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0葬(ゼロそう)は可能なのか調べてみた




島田裕巳氏の提唱する0(ゼロ)葬が可能なのか調べてみました。
ゼロ葬とは島田氏の提唱する
直葬後、火葬場に遺骨全部置いて帰ればいいじゃん
という埋葬方法?のことです。

この本の中では

多くの火葬場では遺骨の引き取りが原則とされていますが、
場所によっては引き取らなくても構わないところがある。

と書かれています

どこならOKか書いてほしいのですが・・・
もしかしていつものごとくフィールドワーク(現地調査)抜きの
聞き書きをやっているんじゃないかという疑惑が。

というわけで0葬(ゼロ葬)は実際に可能なのか調べてみました。
炎1

遺骨を全部持って帰らなければいけないルールの
東京、神奈川、千葉エリアは不可能。
だいたいこういうところは火葬場規約、もしくは火葬場運営に関する条例に
「遺骨を持って帰りなさい」の文言を入れています。

では遺骨を一部だけしか持って帰らない習慣の大阪市内の火葬場はどうなのか?
直接電話して確認してみると
遺骨を全て置いて帰ることはOKとのこと。
(後でいろいろ言わせないため)誓約書は書いてもらうが
特に追加料金を取ることなく遺骨を全部引き取るらしいです。
なるほど。0葬は可能だ。
ただ大阪市内の人はいいけど、
関東で亡くなる人の場合は?
大阪で火葬しないといけない
ということになるんでしょうか。

仮に東京で亡くなった後、関西で火葬して0葬を実行するとします。
ここで費用をざっくり試算すると
A 棺やドライアイスなど葬儀屋さんに支払う費用 約20万円
B 大阪市の火葬場の市外料金(霊安室使うかもしれないが除外)   6万円
C ご遺体の移動費
(陸路の場合)
東京~大阪まで遺体搬送用車両で移動した場合の料金 30万円
(途中空路を使う場合)
病院→羽田→伊丹→火葬場  約10万円
<コースや時間帯により若干変動します>

ということになり空路使用でも総額
20万+6万+10万=36万円もかかる
ということになります。

ちなみに都内で
火葬だけした後、海に散骨するパターンだと
A 棺やドライアイスなど葬儀屋さんに支払う費用 約20万円
B 都内の公営斎場を使用したときの一例として臨海斎場を市外料金で使用すると   7万円
(港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区 の住人だと 34,500円)
D 散骨に立ち会わない合同散骨の場合   10万円
ということで20+7+10=37万円

関西で0葬した場合とほとんど変らないですね。
それに遠方で火葬すると移動時間の不確定要素や同行者の負担等が増えますから
結局、0葬をがんばってするくらいなら
都内で直葬+散骨する方がいいかな、という話ですね。

じゃもうちょっと近く、ってことで名古屋ならどうか、ということで
名古屋市内にある八事斎場にきいてみたところ
ここでも大阪市と同じで0葬は可能
ということが判明。

同じく東京で亡くなった後、名古屋で火葬して0葬
行なった場合の費用をざっくり試算すると
A 棺やドライアイスなど葬儀屋さんに支払う費用 約20万円
B 名古屋市の火葬場の市外者利用料金(霊安室使うかもしれないが除外)   7万円
C ご遺体の移動費
(陸路の場合)
東京~名古屋までの寝台車料金 20万円
(途中空路を使う場合)
病院→羽田→中部空港→火葬場  約10万円

ということで20+7+10=37万円
うーん、あんまり変らないですね。
中部空港着いてから名古屋市内まで陸路が長いんで
大阪まで行く場合とそんなに費用が変らないのが原因ですね。
ちなみに大阪のケースも名古屋のケースも
首都圏で火葬して遺骨だけ持っていって引き取ってくれない?
というのはもちろんダメとのことです。

