2020年4月から施行されている「死因究明等推進基本法」で、日本の死因究明制度はどうなるのか、という話です。
日本は殺人を見逃している
国内では年間300人弱の方が殺人で亡くなっています。
でも現場の警察官と葬儀屋さんは「実際はもっと多いのではないか」と疑っているはずです。
なぜなら日本の死因究明制度が貧弱であることを、知っているからです。
詳しい背景はこちらの記事に書きましたが
変死体に対するチェックが、東京23区を除いて充分に行われていません。
これではいかんということで、実は2020年4月から「死因究明等推進基本法」が施行されているのです。
死因究明等推進基本法が成立、20年4月施行へ | DOCTOR’S COLUMN(ドクターズコラム)|【マイナビDOCTOR】
世の中はコロナウィルス報道ばかりで、全く注目されていませんが。
死因究明等推進基本法は議員立法
ちなみにこれは議員立法、つまり国会議員が提案して通った法律です・・・って聞くと国会って立法府なんだから議員が法律作るのは当たり前では?と思われるでしょう。私もかつてはそう思っていました。
しかし実態は、内閣が提案した法律は優先的に成立させるが、議員の提案する法律は8割が廃案になってしまうとのこと。死因究明等推進基本法が成立するまでの音頭を取ったのは当時衆議院議員だった細川律夫氏らしく、彼ががんばられたようです。
死因究明等推進基本法の注目箇所
条文はこちらです。
個人的に興味をある箇所を抜粋してみました。(太字は私が加工しました。)
第十条 国及び地方公共団体は、(中略)医師、歯科医師等の養成課程における死因究明等に関する教育の充実、死因究明等に係る医師、歯科医師等に対する研修その他の死因究明等に係る医師、歯科医師等の人材の育成及び資質の向上並びにその適切な処遇の確保に必要な施策を講ずるものとする。
国及び地方公共団体は、警察等(中略)の人材の育成及び資質の向上に必要な施策を講ずるものとする。
(死因究明等に関する教育及び研究の拠点の整備)
医師の条文箇所には「並びにその適切な処遇の確保」の文言があります。その後に続く警察官の条文箇所にはその文言はありません。これはおそらく法医学界隈の待遇の悪さへの対策ではないかと思うのです。
法医学界の充実には、国民も警察も政府も賛成でしょう。(反対するとしたら犯罪者くらいです。)
それでもうまくいかないのは、「金」の問題です。
検視や解剖には人手が必要です。人手にはお金がかかります。少子高齢化で社会保険料がふくれあがった財政難の状態では、とても死んだ「後」までは、国も自治体も予算を回せないということです。活躍するチャンスがないのなら、法医学者を目指す人も少なくなるでしょう。
だから死因究明等推進基本法が、どこまで財政支出に影響を与えられるのか、というところですよね。
私としては願望も含めて、飛躍的でないにしろ、今までに比べれば良い方向にいくことを祈っています。
第十一条 国及び地方公共団体は、(中略)大学等における死因究明等に関する教育研究施設の整備及び充実その他の死因究明等に関する教育及び研究の拠点の整備に必要な施策を講ずるものとする。
「必要な施策を講ずる」とはいうものの、最近は大学の研究費も縮小傾向にありますよね。
朗報としては横浜市立大学が、死因究明等推進基本法の施行を受けて2019年10月に臨床法医学センターを設立するなど、法医学者の養成に積極的のようです。
現在の横浜市の検死は、死因究明等推進基本法的には違法状態なので(参考記事:横浜市民は病院で亡くならないと10万円以上かかってしまうので、それを避ける方法を考えてみた | 考える葬儀屋さんのブログ )
改善に繋がることを祈っています。
(死因究明のための死体の科学調査の活用)
第十五条 (中略)死亡時画像診断を活用するための連携協力体制の整備その他の死因究明のための死体の科学調査の活用を図るために必要な施策を講ずるものとする。
これは海堂尊氏の著作で有名になったAi(オートプシー・イメージング )ですね。
解剖に比べると精度の問題がありますが、これも推進していくということです。
施行によって生じる問題
ただこの法律がちゃんと機能すると、葬儀屋さんの立場としてはちょっと微妙です。
Aiが適応されるご遺体は発見現場から、施設のある病院へ持ち込まれるケースが多いはずです。
そうなる検死件数の増加と、その搬送、Aiが終わるまでの待機やらで、葬儀屋さんの拘束時間が恐らく長くなると思うからです。
死亡者の増加と労働人口の減少のため、対応しきれない葬儀社も出てくるのではないでしょうか。
ただ横浜市の場合に限って言えば、あんな雑な検死で10万以上取られるわけですから
MRI費用を5万円として、葬儀屋さんが検死対応費用を3万円程いただけると見積もれば、状況は良くなるのではないでしょうか。
ところでもし死因究明等推進基本法がうまく機能したとして、その結果、殺人のカウント数が跳ね上がるとちょっと問題ですよね。
これまでは、どうだったんだっていう話になりますからね。特にこれまで検死に熱心で無かった地域は。
そうなるとメンツを重視した警察が協力的ではなくなる、というのは私の考えすぎでしょうか。
お疲れ様ですm(__)m
法医学を目指す医学部生、少ないですねぇ。
私の友人が某国立大医学部教授の年俸を
教えてくれました。
臨床医の耳鼻咽喉科教授は、
年収5000万円に対して、
顕微鏡を見てばかりいる教授は、
年収1000万円でした。
私もお世話になりましたけど、
診たては、いい先生ですm(__)m
法医学の給与は知りませんが、
ど田舎の総合病院の勤務医が2000とか
都会の勤務医が800とかあります。
まあ、これはほんの一例ですけど、
医学部の学費が高くて、私の友人は
娘の医学部進学で、埼玉県の山を売りました。
都内の某私大医学部は、1567万円の
初年度納付金でしたが、値下げしました。
うちの大学は、学費が297万円でした。
お茶の水あたりで医学書を見て、
こりゃ、症例が分かりやすいと裏を見ると
8万6800円でした。
前頭洞、上顎洞術後性嚢胞のカラー写真付
解説。
国立大医学部はいくらか安いのですが、
教科書代が半端なく高いから、
先輩から後輩へ本をあげているようです。
法医学を志したら何か特典をつけるべき
でしょうな。
比較法学自体は、海外法の研究ですから
即座に立法には至りません。
仮に私がW大学法学研究科辺りで
「葬儀の法」立法したいとかホザイテも
5年間やり続けて、法案は闇の中ですねぇ
アビガンの承認を早くしろって感じや
何でもかんでも、慎重なところが
ある意味、素晴らしいかも
薬制部やPMSなど、申請や市販後調査したり
私達は、発狂するくらいやりました。
話は変わりますが、赤城さん
与那国島に行きましたが、墓がデカイです。
葬送儀礼って、いいですねぇ。
都会の直葬は拍車がかかっていますが、
人と人の集まりや、関わりがなくなれば
いずれ亡国になる。
つまり、葬儀ブローカーこそが、
国を滅ぼす悪ですかね。コピペしてる暇が
あるなら、お経でも唱えていなさい。
あしからず
LAW様
確かに私大でて法医学の道に進むと、投資の回収はできそうにないですね。その研究が好きならいいのですが。