プレジデントの最新号から
いわゆる終活ネタの一つとして
イオンの葬儀が扱われていました。
余談ですがイオンはなぜ実際の葬儀施行件数に関して
いつも口を閉ざすのでしょう。
今回の記事でもはぐらかしてるようですし、
株主総会においてすら答えていないようです。
私の周辺では施行の話を聞かないこととあいまって
意外と件数が伸びていないのではと邪推してしまうのですが。
イオンのお葬式取材記事
さてこの中でイオンの葬儀部門開発者への取材記事が掲載されていました。
この開発者が葬儀業界に参入を考えたきっかけは
肉親の葬儀の際、たくさんの追加費用を請求されたことだそうです。
ん・・・?
どっかで聞いた話だな?
ああ、これだ。
1自分の愛する人の葬儀でこんなひどい目にあった
↓
2葬儀屋、最低!
↓
3そしてなぜか「義憤を抱」き、私はこんな素晴らしい志をもって葬儀業界に参入しました!
↓
4既存の業者から「あり得ないような」嫌がらせを受けたけど、負けない!
さすがに4に関しては言及していませんが
(宗教界とはいろいろあったようですが)
イオンよ、おまえもか・・・
いつもここで私が分らないのが
葬儀業界に不信感をいだいて改革しようと参入したなら
なんで葬儀屋を立ち上げるのではなく、
葬儀屋紹介業なのか?
それに対するイオンの答えは、どうやら
「我々が葬儀屋を教育するから」
ということのようです。
そうやって改革を行うらしいです。
イオンの「教育」
まず
品質基準で葬儀屋を選んだことになっています。
なんで「なっています」という表現を使ったかというと
立ち上げ当初は品質基準なんてものが無かったから。
立ち上げ前のイオンの説明会に参加した周りの葬儀社に当時尋ねたときは
提携する、しないは提示された支払手数料の条件を飲むかどうか、
という話ばかりでした。
立ち上げた当初は「近所の評判の良い」葬儀社を選んだってことでサイトに掲載して、品質基準うんぬんを言いだしたのは立ち上げ後、1年以上経ってからだったと
記憶しています。
それからイオン「様」は
参加葬儀社にスキルアップのための研修を施こされているらしいです。
また
葬儀社をイオン様の判断でA~Eランクに分けて上位ランクから
仕事を紹介しているとのこと。
この記事からは
契約葬儀社に対して
ビジネスパートナーというより
落ちこぼれ生徒を相手にしているかのような
上から目線を私は感じました。
そして今回ばかりは私も契約葬儀社の皆様に対して
上から目線で言わせてください。叱咤の意味もこめて。
君達、悔しくないのか?
プレジデントは読んでおりませんが、イオンについて少し情報がありますので投稿いたします。
いつからなのかイオンが葬儀社をランク付けし始めたのは確かで、アンケート結果からABCDを付けているとのことです。
ランクが低い葬儀社へは送客しないとのことですが、事前にそのような契約合意がなされているのでしょうか???
素朴な疑問として浮かぶのは、送客がないとランクは上げようがないのでは?ということですが、これはさすがイオン。
有料研修会に参加するとランクがアップするようです。すばらしいビジネスモデルです。
ただ、イオンの説明や取り決めにまったく沿おうとしない葬儀社、二重見積りなどで手数料をごまかす葬儀社などが多くいることも事実のようです。
そうした一部の会社のために全体が悪く評価されてしまうことを防ぎたいという、イオン側の気持ちはよくわかります。
(事業参入と特約店の確保を急ぎすぎなければ、あるいはもっといい仕組みにできたのではないか・・・とも思います。これはあくまで想像ですが)
それから、近いうちにイオンの葬儀部門である「イオンライフ事業部」は、会社法人化して本体から独立する予定のようです。しばらくはイオンのお葬式のメディア露出がふえるかもしれません。
kai様、
連日貴重な情報ありがとうございます。
>有料研修会に参加するとランクがアップする
あれって、有料なんですね。
しかしどうやってランク付けしているのとか、社員全員を参加させているのかとか
いろいろツッコミどころが多そうです。
>「イオンライフ事業部」は、会社法人化して本体から独立する予定
最初は少ない投資で、いつでも撤退できるように様子見、
いけるとなったら全力で。
やっぱり商売人としては葬儀屋よりも何枚も上手ですね(^^;)
強ければ全てが許され認められる。
「どこかの国みたい」
頭が痛いです。
prof様
その強さを与えているのは消費者というところが
悲しいです。
悪徳葬儀屋を正す!で始めました。×
おいしそうだったので参入しました。○
ですよね??