では関東圏の火葬場が今後遺骨全引き取りを認めるかどうか、
ということですが
私は望みが薄いんじゃないかと思います。
なぜなら全骨持ち帰りの文化があるということが一つ。
(そうなった背景はこの記事を参照: 東西の収骨の違いについて
それから首都圏は特にゼロ葬希望者が他エリアよりも多いことが予想されます。
となると火葬場は処分に関わるトラブルのリスクが高まることと
遺骨処分のコストが高まることを嫌がって、
(それでなくとも自治体にとって火葬は予算を食う存在なのです)
全骨引き取りはやらないと思うのです。

というわけで結論としては
大阪や名古屋の人は0葬可能です。
しかし首都圏の人にとって0葬は現実的ではない
ということです。
追記:関東近県の火葬場で0葬可能な火葬場を御存じの方は
情報をお寄せ頂けると助かります。











21 件のコメント

  • 私のところでは可能です。でも大きい問題はそこではなく、その方法、身内や親族に理解を得れるか?です。島田さんがもう少し認知されないと無理です。
    その場合に火葬場に置いて帰る、お寺の合同墓地、散骨を天秤にかけると
    お寺の境内に眠るという付加価値が勝っています。島田さんの言い分で説得するのは日本の風土においては共産主義は少ないので無理があると思います。
    最近では薄れてきましたがお天道様が見ているという気持ちは日本人からは
    切り離せないと思います。

  • かかし様
    勉強不足なんでよく分からないのですが
    唯物論の宗教学者って成立するんですかね?

  • なるほど!!島田さんは唯物論者の宗教学者なんですね。なかなか言い得てる肩書きですね。

    矛盾した存在か、新しい宗教観なのか

    ポジショントーク。

  • 岡山県玉野市は「葬儀は市の行政サービス」であり無料ですが、玉野市役所のHPで
    公開している葬儀セットは少々わびしい感じが。(無料なので仕方がないが)

    これ以外では、浦和市が最強でしたが「さいたま市誕生」に伴い消滅しました。
    浦和市社会福祉協議会では助葬事業の一環として、棺と骨壺の廉価販売と
    遺体搬送車両の無償貸し出しをしていました。
    棺は 4,500円、骨壺が 1,500円であり、ワゴンタイプの車両が市内は無料です。
    加えて市営火葬場の火葬料金は市民無料、遺体保管料(冷蔵庫)は 500円/日。

    そのために、市民が市内の病院で死亡した場合は、社協に行って棺と骨壺を
    購入して、車を借りて病院へ向かい遺体を引き取り。
    その後、市営火葬場に向かい遺体を棺に納めて冷蔵庫へ保管。
    翌日に火葬を行えば「総額 6,500円」(ガソリン代は無料)
    直送が 6,500円で出来て、葬祭費給付を受けると「病院費用もチャラになる」との
    計算でしたが、大宮市、浦和市、与野市の合併により誕生した「さいたま市」では
    火葬料金を 7,300円と制定して、社協による助葬事業は「民業圧迫」(葬儀業者に
    対し)との考えから廃止となりました。

    直送 6,500円では、「直送で生きる葬儀社は、死にます」。
    さいたま市は「葬儀社抜きで出来た直送を出来なくしました」(当時の市議には
    葬儀社社長もいた この先生は反互助会活動をしていましたが自身が縄者に
    なり終わったとのオチがあります 互助会がタレこんだ?)。

    島田先生にも、「この辺りの経緯も書いてもらえると、面白い本が出来ます」。

  • その通りです。
    市内の病院(市民病院等)で死亡すると、家族が社協に連絡。
    場合によっては病院のケースワーカーから連絡。
    指導届を市役所に提出して、火埋許可書交付を受けて社協へ持参。
    そこで、6,000円を支払い棺、骨壺を受け取り、寝台車を借りて、自らが運転し病院へ。
    この間に、社協から市営火葬場へ連絡が入り、遺体保管と火葬の段取りを。

