋サイドからすれば嫌みの一つも言いたくなる気持ちはわからんではありません。

ただ少しだけフォローしておくと彼女の著書では
元葬儀屋の女の子が主人公なのですが
葬儀屋を辞める自分自身を自嘲気味に評価する辺り(P21~)
引け目を全く何も感じていない、ってことでもないみたいなんですよね。

とはいえ実践不足という印象はぬぐいがたいものがあります。

葬儀社に入社後2,3年目の新人に多く見られる
なんとか担当を持てるようになって自信を付けてきた感じ、
悪く言えばまだ葬儀の本当の怖さに気づかず調子に乗り始めた感じ
のまま止まってる感じがします。

特に著作やTVでいわゆるDIY葬とやらを勧めるのは軽率だと思います。

「遺体の処置」と「段取り」を葬儀屋を介さず
実際に遺族に行わせるのはかなり無理があります。

上記の著書の第一話で「DIY葬-葬儀屋ナシでもなんとかなる」
とか言っておきながら結局第六話で火葬場予約など段取りを全てやっているのは
元葬儀屋の主人公ではないですか。
これは明らかに矛盾しています。
(そもそも主人公は役所に転職した設定なのに、そんなことやっていて大丈夫かと)

遺体搬送時に防水シート用意しろったって一般の人はなかなか持ってないでしょうし
自家用車に遺体をシートベルトで固定って軽く言ってるけど、
(実際にやろうとした遺族も知ってるけど)
硬直や体液の問題もあって大変だよ。(P47)

棺は注文して翌日の夕方届くという設定になっているけど
BtoC(企業と消費者との商取引)でそんなに迅速にできる仕組みはありません。
どうしてもというなら、亡くなる前に棺を買って自宅に置いておくしかないけど、
その方法勧めますか?

それから個人で利用できる会館の例として千代田万世会館をあげているけど
奥山さん、きっとここ使ったこと無いでしょう。

大変使いづらい場所なんだけど。

ね、一般の人が自分たちで葬儀するって大変なんですよ。

この本の前書きで
「やることが多すぎて当然徹夜です。三日三晩ほとんど寝ずに、
葬儀本番に倒れる令夫人を何人も見てきました」
と言っておきながら大変な「DIY葬」すすめるっておかしくないですか。

(それからそんな倒れるような遺族をたった2年の勤務中に何人も見たってことは
おまえが葬儀担当者としてデクノボウだからなのではないかと
ほとんどの葬儀屋さんがツッこむと思う)

あと僧侶紹介はここに相談!って紹介しているのは、中の人から見るとちょっと危なっかしい。

それから葬儀社選びのポイントの一つが
「事前相談の時に管理職が担当してくれるか」(P64,P72)
と言ってしまうのは幼すぎます。

あのね奥山さん、管理職の仕事は現場をマネジメントすることなの。
事前相談に管理職が出てきてしまう葬儀社っていうのは
マネジメントができていないか、肩書きだけの役職を乱発しているかのどちらかなので
むしろダメな葬儀社なの!

さすがにこれは本人もバカなことを書いてしまったと思ったのか先日のテレビでは
ベテランという表現を使っていましたが、そんなにベテランを評価するなら
2年の勤務歴にもかかわらずテレビでお葬式のことをしゃべっているあなたはなんなんだと・・・

奥山さんが多用する「素人のあなたでもお葬式ができます!」ていう主張は
彼女が素人以上葬儀屋未満であるが故の視点ではないかな?
消費者目線ということではなくて。

さて今回はヒール(悪役)に徹して
いろいろ厳しいこと書きましたけど
叱咤激励だと思ってください。

冒頭で書いたように私は
少し見守るつもりです。
(お前こそ何様だ、という状態ですが(^^;))