こっちでもイオンを受けてるところの施行件数上昇は聞かないんですよね~。
管理人様と似たような感情を抱きました。
「お前らには長い歴史の葬儀社老舗のプライドはないのか!」老舗からイオンやフランチャイズ(表現あってます?)を受けている現状なんですよねぇ。
かかし様、コメントありがとうございます。
儲かりそうだから、で参入するのは
資本主義社会なので全然構わないのですが
それを社会正義という看板の下に隠しているのだとしたら
ちょっと納得いかないですよね。
ある法学者の話を引用させて貰いますと、
日本においては、
国民や市民、企業は「法で規制されていない事は自由に行ってもよい」。
行政や国は「法や条例で明記された事以外は出来ない」。
しかし、法で規制されていないからと言って、「認められている訳ではありません」。
「法や条例で否定されない」=「認められた」は間違いです。
そのために、個人、企業、団体のモラルが重要となります。
商業行為であるために違法性がなければ咎める理由もありませんが、「斡旋業が不透明化を助長する部分」の認識も必要です。
prof様、
>「斡旋業が不透明化を助長する部分」
ありますよねぇ、これ。
元ネタとは違いますが、
物理教師さんは「茨城宝くじ事件」と「西友元町店事件」をご存知ですか?
良く、参考事例で使う事件です。
prof様
西友元町店事件は、知ってます。
ネット上にいかにもチンピラ風の客の姿が出回りましたよね。
茨城宝くじ事件は、知らなかったです。
「茨城宝くじ事件」と「西友元町店事件」は教訓となるべき事件であり、教材に利用出来る材料です。
これは、嘘をつく、騙す、裏切る、法を無視するとの原因、過程、結果、違法性、収束の全ての事が揃っており、「新人教育にも利用できます」。
日本は「性善説」を基本とした社会システムと法令であるために、これを無視すれば「法令の規制もなく、罰則もありません」が、葬儀業界に対しても「性善葬儀社」を求める利用者が多いために、商行為としての葬儀の認識が低く、「騙された」となるケースが多いと思います。(日本の葬儀は99%以上が商行為)
「西友元町事件」は業者側の対応と消費者側(むしろタカリ)、司法の対応と法令の適応では参考になり、「茨城宝くじ事件」は悪いことをした時の対応と法令の適応を考える上で勉強になります。
「茨城宝くじ事件」につては後程、説明をします。
茨城県宝くじ事件は、「日本における性善説と法の不備」を考える上で参考になり、ビジネス・ルールを守る(コンプライアンス意識)でも重要です。
概要は以下の通り。
2007年、茨城県土浦市の宝くじ売り場(スーパー併設型)で1,000万円の高額当選が発生しました。
しかし、当選者は宝くじ売り場の店員に当選確認を依頼したまま帰ってしまい、当選者不在となりました。
そのために、当選者が来ることを考えて数日間は待ちましたが、日時が過ぎても当選者が訪れないために土浦警察署へ通報をしました。
捜査手段のない警察としては報道機関に対して、「土浦市内の宝くじ売り場に1,000万円当選券を置き忘れた人がいる」との情報を流しました。
翌日には新聞やテレビで報道され、狂騒が始まりました。
報道の翌日から土浦署には「私が当選券を忘れた」と名乗る人達からの通報が殺到して、19人が名乗り出ました。
内3人は警察署を訪れ、「自らの所有権を主張」しましたが、報道を見て最後に名乗り出た20人目が「該当者」であることが確定できました。
警察発表は「当事者しか知りえない事実(証拠)」を隠して発表しますが、19人目までは「デタラメな申し出」であり20人目は「当事者でしか知りえない事実」を知っていました。