    病院へ到着後は前述の通りです。
    今風に言えばセルフ葬で、これは古くからあり「今でも社協が助葬事業を行っている
    地区は沢山あります」。
    特に、消滅可能性都市では民営葬儀社の対応が悪いために、社協が関与する
    事案も多く見られています。
    物理教師さんの様に「都市型葬儀屋さん」とは別の世界ですが、過疎地であれば
    より葬儀屋さんの公益性が高いのですが、商売としては成り立たずです。
    私の方にも、「社協の葬儀」(事業化している社協名)の名称を公開しています。
    基本的には家族や集落で葬儀をするので、セルフ葬やDIY葬なのかも知れません。
    浦和市の社協は祭壇貸し出しが無かったので、「直葬」との考えです。

  • prof様
    これって遺族自身が行なうと言うより
    近所の世話好きで経験有りのおじさんが買って出てるっていうケース
    が結構あるんじゃないでしょうか。
    地縁があるところで成立しているのもそんな背景があるとか?

  • 国内で葬儀を行う特殊な団体としては、岡山県玉野市役所、各地の社協、
    あらい商工会(長野の商店街組合)、そして社会福祉法人である「東京福祉会」。
    東京福祉会は今では高齢者福祉も行っていますが、元々は社福 助葬会。
    葬儀を行う公益法人で恩賜により江古田を拝領しました。
    江古田には煙突があり(今はないはず)、「散々お世話になりました」。

    こちらであれば東京でも廉価(年間 3,000円)で遺骨を与ってくれます。
    年間 3,000円であれば、「ほぼ0葬」では?
    http://www.fukushikai.com/reienjigyo

    各地の社協は今でも、「昔の葬儀屋(貸道具屋)」的な感覚で、道具や棺、
    遺体搬送車(多くはクラウンバン)の貸し出しや廉価提供があります。
    そもそも、セルフ葬が旧来の葬儀形態であり、北海道では「棺を自作する地区」も
    有りますので、DIY葬儀も旧来からありました。
    葬儀は「村八分」でも例外であり、近隣が手伝い行った地域共同行為でした。
    その意味では、地方には未だに「この習慣」が残っている地域もあります。

  • 横割り失礼いたします。

    かつてさいたま市「ひかり会館で棺を買いセルフ葬」みたいなブログ記事をみました。しかし、今ではひかり会館での棺廉価販売自体が無くなっています。

    浦和斎場ででは個人予約は普通に受けているようです。予約システムの
    関連はわかりませんが。私がすっとぼけて問い合わせをしたら優しく
    説明をしていただきました。火葬炉のサイズと棺のサイズの関係や、
    市民外は高くなることと、予約時間枠で不利になることなどです。

    馬込斎場では今でも棺(1万円弱)、骨壺(2000円台?)、霊柩車
    貸出をしていて、個人申込も頻繁にあるそうです。

    因みに臨海は丸受け業者なのでいやいやセルフを受け、瑞江は事務は丁寧、
    セルフの注意点を教えてくれました。戸田は冷たく「個人は受け付けません!」
    落合は「受けておりません」・・でもH善本社に問い合わせたら、入口までしか
    行きませんが受けるようなことを言ってましたよ。勘違いかも知れませんが。

    群馬の前橋ではあんしんサポートさんという葬儀社さんがあり、
    何とついこないだまで5万円で直葬をやってましたが、今は8万9千になりました。でも、散骨する格安パックもあります。都民パックもあります。

  • 連投失礼します。

    群馬前橋のあんしんサポートさんの都民パックは、
    事前入会が原則ですが、19万8千円+往復有料道路料金+入会金3000円
    です。但し、家族負担額の軽減等代表理事さんの考えに賛同しないと無理かもです。

    1.都内で死去・・・前橋から迎え、前橋まで搬送
    2.前橋に安置・・・あんしんサポートさんのあんしん館にて安置
    3.火葬・・・・・・前橋市営斎場市民外にて
    4。散骨・・・・・・全部散骨、一部散骨・手元供養、一部永代供養・散骨あり

    全部込みで上記の値段です。火葬場がダメなら、葬儀社が頼りですね!

  • 浦和は未だに受けているのですね。(大宮も受けている可能性はあり?)

