イオンが墓石販売を始めました。
「イオンのお葬式」を展開するイオンライフが墓石の販売を開始 料金は58万円から|ニフティニュースロクに調べもせずに「イオン、墓石も価格破壊か!」と騒ぎ出すマスコミが絶対いると思うので釘を刺しておきます。価格破壊につながりません。影響は限定的です。
自由競争がなくパイプもない
理由1
イオンの墓石は多くのお墓で販売を行うことができません。なぜなら(公営墓地を除くと)ほとんどの墓地では使える石材店(墓石屋)さんは、決まっているからです。
法律上墓を経営してもいいのは「宗教団体(お寺)と自治体と公益法人」だけです。
そして大多数を占める宗教団体(お寺)のお墓では特定の石材屋さんに墓の運営を任せることが多いわけですね。運営の中には、売り出した墓地の集客や販売、メンテナンス、寺のイベント手伝い、そして墓石の販売・制作も含まれます。
そのため墓地購入者が、墓石に関してはイオンの墓石を使いたいんですけど・・・って望んでもイオンではなくて、運営を任されている石材店に依頼してくださいという話になります。この運営を委託されている石材店は1社とは限らず複数社が入っている場合もあるのですが、それでも選択肢が限定的であることには変わりはありません。
これまでネット系企業が墓石販売に上手く切り込めなかった背景がここにあります。
これって寺と石材店の癒着によって自由競争を阻害しているのではないか、と言われれば確かにそうです。
ただ少しだけ石材店をフォローしておくと、彼らは新規墓地の開発の際に開発費やら保証金やらを積まされて、さらに販売する墓地のノルマがあったりするので結構リスクを背負っています。上場している石材屋さんのバランスシートを見ると、かなりの保証金を積んでいることが分かるはずです。こういった背景なのでこの仕組みに関しては、石材店ではなく宗教法人を叩くべきでしょうね。
つまり、墓石販売は自由競争がなく、イオンには宗教法人とのパイプがありません。
以上の理由でイオンの墓地は自治体の運営する公営墓地以外ではほとんど営業できないでしょう。これが影響は限定的と言った理由です。
品質の違いがない
仮に販路を拡げることができたとしても、競争が高まることはないでしょう。
イオンのお葬式の場合もそうですが、イオンは集客だけでサービスの提供は従来の業者に任せます。
受注ラインに中間搾取者(イオン)が入るだけで、品質や価格にそれほどの変化が生じるとは思えません。これはイオンのお葬式で実証済みです。
さてイオンから墓石制作サービスを受けているのはこちら。
ちなみにサイトでは低価格の理由を「過大な宣伝費無し」「営業マン無し」「中間マージン無し」とうたっています。しかしイオンに結構な紹介手数料払っていると思うんだけどそこはどうなのか・・・(^^;)
私は↑この企業には詳しくないのですが、社長の名前や画像から検索すると母体は↓この石材屋さんのようですね。
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