直葬を成功させるためのポイントと注意点を、葬儀屋さんがお教えします。
直葬って何?
直葬を安く行うにはどうしたらいい?
直葬をするときの注意点は?
など直葬でお困りの方のためにこの記事を書きました。
目次
直葬とは?
最近のお葬式に関する報道を見ていると
「直葬(ちょくそう)」という言葉が使われる機会が増えてきています。
直葬とは「宗教儀式を行わず身内のみで火葬だけを行う」ことです。
葬儀社によっては、「じきそう」「火葬式」「火葬のみ」などと呼ぶこともあります。
余談ですが「小さなお葬式」のような悪質な葬儀社紹介業者だと、広告で家族葬と銘打っておきながら、実態は直葬という場合もあるので、注意が必要です。
ちなみに英語では direct cremation(直訳:直接の火葬) と言います
通常のお葬式の流れは
①逝去→②安置→③打合せ→④納棺→⑤通夜→⑥葬式→⑦火葬→⑧拾骨→⑨食事→⑩解散
という流れです。
直葬はこのうち⑤通夜⑥葬式を省きます。
実際には⑨食事を省く人も多いです。
通夜や葬儀は宗教的儀式なのでやるやらないは信仰の自由ですが、火葬は法律や条例で行わなければならないものなので、最低限火葬だけするという考え方です。
直葬が増えてきた理由
かつて直葬は珍しく生活保護受給者など一部の方が行っていたのですが、都市部では現在、直葬4割、通夜をしない一日葬が4割、通常のお葬式が2割という印象です。
なぜ直葬が増えてきたのでしょうか?
日本の場合、直葬を選ぶ理由として
1番目は経済的事情、つまりお金がない。
2番目は宗教観の変化、「特に信仰がないからお坊さん呼ばなくていいや」
3番目は人間関係の希薄化、「参列者がいないからお葬式やらなくてもいいか」
と、このように考える人が増えてきたからです。
直葬増加の背景を語りだすと、日本の社会の構造変化にまで及ぶのですが、直葬をすでに検討している方にとっては不要な話だと思いますので、この記事の最後でくわしく解説することにします。
直葬のメリット
直葬のメリットについて解説します。
安くできる
先ほど述べたように、通夜・葬式を行わないため、お坊さんのお布施、式進行の人件費、式場使用料、祭壇費用、料理、返礼品費用などの費用が大きく浮きます。
対外的な対応をしなくていい
直葬は大体身内で執り行うので、外部の参列者のために訃報を送ったり、参列の対応をしたりする必要がありません。
火葬場の空き待ちをしなくていい
葬式は日中に行うので、お昼前後の火葬場が込みやすく、満杯だと日程が数日伸びることがあります。
直葬の場合は、朝の9時や午後3時の火葬でも問題ないため、比較的日にちを空けずに執り行うことができます。
直葬のデメリット
次に直葬のデメリットについて解説します。
後で気になる
たまに直葬が終わった後、
「あの時、直葬にしてしまったけど、故人がちゃんと成仏したか不安」
とおっしゃる遺族がいます。
なかには、
「お坊さんに戒名だけでもつけてもらいたい」
と言ってこられる遺族もいます。
これは本人の信仰の問題なので、正解はないのですが、そういう方もいらっしゃることを知っておいてください。
ただ一方で、直葬だけど満足度が高かったというお客様もたくさんいらっしゃるので、
・遺族が事前にちゃんと考えて結論を出したか
・葬儀社の担当者が優秀だったか
が、大きく影響すると思います。
親族・関係者から文句を言われる
事前に根回しをしなかったため
「なぜお葬式をしなかったのか」
「最後くらい、お別れがしたかった」
と親族や友人が不満を持つ場合があります。
面と向かって言われることは少ないかもしれませんが、納得していない空気は感じます。
特に親族には、直葬に決定する前に承諾を得ておきましょう。
「故人の遺志」と言えば、納得される方が多いようです。
菩提寺の許可が必要
お寺にお墓を持っている方は注意してください。
つまり菩提寺があって、そこの檀家さんになっているケースですね。
お寺の許可がなく勝手に直葬してしまうと、あとあとお墓に納骨させてもらえないこともあります。