参考になるのはこれから。
嘘をつき、当選金を騙し取ろうとした19人に対しては、警察や裁判所等のお咎めは一切ありません。
警察を訪れ自らの権利を主張した3人は非常に巧みであり、「父親が買ったと思う」、「連絡の取れない息子が買った」、「購入したが盗まれた、置き忘れた」等の主張でした。
残りの16人も同じようなもので、「私が買った」と主張する人達でした。
20人目が現れ、本人と確認されなければ「どこまで嘘つき」が増えるのかと考えていました。
あわよくば1,000万円を貰おうと考えた人達には便利な言葉があり、「勘違いをした」と答えれば性善説を採る日本では免罪符となり、罪を問えなくなります。
騙す意思が確認できれば詐欺や詐欺未遂になりますが、「勘違いをした」、「法の解釈の違い」、「覚えていない」、「忘れた」、「部下や社員がしたこと」と言えば罪に問われる可能性は下がります。
「自分で宝くじを買って、自分で宝くじ当選確認に行ったと勘違いをした」と言われれば、被害者が出ていない本件では犯罪や違法行為(法で規定されたこと以外の嘘は違法ではない)を問えません。
日本では葬儀業者が依頼者に対して嘘をついても違法ではなく、基本的には「罪は問えません」。
文章で国産棺15万円と謳い、廉価な中国製棺を売りつけたとしても「勘違いをして中国製を使った」と言われれば、常習性(反復性)がなければ逃げられます。
葬儀に限った話ではありませんが、「パンドラの箱の中」には「勘違いをした、法の解釈の違い、覚えていない、忘れた、部下や社員がしたこと」との言葉が詰まっています。
そして、パンドラの箱を開けた企業や経営者、社員は免罪符と引き換えに信用を失います。
しかし、周りを見ると「破滅の言葉」を使用した人達が儲かっているのも事実であり、性善説に基づき構築された日本社会の矛盾もあります。
西友元町店事件は「悪は悪を呼ぶ」の典型です。
嘘をつき客を騙し利益を増やしたために、「大きな弱点」をつくり、それに即け込む悪意に対しては阻止できないとの教訓です。
売上額の50倍以上の金銭要求に対しても、「無条件で支払いを続け」、明らかに詐欺ですが西友としては被害届を出さないために犯罪や違法性が問えませんでした。
数人の逮捕者が出ましたが、これは返金窓口で「机や椅子を蹴り壊した」、「金を払えと恫喝をした」等のマル暴事案(所轄署のマル暴が張り付いていたので)であり、返金詐欺での逮捕者はいません。
西友側が被害届を出して裁判となると、起始点が「西友の食肉偽装」であり、これが企業にとっては更なるダメージであり、「嘘を付く人達にも金を払って収束を図った」との観は否めません。
当然ながら、西友サイドとしても「ある程度の返金詐欺」を予測していた筈ですが、「北海道民の性を見誤りました」。
悪事を行う企業や人達を騙しても罪にならない(黒詐欺)の典型であり、「悪は悪を呼ぶ、悪は悪と組む」との教訓です。
最近の葬儀業界は「劇場型」であり、劇場型葬儀社が評価され高売上を続け、マスコミもチヤホヤします。
当然ながら、葬儀社や経営者、社員にも「物語性」が求められ、造話が増えます。
これらはマスコミの功罪でもありますが、正道が評価されない問題もあります。
イオンには既存業者と違う道を歩んで貰いたいと感じます。
prof様、
ということは「善意の」の勘違いをした人は
ある意味合理的な行動に出ているわけですよね。
だから性善説が機能するように(祈って?)
「葬儀屋は僧侶より人格者でなければいけない」
と常々言っておるのですが・・・