最近プレゼンテーションに関する本を何冊か読む機会がありました。
そこで思ったのですが
良い葬儀屋はプレゼンテーションがうまい、と思うのです。
プレゼンテーションが下手な人は
葬儀屋としてもイマイチっていうのも成り立つかな(^^;)
なぜ良い葬儀屋はプレゼンテーションがうまいのか
理由は3つ。
プレゼンでまず大事なのは聴衆が何を望んでいるか理解すること
つまり聴衆(=お客様)の気持ちを考えること。
これって葬儀屋に必要不可欠な能力ですよね。
次にプレゼンには
自分の言いたいことをを分りやすく説明する能力が必要
ですよね。
葬儀屋さんは葬儀を経験した事のないお客様に対しても
説明を行なっているわけですから
ものごとを分りやすく説明するスキルに秀でているはずですよね。
そして良いプレゼンターになるためにはプレゼン(=人前で話す)経験を
積む必要がありますよね。
良い葬儀屋さんは
式次第の説明とかお手伝い係への説明とか司会とか
人前で話すことは慣れていますよね。
つまり
良い葬儀屋さん→プレゼンがうまい
という因果関係があると思うのです。
それから良い葬儀屋さんとマッキンゼーのコンサルタントって
プレゼンがうまいってことと
寝ないで働くっていうのは共通してますね(^^;)
葬儀セミナーで葬儀社を選びましょう
葬儀社を選ぶことって、良い葬儀するために最も必要なことの一つなのに
なかなかちゃんとした葬儀社の選び方って世間に出回っていない、
そう感じて葬儀社の選び方というカテゴリーを作って情報を発信してきました。
プレゼン能力の良し悪しは
良い葬儀社の選び方としても使えます。
つまり
「主催している葬儀セミナーの良し悪しで判断しよう」
です。
葬儀屋さんが主催する葬儀セミナーの講師ってその葬儀社の中で
プレゼンテーション能力が最も秀でている人が担当しているはずです。
その人が聴衆に対するホスピタリティ能力が低かったり
説明能力が低かったとしたら
当然その葬儀屋さんの行なう葬式もレベルが低いということです。
最後方の席に座ると、スクリーンの文字が読めない大きさだったとしたら
それだけで、その葬儀社に依頼すべきではありません。
最近はどの葬儀社も右にならえで葬儀セミナー始めましたから
葬儀セミナーの採点結果で葬儀屋さん選んじゃっていいと思います。
終活セミナー体験記
参考までに、以前聴講者として参加した終活セミナーのレポートを、掲載します。
葬儀屋紹介業を数年前から始めている某小売り大手のイオンさんの終活セミナーに
勉強のためにいってみたら
いろいろアラが目に付いたので
上から目線で(^^;)で指摘してみた、
という記事です。
普段終活セミナ-の講師をやっている方のお役に立つかもしれない
と思ってアップしてみました。
以前の話なんで、現在は改善されているかもしれません。
某日近所、(っていっても電車で30分かかりますが)で
終活セミナーが行なわれていたので
行ってみました。
ショッピングモールの一角のイベントスペース?で行われていました。
30分ごとにいろんなテーマでセミナーをやっているみたいですが
私が聞いたのはお葬式がテーマのセミナー。
講師の男性は小売り大手の所属の人らしく
どうも葬儀屋さんではなさそう。
契約葬儀社の何社かはお葬式の個別相談コーナーを
担当しているみたいです。
さてセミナーが始まる数分前に行ってみると
十数名の聴衆が既に座っていました。
私も座ろうとしたのですが、残りの席には日光が降り注いでおり
帽子を被ってスタンバイ。
ここはプロジェクタースクリーンの位置を変えて
座席も日陰に移した方がいいんでは。
セミナー始まると
音声がちょっと聞き取りづらい。
講師が早口なのと、語尾が消えるしゃべり方なのと
買い物スペースにも音声を流そうとしているのかスピーカーの音が大きすぎて
反響が大きいせいでしょう。
スピーカーの配置が講師の真後ろなのも影響していると思われます。
次回からは配慮を。
ではまず
講師の技術的な指摘から。
ノータイノージャケットだったけど