宗教儀式を行わないことはけしからん、というわけです。
事前にお寺に相談しましょう。
「宗教的儀式に価値を感じないので直葬にしたい」
と言ったら住職の機嫌を損ねてしまうでしょうが、
経済的な事情だと説明すれば、理解を示してくれることもあります。
直葬の流れ
くわしい葬儀の流れはこちらのページ(葬儀の流れ)で解説していますが
先ほど述べたように
①逝去→②安置→③打合せ→④納棺→⑤通夜→⑥葬式→⑤火葬→⑥拾骨→⑦解散→⑧解散
という流れなので、通夜と葬式を読み飛ばしてください。
少しだけ、概要を説明すると以下の流れです。
- 逝去:病院で亡くなった場合、すぐに病院を出ていかないといけないことが多いので、葬儀屋さんに連絡して、故人を安置先に移動してもらいます。
- 安置:自宅・葬儀屋さんの施設・火葬場のいずれかであることが多いです。特に火葬場に預けるときには、この段階で納棺を行う場合もあります。
- 打合せ:葬儀屋さんと打合せをして、火葬の日時の決定と、費用項目の確認を行います。ここで見積書をもらいます。火葬の手続きは、葬儀屋さんが行ってくれます。
- 納棺:故人を棺に納めます。安置場所によって納棺の場所やタイミングが変わってきます。例えば自宅に安置している場合は、自宅で安置後火葬場に向かうケースが多いです。しかし自宅が手狭で納棺する場所がない場合は、火葬場に到着してから納棺することもあります。
- 火葬:火葬場で棺を火葬炉に納めます。
- 拾骨:1時間から1時間半後に遺骨を拾って骨壺に納めます。
- 解散:火葬場から帰って自宅に、遺骨を安置します。
見積書の内容
打合せの段階で作成される見積書の内容を、解説します。
一例として、以下によく含まれている項目を挙げて、簡単な解説を付けました。
項目 | 詳細 | 金額 |
---|---|---|
基本費用 | 人件費・仏式飾り・自宅祭壇 | ¥77,000 |
棺 | 仏衣含む | ¥66,000 |
ドライアイス | 毎日交換(2日分) | ¥22,000 |
防水シーツ | 遺体保護シーツ | ¥3,300 |
納棺時のお花 | 納棺時に使用 | ¥5,500 |
寝台車 | 病院~安置場所(自宅) | ¥22,000 |
寝台車 | 安置場所~火葬場 | ¥22,000 |
火葬料金 | 公営火葬場 骨容器含む | ¥30,000 |
合計 | — | ¥247,800 |
棺は品質に応じて金額が上がりますが、直葬の場合、安価なものを使うことが多いです。
ドライアイスは安置日数に応じて、金額が比例します。安置室を借りた場合の使用料も、同じです。
防水シーツはご遺体を、車両に乗せるときに使用します。
故人を乗せる寝台車ですが、タクシーと同じく走行距離に応じて金額が比例することが多いです。
火葬料金は、自治体や企業によって、無料~10万円くらいまで、幅があります。
実際は、
- お葬式に比べて内容にバリエーションが無くパターン化されている
- お葬式比べて項目が少ない
- 打合せ時間を短縮化したい
などの理由で、個別の金額は表示せず、パッケージで総額いくらという表示になっていることが多いです。
パック商品であること自体は問題ないのですが、悪質な業者は、後々「追加費用が発生した」ということを言いがちです。そのため総額を言われたら
「もし追加費用が発生しても、一切払いませんがいいですか?」
と聞いて下さい。
そうすることで、その見積もりが本当の総額表示なのか、確認することができます。
直葬を成功させるポイント
直葬を誰に依頼するかが、成功のポイントです。
直葬は、儀式的な要素はないため物品のグレードの違いというのはほとんどないのですが、その分担当者の力量が如実に出るからです。
選択肢は以下の3つです。
①全部自分でやる
②葬儀屋ブローカーに葬儀屋を紹介してもらう
③自分で葬儀屋を選ぶ
①全部自分でやる
まず全部自分でやるという方法です。
結論から言うと、全部自分でやるのは不可能です。
