大学教授の葬儀系の記事が眉唾な件

神戸国際大学教授 の中村智彦氏の葬儀業界に関する記事が掲載されました。
終始よくわからない趣旨なのでおそらくやっつけ仕事なのでしょう。
とはいえ私のブログ記事のネタとしては「おいしい」のでちょっとからんでみます。
驚いたことに、トランクルームに預けられている荷物の中に、位牌(いはい)や骨つぼに入った遺骨が見つかることも多いという。
これ以降「ある貸倉庫店の店長」から聞いた、文末の「という。」を連発したエビデンスを一切示さない文章が続きます。

 

貸倉庫に遺骨放置が多いってホントでしょうか?
現場の人間の感覚としては、違和感があるのですが・・・
いてもかなりの少数派ではないかな。
無縁仏

そもそも倉庫に置き去りにするくらいなら、最初から位牌を作ったり遺骨を受け取ったりしないのでは。
仮に途中からいらなくなったとしても、倉庫の借り主としての個人情報がばれている手前、放置しないで処分する方法はいくらでもあるはず。

当然倉庫に遺骨置き去りが「増えている」ことを示すデータの紹介は全くありません。
ここで、もし倉庫に遺骨の置き去り事例が増えているなら、もっと「簡単」な電車内放置はさらに増えているのではないか、と仮説を立てて調べてみました。
結果として経年増加を示す資料はなし。
ただしこの記事によると読売新聞には
2012年に九州圏で16個、近畿・四国圏で27個、警視庁管内で10個の骨壺の遺失物があった。
という記事が掲載されたとのこと。骨壺≒遺骨とみていいでしょう。

 

2012年には、東京の年間死亡者数109,651人という状況で電車内の遺骨の遺失物はたったの10件しかなかったのです。
(もちろんこの年に亡くなった東京の人の遺骨が放置されたというわけでは必ずしもありませんが、ざっくりとしたイメージとして)
そもそも忘れたのではなく本当の遺棄となるとその数はもっと少なるはず。
となると貸倉庫の
会社の保管室には数多くの位牌や骨つぼが並んでいる
というのはますます眉唾っぽくないですか?

 

おそらく世の中が薄情化しているという結論ありきで、その事例として挙げたかったのでしょうが、説得力を欠いています。

そこらへんのライターならともかく、学者なのですからもう少し根拠のある文章を書くべきです。

(追記)
御本人と思われる方からコメントをいただきました。
併せてお読みください。




11件のコメント

中村先生は、「会館建設地の周辺との調整の難しさ」と書かれています。

しかし、現在新たに葬儀場が造られる(今月中旬に工事開始)場所で、「新しい試み」を
行っています。
隣接や近隣、自治会では「絶対反対」との姿勢を示していますが、「反対の看板1枚、
反対の幟旗1本、反対ビラ1枚、反対署名1筆すらありません」。
これが「新しいシステム」であり、「静かな反対行動」と考えています。

工事が始まっても、共産党議員や住民による工事現場前での「シュプレヒコール」も
しません。
その代りに、「建築と施設管理、葬儀施行には住民側の意見や要望を聞き入れる事」を
条件として、「ネガティブ作戦はしない」との Barter trade を行います。
これは、私が現地を見て、住民の話を聞き、建築関係の図面を見て、対象業者の
業態を考慮して「条件を出して、双方の調整を行います」。

これにより、「敗者のいない結果」を造り上げて、双方の受け入れと妥協の元に、
安定した社会環境と葬儀業の運営を行わせます。
中には、「何が何でも反対、造らせない」との住民や、「住民の意見など聞く必要がない」
とのヤンチャナ業者もいますが、この手の場合は「紛争してドロ沼状態」です。
今回は、関東で調整をして negotiator をしていますが、伊豆の件は「双方が譲らず」に
ドロ沼となっています。(あの状態では negotiator の仕事は不可能)

今後、新たな斎場等を造る場合は、「絶対に強硬な態度や威圧的な態度」は避けなければなりません。(本来、農耕民族で集団主義の日本人は、調整が容易)
そして、St.ジョーンズの口座に振り込みがあれば直ぐに出向いて、「解決」です。

prof様
> Barter trade を行います。
ホントにこれが正解だと思います。

「独り勝ちをさせずに、敗者も造らない」ためには、双方が納得できる第3者による
Barter trade が最も良い結果を生んでいます。
4日も住民側の「マトメ」をしてきましたが、あとは業者側がどこまで受け入れるかです。

「看板や幟、ビラや署名、工事現場前での集会」等は、双方にとって精神衛生上も問題。

ご意見ありがとうございました。
残念ながら、実在する貸倉庫業の方にお話しを聞いてのものです。ただ、そうしたことが明らかになると利用者に影響するので絶対に特定されないようにとの条件を付けられました。
ちなみに私は世の中が薄情化しているということで書いたのではありません。ご理解いただけなかったの私の文章力のなさだと反省しております。

