葬儀業界は新人教育が下手である




今回は「葬儀業界は新人教育が下手である」というお話しです。

仕事の出来る葬儀屋さんに限って、かつての徒弟制度的な「技術は盗むもんだ」というような発言をたまにします。
あと「体で覚えろ」とか。

これらの考えは違うと思いますね。
「昭和」の考え方です。

多分「新人に教育を施さない」発想が生まれた理由は以下の通り3つあると思います。

Ⅰ新人に新しいスキルを吸収する気がなかった

昔、葬儀業界というところは職業選択における消去法のなれのはてに、飛び込むところでした。
そのため社会人デビューが葬儀業界というケースは珍しく、また今でもそうですが葬祭業の人材は流動的でした。そのため、新入社員というと、業界経験済みの中途採用の社員が多くを占めました。

また1件の葬儀というのは一人の担当が仕切るケースがほとんどなので、その担当者個人に身についた方法論を、勤める葬儀社が替わっても、そのまま使うことが可能でした。
そのため新人が、新しく勤める葬儀社のスキルを吸収するモチベーションが低かったのだと思われます。

Ⅱ新人がライバルであった

先ほど述べたように昔は業界経験済みの中途入社の社員が多かったようです。稼ぐ能力だけで会社を渡り歩くいわゆるタイプもいたでしょう。いわゆるARTIZANタイプですね。
下手をすると新人だが経験は先に入った先輩社員より上というケースもあったでしょう。
昔の葬儀屋は悪いこと(取引業者や寺からバックマージンを取る)を平気でやる人種が多かったと聞きます。

取扱件数が余り多くない葬儀屋であったなら、限られたパイを社内で取り合うことになります。ということは新入社員は先輩社員にとって、自分のテリトリーを脅かす敵にもなりうるのです。

また葬儀業界の人材は流動的なので、その新人がいつまでいるかも分からない。

そうすると、わざわざそんな新人のために、何か教えたり、情報を提供したりしないのが「合理的」ということになってしまいます。

上記2つは教育することのモチベーションの低さの原因となりました。

 

Ⅲ葬儀屋にナレッジマネージメント(暗黙知を形式知化する)の技術がなかった

3つめはスキルの話です。
葬儀業界にはナレッジマネージメント(暗黙知を形式知にする)の能力を持たない人が多いと思います。
(暗黙知と形式知に関しては日本版ウィキペディアを参照

新人教育を前提としていないので、日頃、新人教育のためのインプットとアウトプットを意識していないというか・・・
one for allの考え方が無いため、いつまでたっても
教える側が、暗黙知を形式知に落とし込むスキルを身につけることが無かったのだと思います。

例えば公営式場や貸し式場のデータを全社員が必要なときに閲覧・書き込みができ、情報を共有できるようなデータベースは持っているでしょうか?
最近は各式場ごとにホームページを持ち、情報を発信しているようですが、それだけでは葬儀の担当者が必要とする情報としては、不十分です。
(例えば葬儀式場の使用料を支払うタイミングはいつか、備え付けのマイクはあるか、またそれはワイヤレスか有線かetc・・・)

ただし、必要な情報全部を形式知化するのは無理、というのが現時点の私の意見です。現場担当以外のスタッフとの話の中で、うまく話が伝わらず「共通言語が無い」 と感じてしまうことがあります。話がうまく伝わらない、というケースは大体8割方、伝える方に問題があると思っていますが、やはり理解してもらうのは難しいです。受け手に全く体験情報が無いと成立しないんでしょうかね。

葬儀屋の業務マニュアルの是非についてはこちら(葬儀屋の業務にマニュアルは絶対必要)を参照ください。

そんなわけで以上の3つの理由により、葬儀業界は新人教育が下手なのだと思います。

それから、葬儀業界に就職を希望する方はちゃんと教育を受けることができる会社を選ぶべきですね。

この話はまた後日











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