遺族の代表者である喪主をやることになったら、とりあえずこれだけ読んでおけばいいという記事を書きました。
良い葬儀を行うためにやるべきことを、時系列でくわしく説明します。
目次
お葬式は難しい
皆さんがお葬式に直面して困ってる理由は、良いお葬式をするためにはどうすればいいかわからないからですよね。
なぜ、どうすればいいのかわからないかと言うと、
そもそもお葬式が難しいから、です。
↑こちらの記事で書いたように、自分の大切な人がなくなった場合
- 時間がない
- 情報がない
- 精神的なストレスがある
という状況におちいるため、お葬式が難しくなるんです。
良いお葬式をするポイントは葬儀社選び
では、どうすればいいのでしょうか?
精神的なストレスはどうしようもありませんが、対策の立てようはあります。
- 時間がない→亡くなってからではなく、事前に行動を起こす
- 情報がない→葬儀の情報にくわしい人に聞く、
つまり良い葬儀屋さんに事前相談するというのが、お葬式を成功させるポイントです。
世間の葬儀社選びは間違っている
かかわらず、新聞・雑誌・書籍等に掲載されている「葬儀社の選び方」には、正直ロクなものがないです。
「葬儀屋さんの印象が良いかどうか」というようなフワっとした判断材料を言われても、困ってしまいます。
その結果、途方に暮れたり、思い通りにいかなくて後悔する人が後を絶たないのです。
ここからは、正しくて効果的な葬儀社の選び方の手順を解説していきます。
誰を呼ぶか決める
まず、最期に故人に会わせたい人、つまりお葬式に呼ぶ人を選んでください。
エンディングノートには、お葬式に呼びたい人を書く欄があるので、書き込んでいってもよいでしょう。
友人や会社関係を呼ぶ場合は、ざっくり80人というようなカウントの仕方で構いません。
身内だけ20人くらいまでなら、家族葬でしょう。外部から何十人か参列される場合は一般葬になるでしょう。数名で予算がなければ直葬にする方もいるでしょう。
このように誰を呼ぶかを決めると、お葬式のスタイルが決まります。
お葬式のスタイルが決まると、葬儀社の事前相談もしやすいです。
そのため、まず最初に誰を呼びたいかを決める必要があるのです。
葬儀費用の確認
誰を呼ぶか決まったら、お早期のスタイルや規模が決まります。
規模が決まると、葬儀費用がいくらくらいかかるか、見当がつきます。
↑この記事で紹介している方法で葬儀社にコンタクトを取り、実際に葬儀費用がいくらくらいかかるのか、把握してください。
葬儀費用を少なくしたい場合
予算が30万円くらいしかなければ、お通夜お葬式を止めて直葬(火葬のみ)にするという方法があります。
お通夜お葬式をする場合は、当然皆さん安い葬儀屋さんを探そうとするわけですが、葬儀屋さんの世界も競争原理が働くようになったので、値段とクオリティが比例します。
そうであれば、格安の葬儀社に頼むのはなかなかリスクが大きいです。
実際に安価な葬儀社の中には、非正規雇用の社員にブラックな働かせ方をしているところも多くあります。
最近利益が出ない葬儀も多くなりました。葬儀屋さん相手に値引きの価格交渉も難しいです。
↓そこで残された値引きの聖域がお坊さんのお布施だという記事です。
ダメ元でやってみる価値はあります。
良い葬儀社の選び方
さて、葬儀費用の概算が出たところで、最終的に一社の絞り込みが必要になります。
安置室で選ぶ
葬儀社選びに2~3日ほど時間がある方に、私がお勧めする最も効果的な方法をお伝えします。それは「葬儀社の霊安室をチェックする」という方法です。
「なぜ霊安室なの?」と思われる方も多いでしょう。近年、特に都市部では自宅を持たない方も多く、病院で亡くなっった後、葬儀社の霊安室を利用するケースが増えています。
↑この記事でも安置場所を決めておくことの重要性を解説しています。
葬儀社の霊安室に着目するという発想のきっかけは、1994年に出版された『病院ランキング 首都圏トイレでわかる「良い病院」「悪い病院」』という本でした。
