葬儀ブローカーが生まれてから消えるまで




 とある葬儀ブローカー(ネットで集客した顧客を葬儀屋さんに送客して紹介手数料を得る会社)に関して書いた記事をまとめました。
登場してから消えてしまうまでの話です。

挑戦者発見

(2014年1月の記事です。)

現在インターネット上で直葬を受注するというビジネスモデルは
葬儀業界の超レッドオーシャンだと思うのですが
そこに突入する強者を見つけました。

media.yucasee.jp/r/detail/241289
業界内情報は全く入ってきてないのですが
いろいろとイジるポイントがあったので(^^;)
取り上げて見る次第です。

まずプレスリリースを取り上げているメディアが
「ゆかし」という富裕者向けサイト。
コンセプトは「30代で年収1,000万円のあなたに」
でも勧めているのは総額228,000円の直葬(^^;)
この直葬会社に罪はないのですが、
ターゲットとのマッチングは大丈夫でしょうか。

余談ですが、このメディアのサイト運営しているのは
あのアブラハム・グループ。
いつかはゆかし」の電車内広告を初めて見たとき、
これいいのか?と思っていたのですが、案の定
半年間の営業停止。
まぁ、これもこの直葬サイトとは関係無いんですが
いきなり幸先(さいさき)悪い船出です。

でこのサイト本体がこれ。

http://amazinglife.jp/
(現在別のサイトになっています)

「日本において葬儀にかかる費用は平均231万円」と言ってますけど
なんで日本消費者協会の第8回アンケートのの古いデータを使いますかね。
もうすぐ第10回の結果が発表されようとしているのに。

おそらく高い金額になってるから使っちゃえ、って言う理由なんでしょうけど。
一方の自分達のブログでは、200万円という第9回のデータをうっかり使ってる。
そして直葬プランのページでは

お葬式に必要な費用はおよそ180万円
て言ってるし、
どれが正解だよ、
ってツッコミたいところです。

まぁ
「直葬価格と日本消費者協会のデータを比べるのはそもそも無意味」
が正解なんですが。

あと文中で

「保険金を受け取るのには時間がかかるのに、
葬儀費用は葬儀社のざっくりとした言い値で現金払いというのが現状であり、
このような高額な費用が必要となる最大の理由です。」

とおっしゃっていますが
保険金を受け取るのに時間がかかり、葬儀が現金払いなら
葬儀費用の支払の上限を抑える効果が発生するはずだから
「高額な費用が必要となる最大の理由」っておかしくない?

また、ここの特徴は以下の3点のようです。

・ネットでクレジット決済してからの受注
・ご安置料金(延泊無制限は業界初)
・ご自宅または火葬場へのご遺体搬送(距離無制限は業界初)

長期間安置も長距離移動も発生確率考えたら、
無制限にしても採算取れるのかもしれないですね。
私が運営サイドならちょっと怖いかな。

今後の活躍に期待いたします。

AmazingLife篠原豊氏の記事について反論する

(2014年7月の記事です)

先日
イケダハヤト氏の葬儀業界に対する誤った認識を正す
という記事を書きました。

その際俎上に挙げたイケダハヤト氏の記事の中で、イケダ氏が篠原豊氏のブログ記事を絶賛していました。
その篠原豊氏のブログ記事を
今回は取り上げます。

火葬式や葬式をオンラインで見積・発注・支払いできない理由

火葬式や葬式は未だにオンラインで見積もりすら確定させる事ができない。

そもそもこの前提が嘘です。

オンラインで見積もりできるシステムを用意している葬儀社はいくらでもあります。
http://www.hibiya-lsp.com/estimate/
http://www.heiseisya.jp/auto/

自動見積もりシステム


http://www.006594.com/estimate/
etc・・・・

以上、終了~。

なのですが、それではここで記事が終わってしまうので

「結構な数の葬儀屋は
未だにオンラインの見積もりシステムすら用意していない」
というふうに読み替えて進めることにします。

1. そもそもお見せできる価格じゃございません。
そもそも葬儀屋の見積もりなんて、
ほとんどの場合は後から理由を無理矢理くっつけたような見積だから、
時間をかけてじっくり見て検討されたくないわけだ。
よ~く見たらいろんな疑問や矛盾が出てきちゃうから…

相変わらず、自分を良く見せるための
既存の葬儀屋叩きは健在ですね。

オンラインでなければ、「時間をかけてじっくり見て検討され」ないとでも言うのでしょうか?
消費者ってそんなにバカなのかな?

