以前
風間杜夫氏が葬儀屋さんを演じるお芝居を観てきました
と言う記事の中で
互助会(葬儀社)のセレモニーのイメージキャラクターをやっている風間杜夫が
葬儀社を舞台にしたドラマに出ていたという話をしました。
残念ながらDVDは出ておらず、YouTubeにも画像が上がっていません。
ノベライズ(ドラマや映画の内容を小説にする)の中古本があったので入手しました。
脚本はあの西萩弓絵で、
ノベライズは田村章・・・って誰という感じですが直木賞作家重松清です。
しかし1994年ですからまだバブルの余韻があったせいか、西萩氏の脚本はコメディ路線で、漫画的で、ありがちな展開です。
主人公は下町の家族経営葬儀社の社長(「101回目のプロポーズ」の頃の浅野温子が演じています)で、悪の大手葬儀社が登場。
なぜか下町の葬儀社を潰そうとして安売り攻勢をしかけます(^^;)
Wikipediaを見ると葬儀屋さんの配役が
長男草刈正雄、次男風間杜夫、三男中井貴一ですね。
それなのに父親が鈴木清順で母親が草笛光子って渋いわ。
風間杜夫氏が演じていた次男は、キャラクター造形に寅さんそのまま使ってます。
下町育ちで口が悪くてお祭り好きで、下品な振る舞いで妹の金持ち御曹司との縁談をダメにするって「男はつらいよ」第1作目そのままじゃん。
このドラマのテーマはおそらく「家族愛」で、多分コレ舞台が葬儀屋じゃなくて八百屋でも印刷屋でもこの話は大筋で成立していたでしょう。
そもそも「真心」を売りにしている葬儀屋と言いながら、葬儀の詳しい描写はほとんどなく、どのへんが真心葬儀なのか全然分かりません。
20年以上も前の作品で「これからは葬儀が多様化する」とか「生前葬をする」というセリフがあるのはなかなかすごいと思いますが。
文中
「英語で喪に服することをモーニングっていうでしょ」
「ああ、喪服のモーニングね」
という会話があるのですが、これは間違い。
喪に服するモーニングはmourning
喪服として着るモーニングは朝から昼にかけて着るフォーマルウエアだったからmorning(dress)
ずっと借金を抱えてきて、この葬儀社はどうなるのと散々ラストまで引っぱってきて
担当することになった喪家が次のページで実は大金持ちだった、で全て解決って、あのね(^^;)
本宮ひろしや弘兼憲史もびっくりのご都合主義です。
この当時はまだこういう展開が許されていたのでしょう。
ストーリーはちょっとアレですが
田村章(重松清)氏の文章はテンポが良くて、かなり読ませます。
あと出版社はフジテレビのドラマのノベライズということで
私の本を出版した扶桑社から出ていますので
興味のある方はどうぞ。
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