私がセミナー講師をするときは必ずスーツでタイドアップします。
落ち着いた感じ、信頼感、説得力を出すために、
ダーク系のスーツ、ホワイトのシャツ、ネイビーのネクタイです。
葬儀業務って信頼が第一なので
リラックス感よりもちゃんとしていることを優先させます。
次に上体を無意味に動かしすぎです。
落ち着きが無いと見られると信頼性が低下しますし
そもそも聴衆にはノイズになります。
指し示しのアクションを行ったとき映えません。
とはいえ指し示しのアクションを行ったとしても
スクリーンから2メートルほど離れてしゃべっているので
そもそもお客さんの視線を誘導できていません。
多分PC本体を操作したいからなんでしょうけど
ワイヤレスマウスを使用することを薦めます。
それからしゃべりが一本調子でメリハリがないのが気になりました。
「間」も全然使っていないです。
おそらく講師に言わせれば30分の制限時間で喋らなきゃいけないから
ということになるのでしょうが、
そんな事情は聴衆にとってみれば関係ありません。
葬儀の現場に身を置いている葬儀屋なら、
疲れているから、時間が無かったら
そんな言い訳はお客様のダメ出しの前では何の意味ももたないことを知っています。
次にセミナーの構成。
先ほど述べたことにつながりますが、
やっぱり詰め込みすぎでしょう。
テキスト量が多すぎます。
それでなくとも聴衆は高齢者の方が多いんですから
恐らく伝わっていないでしょう。
引き算の美学が必要です。
どちらかと言えば後半の自社プランの説明を削ったらどうでしょうか。
豪華なパンフもあるわけですし、個別相談のブースもありますしね。
それから30人の家族葬の香典を45万!と見込んで
葬儀費用75万-45万=実質30万
という詭弁はやめるべきです。
葬儀が終わってからやっぱり香典返しも必要だと、
自社の商品を薦めるつもりなのですよね。
そもそもいくら身内が中心だとしても
30名で45万円の香典を見込むのはちょっと無理があります。
福祉葬祭さんがアピールしている香典葬と同じ欺瞞を
天下のイオンが行うべきではないでしょう。
あと重要なことですが
聴衆に次のアクション(葬儀の場合は事前相談や入会)を
起こさせるのがセミナーの目的だとすると
ちょっとアピールが不十分だと思います。
契約書をちゃんと書くのがうちのセールスポイント、っていうのは
弱いかな。
最近はどこもちゃんと見積書を書いていますからね。
でもこのショッピングモールに来ているっていう段階で
囲い込みは終わってるってことなのかも。
それから葬儀屋である私の意見ですが
セミナーの中で
イオンの葬儀が安い理由を説明するロジックの一つとして
イオンが葬儀を葬儀屋さんに紹介する
→稼働率の低い自社式場の回転率が上がって空きを埋めることができる
→安い金額で葬儀を提供できる
ってことを述べていました
イオンさん側からみればそういう理屈なんだろうけど
葬儀屋さんからみると、
葬儀って航空機の空席やホテルの空室の理屈とは違うんです。
航空機やホテルは空きの量に関係なく固定費は一定ですが
葬儀は件数が増えるとそれに比例してマンパワー増やさないといけないんですよ。
それにイオンの紹介先の葬儀屋さんには、自社の式場を持っていないところもたくさんありますよね。
葬儀屋の経営者としてはイオンさんが言っているようなそんな単純な話じゃない、
ってことです。
あとプレゼンデータの件です。
消費者庁に摘発されたやまとセレモニーのパンフレットを
出典示さないでそのまま使ってたけど
これはセーフなのかな?
もしかすると消費者庁の資料を
そのまま使っていたのかもしれないですね。
それはそれでどうかと思いますが。
それから余談ですけど紹介件数は年間6000件らしいです。
意外とやってますね。
ちなみにこのセミナーのあとは
某大手仏壇・墓石店の講師だったけど、
うーんこれはどこから指摘していいのか分からない(T_T)
中座しました。
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