経済誌「BOSS]の今月号(2018年1月号)に
葬儀ブローカー(ネットで葬儀屋さんを探している人を集客して葬儀屋に送客し、紹介手数料を得る組織)のみんれび(現:よりそう)社長芦沢雅治(あしざわまさはる)氏のインタビューが掲載されていました。
(葬儀ブローカーについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ→葬儀ブローカーの現在 前編)
ちなみに葬儀業界人向けのネタになりますが、葬儀業界を騒がせたあのN氏を一番最初に持ち上げたのは,私の記憶が間違っていなければこの「BOSS]という雑誌でした。
要はそういう雑誌ということで。
さてこの芦沢雅治氏、
見た目に言及するのは反則だとは重々分かっているのですが
彼の面構えを見てから、以前アフィリエイターだったという経歴を聞くと
ああ、なるほどね、というのが感想です。
(参考記事:雑誌『WIRED』の葬儀に関する記事がアレな件 )
葬儀業界新規参入者のパターン)
では芦沢雅治氏の発言をチェックしてみましょう。
(葬儀屋さんはカッとなってスマホをたたきつけないようにお願いします。閲覧注意!)
「100万円、200万円、300万円といった価格を並べても、何がどう違って価格の違いになるのか、まったくわからない。調べてみると、100万円違っても、内容には違いがない場合が多いんですね。一方的に100万円分の粗利を取るか取らないかの違いだったりする」
ーどうやってその最安値を実現できたのですか?ー
「葬儀社の稼働率がだいたい3割と言われています。時間にすれば1月のうち10日間しか動いていないということになります。そこで稼働していない70%の時間を有効活用できないかとシェアリングの形式で葬儀社の開いた(原文ママ)時間を使わせてもらうことでWIN WINの形にしている。葬儀社さんは彼らのプランは彼らの価格帯で行っていますから、我々と食い合うということがありません。」
葬儀社の稼働率って3割らしいすっよ。
我々は勤務時間の7割はボケーッとしてるだけらしいっす。
>葬儀社さんは彼らのプランは彼らの価格帯で行っていますから
みんれびの戦術って、最安値かそれに近い価格で葬儀社に葬儀をやらせて、そこからさらに紹介手数料差し引いているわけですよね。
自社プランでうまくいっている葬儀社なら、そんな割に合わない仕事を引き受けないですよね。
葬儀社の業務って仕事の受注(=誰かが亡くなる)予測が立てづらいので、固定費を下げるために基本的にミニマムな労働力にしておいて、仕事が入るとメチャクチャ残業させて変動費として対応している葬儀社が多いです。
そのため葬儀社は本来儲からない底値の仕事を余計に引き受けるはずがないのです。
航空会社のように空席があっても飛ばすコストは同じなので、空席は値下げしてでも埋めるという固定費の高い産業構造ではないのです。
本当のところは
固定費を捻出するだけの仕事すら入らないので、葬儀ブローカーの底値の仕事でも引き受けないと潰れてしまいかねないような底辺の葬儀社に仕事を与えてそこから搾り取っている
ということではないでしょうか。
-約3分の1まで抑えられるとすると、そもそも葬儀の原価というのはどうなっているんですか。ー
100万円を超える葬儀というのは、約8割が粗利です。残りの2割のほとんどが人件費。お棺などは1万5000円程度だったりします。しかしながら,斎場を持っていれば、その減価情却費用がかかりますし、諸経費もあるでしょう。約7割の時間が稼働していないのですし、
7割ボケーッとしているのに粗利が8割なんて、そんな仕事世の中にあるんですねー。
ねぇよ。(-_-)
そんなボロ儲けの仕事なら、葬儀ブローカーなんてやらずにあなたが葬儀屋やればいいじゃないですか。
データで反論しておきます。
TKC経営指標速報版 サービス業 に葬儀業という区分で統計データが載っています。
売上高に占める固定費の人件費率=68,883(千円)÷251,296(千円)=27.4%
さらにお通夜や当直などの長時間の残業労働時間(変動費)を加えれば売上高人件費比率が40%を越えていても不思議はないです。
そしてこのデータは黒字企業をサンプル対象としています。
最近激増している赤字葬儀社はもっとこの人件費比率が上がっているはず。
粗利が8割、人件費2割なんてデタラメもいいところ。
(お坊さん便について)必ず善提寺の計可を得てから当社のサービスをご利用いただくようにしています
「お坊さん便使っていいか?」尋ねられて「うん」という菩提寺はいないのでは。
そもそも尋ねた段階で、怒り出すと思います。
お寺やお坊さんのことをインターネットで紹介したり、見せたりする術がなかった。歴史や文化を伝える意味でも、そうした機会をつくっていくことに挑戦してみたいですね
日本経済を動かすためにも、そこまでやり切りたいですね.
葬儀ブローカーって社会正義を語りたがる人が多いですよね。
やましい気持ちを隠そうとするとこうなるのかも。
葬儀業界を焼き畑農業にしてしまったのは、あなたたちなのですが。
やってることと言ってることが一致していません。
この芦沢雅治氏、
バカなのか、消費者をミスリードしようとしているのか。
おそらく後者だと思いますが、どちらにしても葬儀屋さんに失礼なことには変わりはない。
でも本当にだめなのは、こういう葬祭業をバカにしているところから仕事をもらわないとやっていけない葬儀社である、ということが悲しい。
経営が苦しいのは分かりますが、葬儀ブローカーから仕事をもらっている段階でもう終わっていることに気づかないと。
こういうでたらめな会社に、10億円単位のお金を用立てする、資本の論理って何?
よっぽど葬儀屋は世間から馬鹿にされているんですね。
QP人形 様
こういうところから仕事を請負う葬儀業界にも問題があるんですよね。
ニュースリリースとか見ましたが、この会社って10億調達した割には動きがあまりないですね。お坊さん便の一発屋でしかなかったのかな
小さなお葬式は色々仕掛けている感じしましたが、結構差がありそうですね
葬儀業界に注目しているビジネスマン 様
コメントありがとうございます。
葬儀ブローカーはほとんど消耗戦状態ですね。
どれだけ投資家にうまいことを言ってお金を引っぱってくるかの勝負になっています。