棺はAmazonで買えるし、遺体を自家用車で運ぶのは法律違反ではない、ということで自分で直葬やればいい、とまれに無責任におっしゃる方がいますが、実際は不可能です。
遺体を丁寧に運んだり、体の状態を保つためにドライアイスなどの処置を行ったり、火葬場の予約などの段取りを行うことは、一般の方が初めてやるには難しすぎます。
私の勤める葬儀社でも、入社してから半年くらい経たないと直葬の担当はさせません。
②葬儀屋紹介業者に葬儀屋を紹介してもらう
次は、葬儀屋紹介業者に葬儀屋を紹介してもらうという方法です。
葬儀紹介業者とはネット上に広告を出して、ネット上で葬儀社を探している人を葬儀社に紹介し、紹介手数料を得る人達のことです。
個人的にはおすすめしません。
確かに値段に関しては、最安値だと思います。
大手の葬儀社紹介業者は4,5社ほどあり、インターネット上にビジネスは大抵そうですが、激しい価格競争を繰り返しています。その結果、直葬なら15万円程度でできることをうたっています。
ただこのブログでも何度か指摘していますが、葬儀業界自体に管理する監督官庁や規制する法律がないため、誇大広告などやりたい放題になっています。
(参考記事:とうとう「イオンのお葬式」が消費者庁からダメ出しされた件)
情報が無い消費者に対し、少しでも他社より安く見せるため、広告や運営の仕方にモラルがありません。
特に
1.クオリティの問題と2.追加費用を要求する
問題が深刻です。
まず
1.クオリティの問題についてです。
大手葬儀社紹介業者は業界最安値を追い求めてほぼギリギリのところまで値段を下げています。
そしてさらにその最低価格から紹介手数料を取るわけです。
そんな厳しい条件でも、直葬をやろうとする葬儀社ってどんな葬儀社でしょうか?
クオリティが最低で、直接自社への依頼が消費者から来ないため、葬儀社紹介業者から仕事をもらわないとやっていけない葬儀社です。
ちゃんとした葬儀社なら、自社への直接依頼の葬儀だけをやろうとするはずです。
葬儀社紹介業者から紹介された利益率の低い葬儀で、赤字にならないようにするためにはどうすれば良いでしょうか。
人件費を下げるしかありません。
直葬は物品をほとんど使わないので、ヒトのコストを下げるしかないのです。
そうなると中には入社1ヶ月くらいのアルバイトに担当させるというケースも出てきます。
あえてキツい言い方をしますが、大切な故人をモノのように扱われてしまう可能性がでてきます。
ネット上では価格と品質が比例するのは、むしろ当たり前の話です。
この当たり前のことが理解できていない人、例えばLCC(格安航空会社)を利用して、サービスが悪いと怒り出すような人は、葬儀社紹介業者を利用することはお勧めしません。
(参考記事:格安航空会社と格安葬儀屋の共通点とは)
安ければなんでもいいという方にはおすすめです。
次に
2.追加費用を要求する問題です。
度々、葬儀社紹介業者から直葬を請け負った葬儀社が、過剰な追加費用を要求することが問題になっています。
葬儀社はギリギリの底値で、葬儀社紹介業者から仕事を受けているので、余計なオプションを売りつけて利益を出そうとしているのです。紹介者の葬儀社紹介業者はこれを取り締まらないのか、と思われるかもしれません。
しかし葬儀社紹介業者も追加費用はかからない、と広告でうたっておきながら、理論上この金額では葬儀社の利益が出ない、という価格設定にしていることも多いのです。
つまり共犯です。
(参考記事:とうとう「イオンのお葬式」が消費者庁からダメ出しされた件)
結局遺族にしてみれば、そんな費用がかかるとは聞いていない、ということになります。
紹介者である葬儀社紹介業者も、仕事を請け負う葬儀社も、コンプライアンス(法令遵守)意識が薄いのですね。
以上が、私の個人的な考えとして葬儀社紹介業者を使うことをおすすめしない理由です。
それでも1円でも安く直葬したいので、自分は葬儀社紹介業者を使う、という方にアドバイスです。
葬儀社紹介業者によって施行のクオリティの違いはあるでしょうか?