この本は、病院の「トイレ」だけを評価して病院の質を判断するという面白い試みを行っています。
たとえば、広さ、清潔さ、バリアフリーなどの項目で評価しています。
なぜトイレなのか。
それは、目立たないけれども患者さんや家族が必ず使う大切な場所だからです。
このような目立たないけど大切な場所に力を入れている病院は、他の設備やスタッフのレベルも高いだろうという考えに基づいています。
私はこの発想を葬儀社に応用してみました。葬儀社の場合、病院のトイレに相当するものは「霊安室」ではないかと考えたのです。
霊安室は式場などと比べると目立たない存在ですが、故人と遺族が最後の時間を過ごす大切な場所です。この目立たないけれど大切な場所に力を入れている葬儀社は、他の設備もしっかりしていて、スタッフのレベルも高いのではないかと考えました。
実際に全国の葬儀社を調査した結果、この仮説は正しいことが分かりました。
では、良い霊安室とはどういうものなのでしょうか。
その前に、一般的な葬儀社の霊安室について説明しましょう。
多くの葬儀社の霊安室は、横長の冷蔵庫が蜂の巣状に積み重なった形状です。カプセルホテルのカプセル内が冷蔵庫になっているような状態を想像してください。内装は殺風景なコンクリートの打ちっ放しで、他の遺体も安置されているため、遺族は同席できません。
遺族が故人に会いたい場合は、スタッフに頼んで冷蔵庫から遺体を出してもらい、2~3分の面会後にまた戻すという形になります。効率だけを重視し、遺族の気持ちへの配慮が足りない霊安室が多いのが現状です。
では、良い霊安室のチェックポイントを見ていきましょう。基本は「遺族が快適に過ごせる」ということです。お通夜までの間、故人と一緒に数日間過ごすこともあるので、旅館に泊まるときのような快適さが必要です。
具体的なチェックポイントは
- 個室である(故人のそばに自由にいられる)
- 十分な広さがある(家族単位でのお参りに対応)
- バリアフリーのトイレ(高齢者や車椅子の方への配慮)
- パントリー(お茶や飲み物を出せる設備)がある
- 好きな時間に自由に出入りできる
- 清掃が行き届いている
- 落ち着いた内装である
- 防音設備が整っている
霊安室を見て、これらのポイントを満たすほど、良い霊安室であり、その葬儀社は他の設備やサービスも充実している可能性が高いです。
このように、霊安室はその葬儀社のホスピタリティの思想を、体現しているのです。
この方法は、安置室の快適さを見ればいいので、旅館に泊まるときと同じ考え方で観察すればOKです。くわしい葬儀の知識や、葬儀社の知識は不要です。
たとえ自宅に故人を安置する予定の方でも、葬儀社選びの際は必ず霊安室を見学することをお勧めします。
またそもそも霊安室を持っていない葬儀社は、消費者のニーズを理解していない可能性が高いので避けるべきです。
大切な人が危篤状態にある場合、葬儀社探しの時間は最小限にして、看病に時間を使いたいものです。この「霊安室チェック」という シンプルな方法で、良い葬儀社を見つけてください。
ドライアイスの当て方を見る
この方法は、依頼した直後でないと分からないのが難点ですが、
故人に対するドライアイスの当て方の丁寧さで、葬儀社のレベルを判断することができるので、参考までに記事を記載します。
おそらく打合せ前に、ドライアイスを当てることが多いので、雑な当て方をしているようであれば、葬儀社を変えることも考えてください。
事前相談のチェックポイント
ここまでお話した内容を理解・実行していれば十分ですが、
補足説明として葬儀屋さんを訪問して、事前相談する場合のポイントの解説した記事です。
またコロナ禍を経て、オンラインで事前相談することも定着しました。
時間の無い方は、オンラインも検討してください。
もし葬儀全体の流れを確認したい方は、下記の記事か、動画を御覧ください。
喪主必見!お葬式成功のための完全ガイド – 考える葬儀屋さんのブログ
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