    「あんしんサポート」は典型的な他業種参入組です。
    元々は、美容師で美容院を営んでいましたが、客の女性とNPOの形で葬儀を
    施行するようになり、他に自動車担当の男性1名の計3名(今は増えているかも)で
    行っており、「葬儀経験なしでの参画ですが、地元紙や地方局でとりあげられ」、
    前橋や高崎辺りでは知られてきました。
    葬儀業自体が、学歴や経験、資格や届け出、許認可や報告が必要ではなく、
    経験や知識が無くても出来ることから成り立ち、青ナンバー車取得をすれば
    出来てしまうとの「業態の弱さが露見」した事案です。

    >家族負担額の軽減等代表理事さんの考えに賛同しないと無理かもです
    確かに、その観はあり得ます。
    事務員の女性(美容院の元客)と代表理事(美容師)と話したことがありますが、
    「独自の考えを持っている」のは明らかです。(色々な意味で)
    良く言えば「染まっていない」、悪く言えば「ポリシー優先」でしょうか。
    しかし、確実に数を上げているのは事実であり、「葬儀社自滅時代の寵児」です。

    分類としては「亜型」のS社タイプ。
    同型、同タイプとしては下記も。
    http://so-gi.com/

  • prof様
    確かにいい人だとは思うのですが
    遺族の前で釣りに行くような服装はいかがなものかと。

  • 難しい部分もありますが、和食や寿司の板前は「白衣の下に白のYシャッと
    ネクタイを着用」しています。(高級店ではなく、回転すしレベルでも)
    仮にTシャッやランニングでも「味は変わりません」が。
    サービス業との自覚があり、客に対する「礼儀」と考えれば納得です。

    葬儀をサービス・ビジネスと捉えれば「自ずと相応しい恰好」が。
    中国の葬儀職員は「服務意識が希薄なため」に、ジャンパーやポロシャツが多く、
    スーツにYシャッ、ネクタイは未だに少数派です。

  • ゼロ葬式 ゼロ墓だと10万円ほどしかかからない

    今の時代はゼロ墓 ゼロ葬の時代

    少しでも増えますように。

  • ピンピンしてる親とそりが合わず、最近こんなことばかり考えています。介護の手間も飛び越えて。
    本人にはもう2年会ってません。
    上の記事が正しければうちは0葬可能な地域だそうなので、そうしようと思ってます。

    うちは女の子が一人だけなので私の代で苗字が消えることはほぼ確定です。婿を取るほどの家でもありません。父親が死んだときにうっかり墓を買っちゃったせいで墓じまいの手間は残ってますが、これ以上子供に世話をかけたくないです。もちろん私も0葬儀でいいです。

    島田さんの0葬がどこまで省くのかわかりませんが、親族だけでの告別式はやるつもりです。そんなのはたいして手間じゃないし、気持ちの整理はつけたいので。
    ただお骨は何十年にもわたって手間があるものなので発生させたくないです。

    全国的に、また国民感情としても選択肢が広がるといいですね

    • ぱるな様
      コメントありがとうございます。
      >親族だけでの告別式はやるつもりです。
      この場合、親族に承諾をとっておいた方がよろしいかと思います。
      おそらく多くの方は感情的に受け入れられないかもしれないので。

  • 埼玉県狭山市です。狭山市企画葬儀というのが一式97200円でありますが指定されている葬儀屋に行って尋ねると一式の内容の殆どが使い回し可能な祭壇や飾り、幕、提灯等で、直葬やゼロ葬を望む人が使えるのは棺桶と骨壷くらい(他は使わなくても一式の値段は変わらない)一式には搬送車やドライアイス、火葬場が混んでいた場合の安置料金、等は含まれず別料金なので、結果高くとのこと。
    生前に懇意な葬儀屋さんに直葬に必要な最低限必要なものだけをオプションて頼んだ方が安いようです。葬儀屋さんの利益は減ってしまうかもしれませんが、生前予約して必ずその葬儀屋さんを利用するようにすれば、少しは利益確保になるでしょうか?友の会とか入って、「ドライアイス、安置半額券とか貰って、ちょっと嬉しいです。

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