年に2回ほど利用するホテルが、いつの間にかOYOの傘下になっていました。
OYOはインドで創業した企業で、ソフトバンクと立ちあげたOYO Hotels Japan合同会社が格安ホテル予約サービスを行っています。
主に中小規模のホテルと提携し、OYOグループの名前を冠し、自社サイトで集客します。
ただの紹介機関という立ち位置ではなく、契約先のホテルにOYOという自社ブランドの使用を強いるところが特徴です。
ここまで読んで葬儀業界の中の人は、どっかで聞いたことがある話だと思わなかったでしょうか。
葬儀ブローカーとビジネスモデルは同じ
そう、「イオン」や「小さなお葬式」などの葬儀ブローカー(ネットで集客し、葬儀屋さんに送客して手数料を得るビジネス)と同じビジネスモデルなのです。
傘下企業の共通点はこんなところでしょう。
・ローカルな中小のホスピタリティ企業
・自身の営業力では集客できない問題を抱えている
・箱(建物)を持っている。
・自社名ではなく、ブランドの名前を名乗ることを強いられる
・クオリティではなく、実際は紹介元の手数料条件を呑めるかどうかで選ばれている
そういえばOYOはAIを使ったシステムをアピールしていますが、葬儀ブローカーもテクノロジー(笑)を使っていますって言ってたなぁ。
OYO傘下のホテルに聞いてみた
以前そのホテルに到着してみると看板に「OYO」のマークが入っていました。
その時は変な改名したな、と思っただけでした。
だってOYOと聞いたら桂三枝改め桂文枝の「オヨヨ」しか思い浮かばないという人が多いでしょう。 多いかな。ごめん、知らない。
後日ソフトバンクグループがOYOグループに出資していたという報道を読んで、あーそういうことだったのかと気づきました。
ソフトバンク系が出資“インドの黒船”「OYO」日本上陸で大混乱 賃貸・ホテル業でトラブル続発!
先日そのホテルに泊まった時に、好奇心でフロントの人に聞いてみることに。
「OYOグループになって何か変わりましたか?」
「いや実はこないだ、OYOとの契約を解除したんですよ。
全然儲からなくて。
まだOYO経由で宿泊を申し込んだ人が残っているんで看板はそのままにしてますけどね。そのうち外します」
このホテルは部屋数も少なく、建物も古いです。
シャワーから出る水がお湯に変わるまで、蛇口をひねってから3分かかります。
この数年間フロントの笑顔を見たことがありません。楽天トラベルにも登録していますが星の数は3.0です。
私がこのホテルを定宿にしているのは、ただ単に「安い」からです。
葬儀ブローカーと契約する葬儀社の強み?と同じです。
ああ、あともう一つは、近所に遅くまでやっている美味しいカレー屋さんがあるのが強み。でもこれホテルの評価ではないですね。
OYOグループがうまくいかなかった理由
OYOグループ、日本で迷走しています。
ソフトバンク孫氏に新たな誤算、オヨ問題続く-拡大路線のわな – Bloomberg
”詐欺的”と指摘のインド・OYOホテル問題が宿泊業界に投げかけた課題【コラム】 – TRAICY(トライシー)
OYOが葬儀ブローカーに比べて上手くいっていない理由は、おそらくこの2つ。
・スモールスタートにせず、多額の初期投資をしたこと(他国での成功や、ソフトバンクが調子に乗せてしまったという側面もあるかもしれません)
・競争相手が多かったこと。一休は顧客セグメントが違うにしても、楽天トラベルやじゃらんが既にある。あと全国区の大手ホテルチェーンも。葬儀業界には、紹介サイトも全国区の大手葬儀社もありませんでしたから、まだビジネスチャンスはあった。
このOYOグループ、このままいくと日本の葬儀ブローカーと同じく、薄利多売の消耗戦で、契約先をどんどん痩せ衰えさせる焼き畑農業を始めるのではないでしょうか。
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