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火葬料金の高価格化を擁護します




都内の某民間火葬場のリニューアル案が葬儀業界内で話題を呼んでいます。

現状をご説明しておきますと東京23区内には火葬場が9カ所あり、
そのうち公営は2カ所だけで残り7箇所は民間企業が運営している、というのが都内火葬場の特徴です。
まもなく7カ所の民営斎場の1カ所がリニューアルオープンするらしいのですが
その内容とは?
炎キャプチャー
まだ詳細な情報は入手できていないのですが、

A大規模な安置施設ができる
B超高級火葬炉ができる

ということらしいです。

Aは当然でしょう。
死亡者増加による火葬炉不足が叫ばれていますが
(実態はマスコミが言っているほどではありませんけどね)、
実は都市部では火葬までの安置場所不足も同時進行していますから。

問題はBの方。
民営火葬場には火葬炉のランクがあるのですが
今回のリニューアルではこれまで最も高かった177,000円の火葬炉が無くなり
そのほぼ倍額の350,000円の新しい超高級火葬炉ができるらしいのです。
最も安い火葬炉が59,000円なのでその高額ぶりが分かると思います。
そのかわり食事のできる控室をつけて、一日の火葬炉1基あたりの受入件数を半分に抑えるラウンジ的な運営を目指しているようです。

ここで業界内からはちらほら聞こえ始めたのが
火葬炉不足と貧困化が進んでいるのに、これはやっちゃダメだろう
という批判。

気持ちは分かります。
しかし私はこの民間火葬場のやり方を擁護します。

なぜならこの火葬場は上場している出版社の連結子会社です。
であるならば上場企業として株主のために利益の最大化を目指すのは当然のことです。
・100%の消費者が必要とする商品(火葬)を持っていて、
・独占状態で価格弾力性がほぼ無い(いくら値上げしても消費者は購入せざるを得ない)
・行政の指導も入らない(以前複数の民間火葬場が火葬炉の値段を同額に値上げするというカルテル行為としか思えないことを行いましたが黙認されました。業務停止にでもなったら困るのは行政の方であり、力関係は明かです。)
という現状です。

利益を増やせる条件がそろっているのにそれをしないのであれば、むしろ株主に対する背任行為です。

私の今回の意見は感情的な反発を招くかもしれません。
しかしこれが良くも悪くも株主資本主義のルールです。
私の言っていることは株取引をやっている方、もしくは橘玲氏の著作を読んでいる方ならご理解頂けると思います。

問題の本質はこの火葬場にあるのではなく
最も公共性の高い事業を上場企業に任せている状況(23区内の火葬の70%を行っている)にあります。

この状況を改善するにはエネルギー産業のようにある程度法律で行政のコントロール化におくか
健全に競争原理を働かせるかのどちらかしかありません。
前者の場合、実際の価格統制はなかなか難しいようです。
そうなると後者が有望ですがそのためには、行政もしくは他の営利企業が、火葬場をバンバン作る必要があります。
そうすれば火葬炉不足も解消され、市場原理が働いて火葬料金も下がるでしょう。
ではなぜそれができないのでしょうか?

それは火葬場建設候補地の地域住民が反対するからです。
大田区の臨海斎場は反対運動を避けるためかなり辺鄙(へんぴ)な場所に作られました。

現在の不健全な状況は
「火葬場使わせろ、でも近所には作るな」
という消費者の態度(NIMBYと呼ばれています)が生み出しています。

つまりこの現在の状況に問題が有るとしてもそれが消費者の「民意」なのです。
残念ながら。

よって私は火葬料金の値上げを擁護します。

ただし今回この火葬場が批判されるべきところがあるとしたらこの部分。

火葬炉搬送が自動化されスモークやライトアップの演出

まさか本気じゃないですよね?

誰か止めてあげて!