ほとんどありません。
なぜなら直葬を葬儀社紹介業者から紹介してもらうような葬儀社は、薄利多売状態になっているので、複数の葬儀社紹介業者と契約を行っています。
つまりどの葬儀社紹介業者に頼んでも、そのエリアではやってくる葬儀屋さんは同じ、という結果になりやすいのです。
結局どの葬儀社紹介業者に頼んでも、クオリティは一緒であると考えてください。
葬儀費用のことでもめない自衛策としては、せめて見積書作成してもらったら、「追加費用は発生しないよね?」と念押しをするのを忘れないでください。
あとこれは全くの余談ですが、お客様で以下のような経験をした人がいました。
身内が亡くなる前に、葬儀社紹介業者に直葬の事前相談をしたそうです。
そこで、紹介された近所の葬儀社と会って話をしたそうです。
そして「万一の時は、葬儀社紹介業者を通さずに御社に直接お願いするから、値引いてくれ。葬儀社紹介業者には口外しない」と交渉したそうです。
たしかに、直葬の場合、葬儀社はおそらく15万円くらいの見積もりを提示するでしょう。
葬儀社紹介業者の手数料の取り分は15%から20%くらいと言われています。
つまり15万×20%≒3万円くらいの紹介手数料を葬儀社は払わなくてはいけないのです。だったら口裏合わせて、1万5千円くらい割り引いて施行すれば、WIN-WIN ですよね。
葬儀社紹介業者から
「事前相談の件、どうなった?」
と聞かれたら
「結局、来なかったですよ。他に依頼したのでは?」
と答えてしまえばいいのです。
賢い消費者ならやりそうですね。
お金に困っていてかつ法令遵守意識が低い葬儀社が多そうですし。
もちろん皆様はマネしないでくださいね。
③自分で葬儀屋を選ぶ
別に経済的事情ではなく直葬を選ぶ、という方の場合です。
当たり前の話ですが、普通のお葬式をちゃんと行える葬儀社は、直葬もちゃんと行えます。
そういうところは、価格は最安値では無いにしろ、適正です。
繰り返しになりますが、普通のお葬式よりも、直葬の方が葬儀屋さんの質の違いが如実に出ます。
直葬は式場や装飾というハードが無い分、その担当者の人となり、
つまりソフト面が直接浮き彫りになってくるのです。
ではそういった良い葬儀屋さんを選ぶにはどうしたらよいかという話は、長くなりますので、
↑こちらの記事か、↓私の著書をお読みください。
大切な故人の最期を任せるのです。
ただ安いからという理由だけで葬儀社を選んでしまって不愉快な思いをしないよう、
直葬の場合も葬儀屋さん選びは慎重にお願いします。
直葬の注意点
直葬では、葬儀式場のことを気にする必要はありませんが、安置場所を決めておくことは大事、です。
亡くなるとすぐに病院から火葬場に直行してすぐに火葬されると考えている方もいますが、
法定伝染病で亡くなっていない限り、死後24時間以内の火葬はできません。
そして死亡してからも、ずっと病院にご遺体を預かってもらうというのは難しいのです。
ということは、火葬までどこかご遺体を預かる場所、つまり安置室が必要です。
安置できる自宅をお持ちなら問題はないのですが、
特に都市部にお住まいの方だとマンション住まいなどスペースの問題があるでしょう。
自宅での安置が不可能な場合は、火葬場の霊安室に安置するという方法があります。
有料の場合がほとんどです。
この際は、お棺にご遺体を納めた状態で安置します。
しかし夜間の安置の受け入れをしてもらえなかったり、
そもそも霊安室が無かったりする火葬場も多いのです。
余談ですが、横浜市の横浜北部斎場は、震災時の火葬に備えて石油の備蓄施設を備えるくらい計画性があるにもかかわらず、肝心の霊安室がありません。おそらく遺体の管理が面倒なのでしょう。そのため困っている横浜市民はたくさんいます。
次の選択肢は葬儀屋さんの所有する霊安室を使う方法でしょう。
この霊安室も葬儀屋さんによって、費用や環境のレベルはいろいろあります。
最後は裏技です。
先程ずっと病院に安置することが難しいと申し上げましたが
もし亡くなったのが大きな病院なら、ご遺体保冷用の保冷庫を持っていることがあります。
ダメでもともとで看護師さんに
「病院に安置できませんか?」
と交渉してみるのも良いかもしれません。
病院が複数の霊安室を持っていれば、
1日くらいなら貸してくれるかもしれません。
もし安置スペースがあって、保冷設備がないときははドライアイスを葬儀屋さんに当ててもらいましょう。