なぜならご遺体に触れたことさえないのに
テレビに出てデタラメを大声で語る輩がいる以上は
私はまだ貴方に期待せざるをえないのです。

あなたには、
まだ自分自身が未熟であるという自覚がありそうなので
望みはあると踏んでいます。

何はともあれがんばってください。
今後実務経験を重ねる気はないでしょうから
とりあえずもっともっともっと勉強してください。
応援しています。











26 件のコメント

  • 山形のナウエルさんにお勤めだったそうで、今でもナウエルさんの一部社員さんとは仲良くしているようですから、葬儀の現状は知ってるはずですけどね。
    ただ、山形の葬儀の仕方なので、骨葬が主ですし、言っている事が関東じゃ厳しいと思う事も言ってましたよね過去。

    やりたくない仕事だった葬儀を語る彼女の感覚がわかりません。

  • たまこ 様
    情報提供ありがとうございます。
    http://www.nowl.co.jp/
    ↑サイト、パンチ効いてますねぇ(^^;)
    式場も「通夜式場」という呼称らしいですし、
    東京から見るといろいろ違いがありますね。
    >山形の葬儀の仕方なので、骨葬が主ですし
    それで以前ホテルにお骨が持ち込めるって言ってたんでしょうかね。

  • O女史も、物理教師さんの会社に入職して育てられればと思います。
    少なくとも入社1年で「間約50回のご葬儀をプロデュースする責任者へ」の
    会社では、「時間をかけた人材育成よりも即労働力として重視」なのでしょう。
    文学部から互助会(冠婚も担当していたとか)であれば、1人前まで3~5年は
    必要でしょうから、単にO女史だけの問題ではなく「入社した企業に問題かも?」。

  • 年間約50回のご葬儀をプロデュースする責任者へ。
    すくねえ!!(笑)
    どんな理由があろうとも一番初めの画像だけで「今を知らないのか意図的にポジショントークしているのか」のどちらかでしかない。
    >事前相談に管理職が出てきてしまう葬儀社って言うのは
    >マネジメントができていないか、肩書きだけの役職を乱発しているかのどちらかなので
    >むしろダメな葬儀社なの!

    ぐお~前半の文字が突き刺さりますが頑張ります!!わかっちゃいるのですけど中々・・・
    上はわかってもらえず・・・下はモラルの向上が遅い。

  • DIYとか無茶を言うな。
    実際に葬式をやったらわかる。DIY葬なんぞ『人間関係棄てて構わない、俺外国人』と言ってるのと同じだから。さらに今話題の『安全保障関連法案は違憲』と騒いでるのと同じだ『俺日本捨てて構わない、外国人だから』ってことだ。
    葬儀を舐めるな。自分が全部ぶちまけられて恥をかいて一生後悔するぞ。
    安全保障舐めるな。日本が侵略されて自分が生命財産を脅かされて一生後悔するぞ。

  • 物理教師様
    はじめまして。
    私は東京で葬儀屋をしております。
    いつも大変面白く、そして興味深く拝見しております。

    この記事の奥山昌子といい、佐々木悦子といい、名前は忘れましたが、若いイケメンですが、言っていることが矛盾だらけの納棺師の兄ちゃんとか。。。この手の番組にはうんざりしております。TVを見ながらいつも一人で半怒りでツッコミを入れているので、家族にうるさいって逆ツッコミされています。
    DIY?ほんっとア〇丸出し。自分が死〇だら家族にせいぜいセルフでやってもらいなって言いたい。

    物理教師さんの様な方が、TV出てぶっちゃけて欲しいです。

  • 今年になって、同士が3人立て続けに亡くなり、
    それぞれの告別式に行ってきました。

    いつも思うことですが、悲しみにうちひしがれている関係者だけで
    葬儀の段取りなんて物理的に絶対不可能です。はっきり言ってね。

    「葬儀屋」というプロが淡々とこなしてくれることが如何にありがたいか。
    この作業、はっきり言って私情が入ったらできないと思います。
    「赤の他人」だからこそ冷静に段取りができる。それがお葬式だと思います。

    少なくともおいらはそれができるほど精神的にタフでは無いと思います。
    お棺締めるだけで号泣しちゃうんだもの・・・そんな最中
    音響装置操作して台車押して・・・なんてできるわけないよ。