むしろ対話型の方がいろいろ細部をリアルタイムで突っ込まれる分、
矛盾を露呈しやすいと考えることもできませんか?

2. 対面営業に持ち込めば決められるという考え
これは葬儀屋に限ったことじゃなく、
未だに様々な営業さんがコチラがメールでお願いしても
「なんとか会わせてください」とやってくる。
甚だ迷惑な話だし、僕なんかあまのじゃくな性格だからそう来られたら二度と買わない。

こういう暴露はフェアじゃないかもしれませんが
ここまでおっしゃっているなら、申し上げます。
篠原さん、あなた相談したいことがあるから会ってくれ
と私に対してメール送ってきましたよね。
もちろん私には会う理由がないのでスルーさせていただきましたけど
自分のことは棚にあげて随分な言いぐさですよね。
自分はいいけど他人がやるのは「甚だ迷惑」
そういう人なんですか?

3. 高いオプション売りたいから

もちろん、必要でもないものを嘘をついて売るのは論外です。
でも商品の必要性や良さをアピールして追加品を売るのは
営業努力でしょう。
自動車ディーラーだってやってますよね。

それにオンライン見積もりをやらなければ、
高いオプションが売れるという単純なものではないと思うのですが。
逆に私は
エプソンのサイトでPCを買った時って、
結構高いオプション買っちゃいましたけどね。

4. 火葬場の空き状況と車の走行距離
全然確定料金にする方が、
お客様にも我々事業者側にとっても効率的なはずだ、
というのが当社の考えなのです。

これは御社のビジネスモデルに関わる方針だから尊重します。
但しこれが可能なのは火葬のみという商品を提供しているから。
通常のお葬式にそれを求めるとパラメーターが増えすぎる。
その結果正確性に責任を持つということを優先するなら
オンラインは難しくなります。
パターンオーダーではなくビスポークのスーツのオーダーが
ネット上では難しいのと同じです。

5. 領収書を発行したくない(できない)請求があるから
かなり少なくなってきたとはいえ、
未だに「手付け」とか訳分かんないチップを図々しくも面と向かって要求する
葬儀社やスタッフが圧倒的に多い。

文頭と文末が一貫してませんよ。

チップを要求する葬儀屋は、かなり少ないの?圧倒的に多いの?
現場に出ず、聞きかじりで書くからこういうことになるのでは?

さて以上のことから
篠原氏によると
オンラインシステムが無いのは葬儀屋が悪い奴だから
と言うことになるのですが
(彼の言い分は常にこのロジックで貫かれている)
原因はそういうことではありません。

サイト上にオンラインのシステムを葬儀屋が作らないのは
(そもそも見積もり自体を全く作らないどうしようもない絶滅種の葬儀屋は除いて)
ITの重要性を分っていないから、
が正解なのです。

7,8年前なんてサイトを持っていない葬儀屋の方が多かったのです。
そんな遅れた業界なのでオンラインのシステムの重要性たって
なんのことか分らないんですよ。

なので

まあどれもお客様にとっては関係のない、売り手側の理由以上でも以下でもないわけです。

と言うところは確かに正しい。

でも、こういう悪しき風習はすぐにぶちこわしましょうだの完全否定だの
と息巻くのは的外れだと思います。
(私は単なるポーズだと思っていますけど。)

消費者がオンライン見積もりを欲しているのなら
オンライン見積もりを用意しない葬儀社は集客できず潰れる。

それだけのこと。

悪意があるかどうかの議論はあまり意味がないです。
(そんな悪意にだまされるくらい、消費者はバカだと思っていない限りはね)

「シンプル火葬」をご依頼いただいたら、

24時間すぐにお客様にご指定いただいた病院へ、

スタッフが搬送車でお迎えにあがります。

スタッフは葬儀社として経験豊富なスタッフばかりですので

安心してお任せいただき、限られた時間はどうぞ故人様とのお別れにお使いください。

せっかくなので
最後に篠原氏に質問させてください。
(ツィッターでフォロー頂いてましたよね。
もしくは以前頂いたメールアドレスにお知らせしても良いのですが)

http://megalodon.jp/2014-0727-1811-58/https://simpleso.jp:443/simpleso_feature.php
この表現などから、葬儀業務は全てどこかの葬儀屋に委托している、
というように私は解釈しているのですが
そうなんでしょうか?

