先日葬儀で感動するな!という文章を書きました。
それに付随するエピソードを一つ。
数年前の会社説明会のとき、
入社希望者を前に何か話して欲しいと
会社から指示を受けたことがあります。
その役を命じられたのは私と、
私より10才ほど若い女性社員でした。
事前の打ち合わせの際、人事部のスタッフから
「印象深いお葬式のエピソードを話してください」
という指示がでました。
打ち合わせが終わった後、その女性社員が
「なんか、お葬式のエピソードをみんなの前でべらべらしゃべるのはイヤです」
とつぶやくように言いました。
その気持ちはよく分かります。
その担当にとって
「自分のなかで本当に大切にしている」葬儀の話って、
そう人前で軽々しくべらべらしゃべれるものではないのです。
かつてお笑い放送作家の高田文夫氏は
「シリアス(なドラマの脚本家)はいいよな。
最後に(登場人物を)殺しちゃえばいいんだから」
といいました。
自分が担当した葬儀の話しで、
聞き手を上っ面で「感動させる」のは「簡単」なのです。
だからこそ安直にべらべらしゃべるべきではないと考えています。
遺族のことをべらべらしゃべることは、
自分が傍観者であるからできることです。
そして傍観者であることの後ろめたさと自覚があるなら、
安直にべらべら喋ることはできないはずです。
それが健全な葬儀屋の感覚だと思います。
これから就職活動で葬儀社をまわろうと思っている皆さんへ。
「その遺族見てたら泣けてきてねぇ-」
なんて得意げに会社説明会で話している社員がいたら、
そいつはアホですからね(^^;)
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