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葬儀ブローカー「よりそう」は大丈夫なのか?




先日このブログのコメント欄に

『「よりそう」ってヤバくないですか?』

という主旨の書き込みをいただいたので調べてみたら、なかなかのモノだったという話です。

葬儀ブローカーとは?

まず葬儀ブローカーとはなんぞや、という話です。

ネットで葬儀社を探している消費者を、葬儀社に紹介し、葬儀社から紹介手数料を得る組織のことです。
相場は売上の大体15%くらいと言われていますから、なかなかの比率です。

この商売が成り立つ背景として、葬儀社はネットを含めたマス系の営業が苦手ということがあります。
そもそも地域密着型の零細企業が多く、経営者はITに疎いです。
ホームページを作るようになったのも結構最近です。

そこで、「我々がネット集客してあげよう」と、登場したのが葬儀ブローカーです。

以下、以前書いた記事から抜粋。

このビジネスモデル自体は問題ありません。楽天だって似たような仕組みです。

問題は葬儀ブローカーに企業モラルがないことです。

ビジネスモデル上、運営するサイトが、葬儀に関するワードの検索結果で上位に表示される必要があります。そのためには、お葬式に関する情報提供をしなければなりません。しかし元々彼らは、儲かりそうだからという理由で参入してきたウェブ制作会社やアフィリエイターの連中に過ぎません。

彼らはお葬式の実務のことなど全く知りませんし、興味もありません。

葬儀関係の検索結果に上位表示されるのなら、内容が正しいか、読み手の役に立つか、オリジナリティがあるかなどどうでもいいのです。

できるだけ簡単にすませるために、彼らはネットから引っ張ってきたパクリ情報で記事を量産します。調査などまったくせずにコタツに入ったままで書けるので、コタツ記事と呼ばれています。

 

葬儀ブローカーの現在

リサーチ不足のIT系の人達が、葬儀ブローカー業に参入しては消えていっています。

葬儀ブローカーが生まれてから消えるまで

現状残っている、業界大手の概要です。

ユニクエスト(小さなお葬式)

「小さなお葬式」を運営するユニクエスト

田中兄弟が起業して、大手互助会アルファクラブに売却。
(参考記事:葬儀業界で大型買収劇が密かに成立 探られたくない「二重価格問題」
本人達は隠したがっているようですが。
最近は大手葬儀社グループ ライフ&デザイングループを傘下に収めました。

問題のある情報発信が多いのが特徴。

葬儀ブローカーの現在 「小さなお葬式」編

「小さなお葬式」が消費者庁の処分を受けた件

ちなみにこいつらには私のブログ記事を盗作されたり、DMCA(著作権法)を悪用した攻撃をされたり。

私の「小さなお葬式」の記事で炎上するまでのまとめ

「小さなお葬式」に対する疑惑

さらに「小さなお葬式」の疑惑

よりそう (みんれび)

今回主にとりあげる、葬儀ブローカーです。

アフィリエイターの創業者が参入。

こいつらにも私のブログ記事を盗作されました。

株式会社「よりそう」がクズである理由

みんれび(現:よりそう)社長芦沢雅治氏の発言のデタラメぶりと葬儀屋に対する敬意のなさについてツッコミをいれてみる

終活ねっと(DMMのお葬式)

東大生が在学中に起業して、DMMに売却。

当初は関根勤氏のCMを打つなど、さすがバックが金持ちだとすごいという雰囲気でしたが、
現在は「終活ねっと」の看板を降ろしサイトを停止中。

「終活ねっと」とはなんだったのか

 

鎌倉新書

かつて葬儀業界の出版社だったが、IT企業化。一部上場企業。
これまでの活動の実績を含めて、別格と言っていいほど一番ちゃんとしている企業。

株式会社鎌倉新書

よりそうの現在

さて、よりそう、財務状況がヤバいです。

官報のサイトに直近3年のバランスシートが載っています。
ちなみに資本金5億円以下の企業は損益計算書は載せなくてもいいため、貸借対照表しか載っていません。

2019年度は資産が4億5千万円の規模で、4億8千万円の赤字を出しています。
つまり債務超過に陥っています。
このままいくと、どう考えてマズイので、

葬儀仲介よりそう、20億円を調達: 日本経済新聞

20億円をベンチャーキャピタルから引っぱってしのいでいます。

その後も2020年度は7億5千万円の赤字、2021年度は8億1千万円の赤字です。
資産10億そこらの企業としては結構な金額です。

確かにスタートアップ企業にとっては、資金がショートするフェイズは必ず通る道なのかもしれません。
でもよりそうの創業は2009年なのに、この段階で黒字化の目処が立っていないのはいかがなものでしょう。

