突然大切な人を亡くした時、多くの方が「お葬式をどうすればいいのか」と途方に暮れます。この記事を読んでいる方も、そんな不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
このように混乱してしまう原因は「お葬式が難しい」からです。
なぜお葬式は難しいのか、解説していきます。
お葬式が難しい理由
私は20年前に父親の葬儀で喪主を務めた経験がありますが、その時「お葬式って本当に難しい」と強く感じました。
それには3つの理由がありました。
時間がない
1つ目は時間がないという問題です。私の父が亡くなった翌日がお通夜でした。つまり24時間で葬儀社との打ち合わせや親戚への連絡など、すべてを済ませなければならなかったんです。
情報がない
2つ目は情報がないという問題です。
日本人には、言葉にすると現実化するという言霊信仰あり、死に関する話はなかなかしづらいものです。
そのため、普段からお葬式に関する情報が蓄積されず、いざという時に何をすればいいのか分からなくなってしまうのです。
精神的なストレス
3つ目は精神的なストレスです。大切な人を亡くすと、普段なら冷静にできるはずの判断が全くできなくなります。
このように、時間がない、情報がない、そして精神的なストレスがある。この3つの原因でお葬式は難しくなっているんです。
お葬式の情報を取り巻く問題
この状況、買い手である遺族が非常に不利な立場に置かれているということです。普通なら、買い手が不利な商品には手を出さないのが賢明ですよね。でも、お葬式はそうもいきません。よく分からなくても、突然購入しなければならない時が来るんです。
では、私たちにできる対策は何でしょうか。
残念ながら、精神的なストレスに対しては有効な対策を立てることは難しいです。大切な人を亡くすという現実は変えようがないからです。
でも、時間がない問題と、情報がない問題については、対策を立てることができます。
時間がないなら、亡くなってから慌てるのではなく、前もって準備をしておけばいいんです。情報がないなら、詳しい人(葬儀屋さん)を見つけておけばいいんです。
このあたりの対策については他の記事で触れいています。
インターネット情報の問題
ただし、お葬式の正しい情報を得ることは、実は簡単ではありません。
まず、インターネットの情報には間違いが多いです。
現在、ネット上で葬儀情報を発信しているのは主に葬儀社紹介業者です。彼らはインターネット上で葬儀社を探している顧客を集客して、葬儀社を紹介して手数料を得るビジネスをしています。しかし実際の葬儀の実務は、ほとんど知りません。
アルバイトのライターが、お葬式の経験もないまま記事を書いているケースが多いんです。
マスメディアの問題
では、新聞・雑誌・テレビなどの既存メディアはどうでしょうか。最近は終活ブームで葬儀の特集も増えていますが、ここにも問題があります。
メディアは実務経験のある葬儀社ではなく、「ニセ葬儀のプロ」と呼ばれる人々の話を取り上げがちです。この人たちは実際の葬儀経験がないにもかかわらず、専門家として間違った情報を発信しています。
なぜこういう状況になるかというと、メディア側が「葬儀社は信用できない」という先入観を持っていることが多いからです。私も取材を受けた経験がありますが、葬儀社に対してネガティブなイメージを持つ記者は少なくありません。
葬儀社側の問題
今はインターネットがあるのですから、葬儀業界の現場のスタッフが情報発信すればいいのですが、不十分です。
- インターネットに不慣れな葬儀社が多い
- 日々の業務で精一杯で情報発信する余裕がない
- 消費者視点が欠けている
以上3つの理由が考えられます。
特に3つ目の「消費者視点の欠如」は重要な問題です。
多くの葬儀社スタッフは、実は喪主の経験がありません。
つまり、自分が販売している商品(お葬式)を購入したことがない人が大多数です。
体力的にきつい仕事なので、20~40代の若い世代が中心だからです。
これは車を買ったことがない自動車販売員、ホテルに泊まったことがないホテルマンのような状態です。このため消費者視点が欠落した情報が、混じりやすくなります。
以上の状況のため、消費者に正しく役に立つ情報が届かないのです。
この記事では、良いお葬式をするためにすべきことを述べています。
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