新聞広告に「追加料金不要」と掲載しながら実際には別料金が掛かるケースがあったとして、消費者庁は22日、イオングループの葬儀会社「イオンライフ」に対し、景品表示法違反(有利誤認)で再発防止を求める措置命令を出した。
消費者庁によると、同社は3~5月、全国紙3紙計400万部に「イオンのお葬式」との名称で広告を掲載。税込みで19万8000円、34万8000円、49万8000円の三つの料金プランを提示し、「追加料金不要」と記載した。しかし、全体の4割ほどで追加料金が発生し、苦情が寄せられていた。
過去イオンのお葬式についてこのブログでも度々取り上げてきました。
イオンの葬儀に対するヨイショ記事について
イオンの墓石販売が成功しない理由
業界内でこの件は度々うわさになっていましたが、やっぱりね、というのが感想です。
イオンのお葬式は、イオンが葬儀の施行を行うのではなく
イオンブランドを背景にして、葬儀屋さんを探している消費者を全国の葬儀屋さんに紹介してその紹介手数料を取るというブローカー型のビジネスモデルです。
この金額で紹介手数料まで取られて葬儀屋がやっていけるわけがない、というのが葬儀業界内の認識でした。
で、やっぱり追加料金を取っていたと。
そこに消費者庁のメスが入ったということでしょう。
全体の4割で発生していたということは常態化していたのでしょう。
現場の葬儀屋が勝手に追加費用を取っていただけでイオンは知らなかった
という理屈は通らないですね。
本当に知らなかったというなら、現場のクオリティコントロールがデタラメということで
そっちの方も問題になります。
日頃契約先の葬儀屋さんを集めて研修で教育しているから、うちはレベルが高いと言っておきながら
コンプライアンスすらガタガタだったとは。
(参考記事:申し訳ないがあえて言わせて欲しい!)
次に葬儀業界の事情通なら絶対考えるのが
あのイオンがこのざまなら、他の葬儀ブローカーは一体どうなるのか ?
ということでしょう。
葬儀ブローカーの中では、イオンはむしろこの手のうわさが少ないほうだったので。
(参考記事:『小さなお葬式は最悪の葬儀会社です。』))
葬儀業界の広告の無法ぶりはこのブログでも過去に何度か指摘してきました。
「小さなお葬式」が安い「本当」の理由
葬儀ブローカーのやり口を教えます
葬儀ブローカー界の熾烈(しれつ)な競争
「小さなお葬式」 のこの広告、ちょっとまずくないですか?
などなど。
今回の件が一罰百戒となって全体が改善されるなら
業界にとってとても良いことです。
ただ彼らの面の皮の厚さを考えると
消費者庁にはもう一働きしてもらった方が良いでしょう。
イオンさんには
「あいつらだってやってるよ!」
と騒いで頂きたいです。
正直者が成果を得られる世の中になりますように。
最近の葬儀ネット広告は酷い。
グーグル、ヤフーが行けないと思う。本当に必要な情報はネットにない。あるけど埋もれてる。
またこんなのありました。
終活ねっとの葬儀の説明もはちゃめちゃ。出資する奴のアホちゃうか
葬儀やお墓など、“終活”に関する情報のポータルサイト「終活ねっと」が8300万円調達+-+ニュースパス+
https://newspass.jp/a/b0cwg
2年以上前に、公取委と消費者庁と話した事があります
葬儀を選ぶ条件は「価格」であり、経歴や資格、実績や技術等の能力では無いので、価格に関しては「優良誤認を適応出来る」が、経歴や資格、能力を偽っても「優良誤認は適応出来無い」と
役所的には葬儀は何処も同じで、違いは「価格だけ」
確かに、葬祭ディレクター1級の有無や担当者スキルは葬儀価格に反映はしていない
イオンは単なる流通斡旋業者
末端の施行には、ズブの素人
2年前に浄化するべきだった
通りすがり様
葬儀屋さんが全体的にネットに弱いという問題もありますね。
このブログを始めた動機の一つでもありますが。
prof様
>違いは「価格だけ」
そりゃペテン師がやりたい放題やるはずですよ。
(先におことわり:イオンの関係者ではありません)
これ逆に考えると、4割で追加発生=6割で追加なし、って結構優秀なんじゃないの、とも思ってしまいます。申し訳ないけど一般の葬儀屋さんのドサクサボッタクリのイメージってそれくらい強いです、残念ながら。
かくいう私はちょうど先週イオンのお葬式をあげたのですが、追加料金のうちお坊さんのお布施と食事代は初めから別料金と明記済み、唯一焼き場から葬儀場まで帰ってくる車代だけ追加でしたが、まあ焼き場で現地解散もアリだろうしタクシー呼ぶにもお金がかかるから、と納得の範囲内でした。思いのほかちゃんとしていた、というのが率直な感想です。
通りすがり様
おそらくイオン側はオーバーするのを認識していたでしょうから
故意というのは罪が重いと思います。
6の通りすがりさんと
1,2の通りすがりは違う人物です。
てか、同業者だろどうみても!
1.2の通りすがりより。
実は日本は世界で一番の社会主義世界
例えば、経験20年の専門医と学卒1年目の未熟医でも同じ保険点数!
すなわち、名医でもヘボ医でも価格は同じで、スキルは価格に反映をせずに、命も運任せ
中国では診察料、処置料、手術料は医師のスキルに反映をしており、金持ちは高いスキルの専門医、貧乏人は低能力のヤブにかかり、これが寿命差になります
日本の葬儀は「テクニカル・チャージ」が無いのでスキル評価がされず、
「廉価=真面目な葬儀屋、良い葬儀屋」との尺度
薄利多売は業界レベルを下げる
1.2の通りすがり 様
コメントありがとうございます。
できれば今後はなんでもいいので適当なお名前を名乗っていただけますと助かります。
今どきですと「貴乃花」とか(^^;)
prof 様
組織単位なら価格差はあるですけどねぇ、個人レベルとなると・・・
大変勉強になる記事をありがとうございました。
もしご存知でしたら教えていただきたいのですが、2019/4/12に課徴金命令が出たイオンライフの[そなえ割]は、どんな仕組みで利益が出るものなのでしょうか……
というのは、イオンライフの[がん早期発見支援サービス]に申し込もうとしましたら、[そなえ割:年会費入会金無料:イオンのお葬式の早割]に申し込むと保険料が9000円割引になるというのです。そんなにイオンのお葬式に誘導できると儲かるのか?課徴金が出そうだから違う戦略をたてたのか?よくわからずどちらで申し込もうか考えあぐねているところで、こちらのページを拝見させていただきまして、期せずして色々勉強になりました、ありがとうございます。
方向違いのコメントでしたらご放念いただければと思います、引き続き更新頑張ってください、
失礼します。
とおりすがり様
コメントありがとうございます。
>どんな仕組みで利益が出るものなのでしょうか……
他社の会員制度も同様だと思うのですが、将来の顧客の囲い込みが目的でしょう。
ただ私にも不可解なのが、単価の安い直葬の割引率を高くしていることです。
普通は定率にするケースが多いのですが。
会員がある程度集まった段階で値上げするんでしょうか?