もしそうだとしたら品質の向上のためになぜ自分で葬儀屋をやらないのか
教えて頂けませんか?

今後益々のご活躍を
注目させていただきます。

(追記)

私は篠原氏の商売の邪魔をする気は毛頭ありません。
しかし無理矢理既存の葬儀社を悪者にするマーケティング戦略に対しては
私なりの意見を表明したいと考えています。
この文章は別に篠原氏を困らせることが目的ではありませんので、

要望が有れば希望箇所を削除するのはやぶさかではないことを、
お断りしておきます。

 

雑誌『WIRED』の葬儀に関する記事がアレな件

(2015年1月の記事です。)

雑誌『WIRED』の葬儀に関する記事について
ライターとインタビューに答えている人(インタビュイー)がちょっとアレでしたので、取り上げてみます。

WIRED VOL.14 (GQ JAPAN.2015年1月号増刊)

コンデナスト・ジャパン 2014-11-25
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弔い2.0:ちゃんと悼むためのスタートアップ

「弔い2.0」  このタイトルで私の背中がムズムズし始めるんですが

「死者」がいる限り、「死」はビッグビジネスであり続ける。
(中略)
誰かが亡くなると、真っ先にやってくるのは葬儀屋だ。
(中略)
流れ作業。誰かが、それをやらねばならないとはいえ「なんだかな」である。

おーし、いい感じで血圧上がってきたよー(^^;)

このあと葬儀業界について語り始めるのは
Amazing Lifeの篠原豊氏・・・

出た。

私も注目の御仁です。

メディアにお出になられたと言うことは、また葬儀業界の悪口を言って耳目を集めようって魂胆ですね。
ええいいですとも、聞きましょう(^^;)
死

「言ってみれば、誰かが亡くなったあとの一連のプロセスは、完全なブラックボックスなんです。一度、葬儀屋さんの仕入れの明細を見せていただいたことがあるんですが、見て驚きました。ここはデジタルテクノロジーで透明化し、効率化できる。そう思ってビジネスをはじめました」

デジタルテクノロジー(笑)

そうか、時代はITだからね!

というかなんで私が赤面しなきゃいけないのか。

それから
「誰かが亡くなったあとの一連のプロセス」
は別にブラックボックスでもなんでもない。
中国の裁判じゃないんだから。

葬儀の流れに関する情報なんて普通に出回ってます。
なんかいつもこういう根拠のない風評を積み重ねていって、
既製事実化しようとしますね。

  価格も火葬だけであれば、22万円。葬儀にかかる平均予算が200万円であることを考えれば、格段に安い。

葬儀の平均「予算」って誰のだよ。

まさか日本消費者協会の話じゃないよね。

それから葬儀と直葬をそのまま比較してはいけません。
提供する役務がそもそも違う。

  提携する葬儀屋さんや火葬場とのやりとりはすべてオンラインに集約

火葬場のやりとりは全てオンラインに集約、ってどういう意味だろう。

ちなみに火葬場の予約のことを指しているとすると、
オンラインでできるところなんてごく一部なんだが。
もしかして電話して予約を入れることをオンラインって言ってる?
たしかに電話機という「デジタルテクノロジー」を使っているけどね。

  オペレーションコストを削減することで透明化と低価格を実現した。

あのー葬儀屋紹介業のAmazing Lifeさんのオペレーションコストを削減しても
実際お葬式するのは町の葬儀屋さんだから(^^;)

それからオペレーションコスト削減→透明化 という因果関係がよく分からないんだけど。
とりあえず透明化、って言いたいだけとか(^^;)

弔い2.0:ちゃんと悼むためのスタートアップ 2ページ目

うちでは近々新たに、通帳やその他の資産などを管理して、ご家族や友人に、その内容を生前にシェアしておけるアプリを発表します。

あのー、それって要はエンディングノートのことじゃないの?

死後の後始末やそれにかかる費用について「考えている」にすぎない。
「死」を考えること、すなわち「お金の心配」であるという事実。きちんと悲しむべきは、まずはそこなのかもしれない。

あー、はいはい、「お金イコール汚い」思想ね。
中学二年生か!