そもそも倉庫に置き去りにするくらいなら、最初から位牌を作ったり遺骨を受け取ったりしないのでは。>> 仕方なく遺品を引き取らざる得ないという立場の方が増えているのではないでしょうか。私の周囲にもそういった事例が増えていますが。

仮に途中からいらなくなったとしても、倉庫の借り主としての個人情報がばれている手前、放置しないで処分する方法はいくらでもあるはず。 >> そうでしょうか。転居されたり、転職されてしまっては民間企業にとって、それ以上、調べることはできません。近年では個人情報法の関係で、そう簡単に職場などに連絡しても新たな連絡先なども教えてもらえません。かといって、探偵社などに調査費用を払うほどのこともしないです。

お答えになったか判りませんが、こちらも関係している方には、お話を聞いておりますので、ご連絡差し上げました。

中村智彦 先生

はじめまして
大学の方へお電話を致しましたが、27日まで夏休との由でご連絡が出来ませんでした。

さて、倉庫事案に関しましては「遺体は違法ですが、遺骨は微妙、位牌は合法」であり、
倉庫業法としては問題はありませんが、「占有者離脱」と判断が出来ると考えます。
そのために、官報及び新聞1紙に「告知を行い処分(供養)」が最善策かと思います。
しかし、これらの費用は倉庫保有者持ちであり、「業としてのリスク」はあります。

現在行っている「Barter trade作戦」の報告です。
9月4日に住民集会に呼ばれて提出した「住民側要望」を住民責任者が纏め、
9月5日に業者側に送達を行い、本日9月9日に業者側責任者が回答文書を
住民側責任者宅を訪れ、手渡しを行う予定です。
私も本文は読んでいませんが、住民側要望も「ムチャナ物は無い」ので、
「ほぼ全面に付いて受入」と思います。
受入内容を確認しますが、9月16日からの工事開始は「Goを出します」。
住民や行政が「prof盾」を持っていることを業者側も認知しており、双方が無血開城。
今議会への請願、一般質問、指導要綱施行も「工事完了まで止まります」。

昨日の「カンブリア絡み」で。
日比谷さんが大阪に家族葬斎場を建設しようとした時に、反対運動が生じました。
しかし、この反対運動は「純粋性を欠く行動」であり、失敗をしました。
反対派(住民と自治会)は「ミカジメ料」(1件施行毎に自治会にカネを払え)との、
大阪ぽい要求をしていましたが、日比谷さんはこれを「拒否」(当然です)。
「カネが獲れない」と分かると、反対運動は消滅しました。
数年前の群馬県みどり市事案も、「自治会へのカネの支払い」で終結をしましたが、
あの判断は「間違いと思います」(業者側の問題もあったが)。

Prof 様 
ありがとうございました。
参考にさせていただきます。

中村智彦 様
お忙しいところコメントを頂戴いたしまして恐縮です。
(コメント頂いた旨本文追記箇所に記載させていただきました)

(良く言われますが)キツめの文体で失礼いたしました。

>ご理解いただけなかったの私の文章力のなさだと反省しております。
いえ、文中には、情が薄くなったことだけが原因ではないという主旨の記述がありますので、中村様の文章力の問題では全くございません。

ご指摘いただきましたこと
改めて御礼申し上げます。

数年前、レンタルスペースに照準をあてた報道番組にて、金額滞納の遺骨放置は見ました。
自治体によっては遺骨放棄を認めない自治体もありますから、やむをえず受け取ったケースや、あとは所持者の甘さというか、「遺骨なら勝手に処分しないだろう。余裕ができたら取りに行こう」というという発想なのかもしれません。
数年前に、寺院墓地を放置し、継承者と連絡が全くとれないためにお寺が更地にした後、勝手に処分するとは永代使用料を返せ、遺骨を弁証しろ、といった裁判をみたような。
正直、この継承者は何をしているんだとは思いましたが、同じような発想かもしれませんね。

下記の手続きを行い、処分をします。
https://www.gov-book.or.jp/asp/Koukoku/GenkouItemEntryTop/?op=1&id=16&pid=2

各自治体では宗教法人(基本的には仏教寺院)と契約をしており、身元不明の
遺骨を供養(合祀または個別保管)をしています。
レンタル会社から寺院に頼むと費用が必要ですが、区役所等を通せば無料に
なる場合もあります。(定款に遺骨等はダメと記載があれば)

遺骨がなければ「勝手に処分」が可能ですが、遺骨は「法令があるのでダメ」。

幸せ枕様
コメントありがとうございます。
>金額滞納の遺骨放置は見ました。
そうなんですね。意外とあるんですかね。

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