6 件のコメント

  • 葛飾区はまだ、規制を入れませんので(工事が終わるまで)。

    東京都区内(23区内)の火葬行政は特殊であり、私としても「書けない部分」が
    あります。
    都庁としても「今までの経緯があり」、今さら「行政が行う」とは言えないのが本音です。
    しかし、これに伴う「弊害」も皆無ではありません。
    ご指摘の通り都区内火葬場は9施設であり、7施設は「時刻表系」であり他の1施設は
    「廃棄物系」です。
    そして、広域区組合の臨海斎場、その他が東京都庁外郭団体の瑞江となりますが、
    分類としては「瑞枝は民間企業」と役所的にはなり、民間8、公営1と考えています。

    この中で問題なのは「休館日」であり、時刻表と廃棄物、公園は「年末年始と友引」、
    臨海斎場は「年末年始」(友引も火葬)だけです。(友引日の火葬率も高い)
    「火葬待ち10日」等とテレビでは騒ぎますが、友引も火葬をすれば改善も。
    因みに、国内で1番の八事(名古屋市)は火葬炉が47基もありますが、休みは
    年末年始と友引日の50%程度であり、年間で休館日が60日程度です。
    民間火葬場が年末年始+友引日の休み(多くの公営火葬場も同じ)なのは仕方が
    ありませんが、「身元不明や引き取り拒否の遺体を、友引日以外に火葬する必要性も
    希薄」とも言えます。(仏教的には分かりませんが、火葬行政としては)

    料金に関しては都区内2社(公園を除く)と三多摩唯一の民間の1社が
    「全く同じ価格」なのが少々気になります。(たまたま、偶然と信じていますが)
    実際に、最も下の価格の火葬では時刻表系の「施設維持、利益はキビシイ」のは
    事実であり、国や行政の補助(遺族側への火葬費補助)とのかたちで補填が
    最善の策です。(葬祭費等)
    しかし、家族への支給額は限度があるために、「選択出来る価格メニュー」を
    用意してくれれば、上限は随意であり問題ありません。

  • 好きそうな「ネタ」を

    金曜日に茨城県庁で記者会見(謝罪会見)がありました。
    JA茨城むつみの葬儀部門の、㈲むつみサービスの係長(57歳)が何時もの横領。
    今回は、「たった2億円」。(155回)

  • ついで「ネタ」

    今8月、千葉県警が葬儀社4社を書類送検しています。

    君津市内の2社、富津市内の2社。
    全て小規模な「専門業者」。
    警察への「タレコミ」です。

    因みに、「ナメネコ」は2社に罰金、社長は執行猶予4年(懲役1年6ヶ月)でした。

  • prof様
    >たまたま、偶然と信じていますが
    ええ、そりゃもう、「偶然」に決まっています。

  • おひさしぶりです。

    友引は仏教ではなく、陰陽道の六曜です。
    その名が友を引くから忌み嫌われていますから、古くから葬儀が避けられています。

    葬儀業界で働く方にとって、ビキ前は、お通夜が少なく、夜のお楽しみもあるのでは?

    八事斎場は毎日110体ほど受入れています。prof様の仰せの通りで国内最大の火葬炉です😆🎵🎵

    八事斎場自体は、名古屋市に加えて近隣市から多数の火葬を受け入れて、長年キャパオーバーが続いていました。

    昨年7月に市営第2火葬場が開業して、八事の負荷が減りました🎵

    火葬炉数は30基です。総工費186億円。近隣に大型ショッピングモールを作り、道路を整備し、公園スタイルです。

    3方向に10基ずつ並んだ火葬炉の配列です。来月お邪魔致しますが、台車式の最新鋭です。恐らく火葬数は75前後です。

    今年の3月に見学を申し込んだのですが、ビキで休みでした。たしか、八事と交代で休みです。

    火葬場の1体あたりの火葬費は約5万円というお話しを聞いたことがあります🎵

    そうすると、東京の民営は最上等で9000ずつしか儲からない❗

    でも、火葬場で買わなきゃいけないと言われる骨壺が13000円以上しますし、休憩室、休憩席、飲食費、会場費、落合は斎場棟から火葬棟への霊柩車、などで利益は出ます。

    私の父親は、戸田の特別賓館でした。確かに17万7000円は高額ですけど、静かにゆったりと送ることができたのは、施主として、満足しております。

    私的には、差額火葬炉は賛成ですが、59000と骨壺13000円は下げて欲しいです。

    私が住んでいた川口は火葬場がなく、戸田、谷塚、東京博善、さいたま市などにお願いしていました。

    再来年頃、やっと市営火葬場ができます。

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