  • prof様
    インタビューを読んでみると
    葬儀部門に配属されたのは不本意だったみたですね。

  • かかし様
    >ぐお~前半の文字が突き刺さりますが
    あれ、これってもしかして結構な数の葬儀屋さん敵に回しちゃってますかね。
    やっちゃったかなー。

  • ゆい 様
    >言っていることが矛盾だらけの納棺師の兄ちゃんとか
    木村光希さん、でしたっけ。
    >家族にうるさいって逆ツッコミされています。
    想像してちょっと口元が緩みました。すいません(^^;)

  • お祭り好きの電氣屋 様
    >プロが淡々とこなしてくれることが如何にありがたいか。
    そうおっしゃって頂いてありがたいです。

    おそらくDIY葬ってアピールしたら
    マスコミが飛びついてくれるかなと思ったんでしょうか。

  • マスコミや一般誌は情報が「正しいか正しくないか」ではなく、「面白いか、
    話題性が有るか」が判断基準であり、「グレシャムの法則状態」です。
    少なくとも、テレビの視聴者の99%以上は間違いや問題、矛盾には気が付きません。

    テレビは視聴率、出版社は売り上げが絶対至上であり、仕方がありませんが。
    テレビは「メラビアンの法則」(実は葬儀社にも大事)を考えて、視聴者受けがよく
    局や番組の「思惑の添った話し」をする人達を使いますので、真実を語る人は不可。

  • ま~小さいところも多い業界ですし、地方は特に・・・。むしろ管理者がまったく現場も知らず任せっぱなしで自分のところのレベルを知らないってのも多いと思います。
    物理教師さんには近場に敵は多そう(笑)ブログ読者は気に入らないから見てる派と共感してみてる派
    あ、私はパクリ(勉強)に来てるものです(笑)

  • これって奇をてらうだけの話だよね。
    車検は自分でできる!家は自分で建てられる!介護はヘルパーに頼まなくても自分でできる!と言ってるようなもんじゃないの。そりゃ何でもやればできるだろうけど、望む人がどんだけいるかという。

  • >ご遺体に触れたことさえないのに

    この意識が強くなる事を危惧します。
    経験者でなければ批評も出来ないなんて事では閉じられた世界になってしまいます。
    テレビはほとんど見ないので奥山さんやSさんがメディアに登場する理由は分かりませんが、決められたパッケージプランで、ご遺体に触れるのは納棺業者さんや特殊自動車さんのみ、という事もありますよね。そういった状況に敏感な方々から無意識の内に葬儀屋さんの価値って何?という問いかけをされているという背景が側面にある様に感じます。
    物理教師様の今回の記事の主旨とはずれてしまいましたが。

  • かかし様
    それぞれのグループが
    3:3:3
    くらいの比率なのが理想ですかね。

  •   さん
    家を自分で建てようと思えば、時間さえかければトライアンドエラーで
    もしかしたらできるかもしれませんが、
    お葬式って失敗したらもう取り返しがつきませんよね。

  • 20のprofさんの記事みてびっくらこいたあああ

    ドライブスルー型の焼香とか香典のやりとりとか胸熱!!

  • すみません、twitterを見ていませんでした。
    twitterにドイツ人の誤診も書いてありましたので、悪いネタを1個。

    アクセス・ログをチェツクして下さい。
    この投稿は、United States ⇒ France ⇒ Switzerland 経由ですので、ログでは
    最終サーバーのスイスになっていると思います。
    昨日はドイツとオランダ、イギリスを経由させました。
    基本的には「4か国を通します」ので、追跡が出来なくなります。
    ロシアやキューバをかませると完璧です。
    海外で生きる知恵です。

  • prof様
    すいません、IPアドレスはプーチンの国になっていますが、
    アクセスログの見方がわかりません。

  • 昨日はロシアとハンガリーも使用していましたので、それが表示されたのかも。
    今日は、スイスかスェーデンになっていると思います。

    あまりお勧めはしませんが、「緊急用」にありです。

  • コメントを残す