遺体の保全・修復業務のフランチャイズは成功するか

フランチャイズのサイトでこんな募集を見かけました。
これ、大丈夫でしょうか・・・

まずこの動画。出張型エンバーミングって?

これってIFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会、エンバーミングの業界団体)が定義づけるエンバーミングではないよね。
IFSAは絶対コレ認めないでしょう。
IFSA無認可でもエンバーミングはできるかもしれないけど、エンバーミングの定義に関して消費者を混乱させてしまう可能性が大。
遺体保全フランチャイズ
<http://www.fc-mado.com/detail/733>
このイラスト部分には「エバーミング」と表記しているので
私の知らない「何か」かもしれない・・・わけないか。

次に

 警視庁から各都道府県警に対し、遺体修復業者の利用を促す通達が出ているにも関わらず依頼する業者が不足している状態が続いています。
これは知らなかったので調べてみた。
これかな?

でも
・行政解剖などに比べて司法解剖の件数自体が著しく少ない
・遺体修復が進まない原因は遺体修復業者の不足ではなく、予算が無いこと
なので、このニーズは期待しない方がいいんじゃないかな。

次にビジネスの観点から。

フランチャイズのメリットをいくつか挙げると
①立上げ時にノウハウを教えてもらえる
②ブランドを使える
③業務に必要な物品を安定的に供給してもらえる
ということになりますかね。

確かに特殊技術だから①はあるよね、
でも「研修費20万円~」というのが気になる。
仮に20万円の場合講習は50時間行かないでしょう。
最低時間だとしてもちょっと少なすぎだよね。
座学でなんとかなる分野じゃない。
「本当の」エンバーマー目指す人は2年間専門学校に通っているわけだし。
「本当の」エンバーマーで無いのなら、確かに資格はおろかクオリティも問われない。
そうなると・・・一体何を教えて何をさせるんだろう。

②に関しては今のところ全く無い。
③はどうなんだろう。出張エンバーミングの薬液・・・か?
なんか怖くなってきた。 

この分野って大切な故人のお体を扱うが故に厳重な品質管理が必要なはずなんだけど・・・大丈夫?




5件のコメント

この会社、まだ生きていたのですね?
Fやエンバーミングは法令がなく無資格のナンチャッテですので構いませんが、
medicに関しては各法令があり、国家資格が必要な分野ですので許しません。
場合によっては「優良誤認」や各法令に抵触します。

国内でのエンバーミング資格と称する物は下記が乱立しています。
共に、資格と称していますが「複数ある時点で資格としては成立しません」。
日本国内でのエンバーミング処置は、原則としてIFSA指定のエンバーマー養成施設で必要な知識の習得および研修を修了し、エンバーマーライセンス資格試験に合格し、有資格者となった者とされていますが?

日本遺体保全協会(IFSA)   http://www.embalming.jp/    本家
全国遺体保全協会(JASTA) http://jasta.biz/    上海系(中国民政部と無関係)
おくりびとアカデミー       http://okuribito-academy.com/ 分家
遺体修復保全機構(Fmedic) http://fmedic.asia/ 素性不明系

以前に存在したエンバーマーライセンス
SIM(Stephenson International Mortuary)          元祖(CSC)
JEA(Japan Embalming Assosiation) (東京医科大学解剖学系)
栃木葬儀社系                           (独協医大法医学系)
 関東エンバーミングセンターはこの流れ?

ただし、文科省や神奈川県では「エンバーミングの専門学校」に対して問題があり
ました。(専門学校としての条件具備がない) ⇒  専門学校が行う研修扱い
現在は条件緩和により「法令から学校長の判断」となり、専門学校卒かと?

今後は、10個位の「エンバーマー・ライセンス」が出来るのかも知れません。
法令がないので、組織や会社を作り、自らが元祖や教祖・指導者を名乗れば
「資格なるモノは造れます」。
そして、バカな客や先の見えない葬儀社やその子供達は飛びつくでしょう。
これは昔から言い続けた「カイロの二の舞」(カイロは資格が数百はある)、
共食いや共倒れとなるのは明らかです。

日本でも、エンバーマーの国家資格化が見えた時期はありましたが、業界自体が
正当な道を嫌い「支配できる民間資格の道を選んだ」ために、公的資格化は
絶対にあり得ません。(1998~1999年頃で道が途絶えた)
唯一残された路は、「厳しい現任者救済での国家資格化」だけです。(30%以下救済)
新規の国家資格策定に関わってきましたが、「業界が従わなかった例は葬儀系だけ」
であり、他の新規国家資格の様な「緩い現任者救済は出来ません」。

未だにカイロが「公的資格(国家資格)」でない様に、多くのナンチャッテ資格が出来た
時点で、「公的資格化は難しい」と言えるために、「現存国家資格の業務枠拡大」を
行うことがBestと答申をしています。
因みに、国内には葬儀分野で遺体に関する資格や類似が「30以上もあります」。

兵庫県警の「入札結果」です。
https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/chotatu/kai_data/2016/B1604014.pdf
司法解剖後の「遺体修復業務」は1999年頃から検討されて、埼玉県警と北海道警で
自治体予算化が進み、「地元業者の選出」が行われました。(担当は本部の警部)
2003年には警察庁での予算化が始まり、各都道府県警に通知を出しました。
この国家予算化の契機は「池田小学校事件」です。 (P34 ~ 35を参照のこと)

しかし、司法解剖後の遺体に対する修復処置は「非侵襲処置に「限定」であり、
切開や縫合等は認められずに、「ガーゼや包帯、テープでの固定・隠蔽、化粧と
着付け」に限定がされました。
これは、厚生省(現 厚生労働省)医政局医事課が出した通知に関連します。
「遺体の縫合には国家資格が必要」との判断に基ずくものであり、警察庁としても
この判断に従ったと考えられます。 (P154参照のこと ここはテストに出ます)

prof様
>業界自体が 正当な道を嫌い「支配できる民間資格の道を選んだ」
そうなんですね、私は厚労省が嫌がったんだと思っていました。

官庁から見れば「米櫃(濡れ手に粟)」は歓迎です。
「あまさがり先」が出来ますので。
国家資格や各省庁認定資格や検定には、旧財団法人や旧社団法人が関与する
仕組みであり、これらは官僚のあまさがり、もしくは一般職員の再雇用先です。

ただし、この場合は「complianceが前提」ですので、。
警察庁と遊戯機器メーカー、パチンコ業界の様な関係が「Win・Win」ですが。

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