(追記)
一部誤解があるようなので
申し上げておきますが別にAmazing Lifeの篠原豊氏のことが嫌いってわけじゃないですよ。
むしろツッコミどころを用意してくれるので好感持ってます。
今後の益々のご活躍をご期待しております。

葬儀ブローカーの現在 AmazingLife編

(2017年6月の記事です)

このブログで何度か採り上げた葬儀ブローカー(ネットで集客した顧客を葬儀屋さんに送客して紹介手数料を得る会社)の
株式会社AmazingLifeのサイト(http://amazinglife.jp)がここ数ヶ月の間にアクセスできなくなっています。
活動を停止したのでしょうか?

2016年の2月にファンドから資金引っぱってきた報道がありました。
(正確にはファンドというよりシードアクセラレーターと呼ぶらしいですが)
「人生の最後と向き合うために必要なサービスを提供したい」--シンプル葬を提供するAmazingLifeが

↓その結果始めたサービスがこれ。
 終活を生前のうちに託せる「ラストウィッシュ」の提供を開始|AmazingLifeのプレスリリース

こういうサービスは、介護施設と一緒でビジネスの継続性を担保できないと危険です。
顧客にお金は戻っているのかもしれませんが、だから問題無い、という話ではありません。

ファンドもなんらかの勝算があると判断したからお金を出したのだと思うのですが、以前のブログ記事で私はこう書いています。

イケダハヤト氏の葬儀業界に対する誤った認識を正す篠原豊

ネット集客からの直葬という篠原氏のビジネスモデルは
むしろかなり後発で、いまさら感が強いのです。
決定的な差別化ポイントが分りません。
つまり私は他社と差別化できていないこのAmazingLifeのビジネスモデルは厳しいと考えていました。

 

この記事でも述べたように

葬儀社紹介サービスがなくなるわけ

それにしても、過去何度か申し上げていますが、もうこの葬儀社紹介サービスにビジネス上おいしいところは残っていないのです。
今やもう単なる消耗戦になっています。
他社を横目で見ながらボトムの価格をいじっている状態。
葬儀社紹介サービスからの仕事を引き受けますっていう葬儀社は、複数の葬儀社紹介サービスから仕事を受けます。
薄利なので多売(多買?)しないといけないので。
そのためどの葬儀社紹介業に頼んでも、紹介されるそのエリアの葬儀社は一緒、つまりクオリティは全く同じなんですよね。
結局仕事を受けざるを得ないゾンビ葬儀社を延命させるだけの意味しかありません。
そしてその状況は(安けりゃ何でもいいという人を除き)消費者にとって不健全です。
この傾向は今後厳しくなることはあっても緩和されることはありません。
パソコン

AmazingLifeの、自分達を相対的に持ち上げるために既存の業者を叩く手法を批判してきましたが

葬儀業界新規参入者のパターン

こういう結果になってしまうと、それはそれでちょっと苦いものを感じます。
私のようなサラリーマンには分からない起業の大変な苦労があったはずでしょうから。

葬儀ブローカーは、
バックに大資本がついていないともう起業は難しいですよ。
もはやベンチャーが通用する世界ではありません。
と言っても一攫千金を狙えると勘違いしてやってくる人は後を絶たないんでしょうけど。











4 件のコメント

  • いつも拝見しております。ありがとうございます。

    葬儀ブローカーが乱立しているように、僧侶プロダクションも履いて捨てるほどあります。これらについての、考える葬儀屋さんの卓見を発信していただければと願っております。

    梅雨の時節を迎えます。ご自愛ください。

  • 全然関係ない話ですけど葬儀屋さん系ブログってなんで攻撃的なんでしょう
    なんといいましょうか上から目線の経験談。本人気づいてないんだろうけど文面からにじみ出るお客様にも実は攻撃的な性格。
    それでいていつのまにかやめてる(笑)1か月以上更新無し

    ここだけが続いていて理路整然。応援しています。
    って上から目線なオチ(笑

  • たんたかたんたん さん
    ありがとうございます。
    確かに僧侶プロダクションの件、記事にしたいですね。
    もう少々お待ちくださいませ。

  • かかし 様
    実は以前「すぐ終わる葬儀ブログの特徴」という記事の骨子を書き終えているのですが
    ちょっとこれ以上敵を増やすのはどうかと思い、保留中なんです。

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