上記の方法なら遺体安置場所の費用と、遺体安置場所への移動費用が浮く可能性があります。
ただし前述したように、ほとんどの病院は亡くなるとすぐにご遺体の移動を遺族に要請することを覚悟してください
直葬だけではさびしい、という方に
経済的に直葬をせざるをえないが、それだけではさびしい・・・という方に。
先ほど直葬を選んだものの、数ヶ月してから「何もしてやれなかったのが心残りで」という心情を訴えたご遺族の話をしました。
直葬は宗教儀式をしないと言いましたが、
葬儀屋さんに依頼すれば、火葬の直前にお寺さんを火葬場に呼んで火葬炉の前でお経を読んでもらうことができます。
このときのお布施は3~5万円くらいでしょうか。
全く何も宗教儀式をしないのは抵抗があるという方は、検討してください。
直葬が増えてきた理由:補足説明
冒頭で少し触れた、直葬増加の理由の補足説明です。
なぜ直葬が増えてきた理由として
1番目は経済的事情、つまりお金がない。
2番目は宗教観の変化、「特に信仰がないからお坊さん呼ばなくていいや」という考え
3番目は人間関係の希薄化、「参列者がいないからお葬式やらなくてもいいか」
と考える人が増えてきたから、と申し上げました。
それぞれの理由について、さらに深く考えてみます。
1番目の経済的事情についてですが
都市部で小規模な普通の仏式の葬儀を行った場合、お坊さんへの御礼などを含めると100万円はかかってしまいます。
これを直葬にすれば火葬料込みで30万円くらいで、
よく葬儀社を吟味すれば20万円以内で執り行うことが可能です。
たまに50万円で直葬ができます、という葬儀業者がいますが、高すぎだと思ってください。
長期化した不景気、医療費の高騰、喪主世代の老後不安などの理由で以前ほどお葬式にお金をかけられないという人が増えてきました。
そういう方にとって、かつては生活保護の受けていた方が主に利用していた、お金のかからない直葬が選択肢に上がってきました。
コロナ禍の時期は、お葬式を控えていたこともあって、さらに直葬を選ぶ人が増えたという印象です。
2番目は宗教観の変化についてです。
日本人は無宗教というのは正しい表現ではなくて、仏教の神道と儒教を無意識に信仰している民族だと私は考えています。ただ江戸時代にお寺が戸籍管理を任されたことがきっかけで「お葬式にはお坊さん」ということが定着したのです。
ただ最近は核家族化ということもあり、墓を持っていなかったり、家に仏壇を置いておく家庭も少なくなりました。
そうなると日頃仏教徒であることを意識することも、なくなってきます。
また仏教界にもいろいろ問題が有り、日頃布教しないでお葬式の時だけ不当に高い御布施を要求するのはけしからんと考える人もいます。
そういう人にとっては、葬式はそこまでしてやる必要のないもの、ということになります。
というわけで必要最低限、火葬だけをやれば良い、という結論になります。
3番目は人間関係の希薄化についてです。
現代社会は下記の三つの「縁」が薄くなってきています。
- 血縁・・・つまり戦後地方から都市部への人口移動があり、実家と実家の菩提寺との縁が薄くなった。
- 地縁・・・都市部は近所づきあいも積極的に行わないので、地域コミュニティのつながりが弱い
- 社縁・・・高齢化に伴い、退職してから20年近くして亡くなるので、その時には会社とのつながりが薄くなっている。
お葬式には社会的に亡くなったことを告知する、別れを共有する機能があります。しかしその機能を使う必要がない、つまりお葬式を行う必要がなくなってきたということです。
以上が、直葬の解説です。
この記事が皆さんのお役に立てることを、願っています。
最近は亡くなる方が多くて火葬場が順番待ちらしいですから、その間の保管が大変ですね
たこ様、
そうですね、でも火葬だけの方ってお葬式の人が使わない時間帯に火葬することが可能なので(朝早くとか)、時間帯気にしなければそれほど待つことはないんです。
「直送」を式場会館への直送の意で使ってます
「火葬のみ」の意ではなく、「自宅安置が困難な方のために病院から直接会館へお連れし、会館の控室にご安置することが可能です」の意です
地方では、家族が遠方に居て、個人の家が廃屋であったり、掃除が行き届かなくてはいることが不可能な場合があるんです
そのために 直送という言葉をチラシや営業トークで用いています
ご参考になれば幸いです
猫紳士様
情報ありがとうございます!