ちなみに同業の
鎌倉新書のIR情報のリンクと
https://www.kamakura-net.co.jp/ir/

↓ユニクエストの貸借対照表を載せておきます。

よりそうと同時期にサービスに開始したにもかかわらず、どちらの業績も好調です。

 

この財務状態にもかかわらず、「よりそう」は生前に葬儀費用を払い込んでもらうというサービスをやっていました。
危なっかしいと思ってみていたのですが、どうやら先日サービスの新規受付を停止したようです。

株主資本がもう2億8千万円くらいしか残っていませんから、今期同じような赤字を垂れ流せば
また債務超過です。

今期もどこからかお金を引っぱってくる必要があるでしょう。

ただ私が投資する側の人間なら、よりそうに投資するのはありえません。

理由は次から説明します。

今後もよりそうがダメだと思う理由

葬儀ブローカーの世界はレッドオーシャン(激しい競争の世界)です。

顧客は葬儀社のサービスレベルの判断が、事前にできません。
そのエリアの葬儀社は複数社の葬儀ブローカーの仕事を引き受けるので、実際どこの葬儀ブローカーに頼んでも同じ葬儀社が施行する可能性が高いです。
つまり施行クオリティはどの葬儀ブローカーも同じということです。

そこで行われるのは、「どこが最安値か」を追求するだけのオークションです。
その金額で引き受ける葬儀社がいなくなる直前まで、金額は下がります。

葬儀ブローカーが、この事態を避けるのに必要なことは
A.他社と違うポジションもしくはビジネスモデル
B.消費者をだまして安く見せる
のどちらかしかありません。

当たり前ですが本来とるべきはAです。

・「鎌倉新書」は、長年葬儀業界で活動してきたので、業界内のコネクションを持っている
・「ユニクエスト」は、葬儀の施行部門を持っているので、利益率の高い案件は自社施行する
という戦略をとっています。
つまりAの立場です
(余談ですが小さなお葬式は、良い葬儀社を選んで紹介するという中立な立場を、表向きは取っています。それにもかかわらず実態が葬儀社の一部門であることは、不健全だと私は思います。)

 

一方「よりそう」は、Aの、他社との違いを打ち出すことができていません。
そのためBの戦略をとっています。
他社のサイトと比較してもらえれば分かりますが、商品内容ではなく
少しでも他社より安く見せようということに力を入れています。

結局黒字化の戦略が見えません。
この状態をただ続けていくだけなら、いずれ資金が枯渇するのではないでしょうか。

今後も「よりそう」の「活躍」から目が離せません。

(追記)
ちなみに終活ねっとも他社との違いを打ち出せていません。
いま活動休止状態ですが、もし再始動するときはBの戦略をとらざるをえないしょう。
DMMの社長の山っ気精神で買収した経緯があるので、大して儲からないと気づいたら、顧客情報と共に売りに出すのではないでしょうか。

 











6 件のコメント

  • よりそうコースアウト
    私の仲間の葬儀社の内2社は小さなの仕事は
    リベート高いから受けていません。
    逆にこ汚い事務所兼会館の会社は、鎌倉、小さな、よりそう、イオン全部に登録していても
    コールセンターが仕事を回しません┐(‘~`;)┌
    先日、某大学病院でコロナでご逝去された方は
    現地の業者さんに火葬して頂き、ご焼骨は
    ジェット機で島にお帰りになりました。
    静岡県の某総合病院で亡くなった方は
    火葬後にゆうパックで広島にお帰りになりました。
    私はボランティアだから1円も頂いていませんけど~~小さなならば取り次ぎ料3~4万円?
    火葬場の研究をしていても、ブローカーの広告が邪魔していますし。
    昨日なんかは聖典谷塚斎場に電話しちゃいました。
    鎌倉の清水さんはいい仕事していますけど、
    価格設定しているブローカーは葬儀社をなめています┐(‘~`;)┌
    プンプン

  • 小林より2
    小さな、よりそう、イオン、いい葬儀、
    みんな仲介手数料は25%です。 
    バカらしくて、やっていられないとのこと。
    離反が多いそうです(泣) 

  • 火葬料金、宗教者除く全品目です。
    会館は10万円まで葬儀社負担。
    40万円本体会館葬儀だと
    葬儀社は20万円だとか〜

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