火葬場の不足と格差問題




 先日
NHKのクローズアップ現代という番組で
というタイトルで火葬炉の不足問題が取り上げられていました。
その感想です。

このままいけば都内の火葬場が不足するのは以前から
関係者の間では自明のことでした。
人口問題と一緒です。 
解決策は・・・
都内の民間火葬場は高収益なわけで
本来、火葬場建設を市場原理に任せることができるなら
需給バランスは自動的に取れるはずなのですが・・・

「俺の近所には作らないで、どっかに作れ。でも使わせろ」
ってみんなが言い出したらうまくいかなくなるのは当然。
ゴミ処理場と同じ問題の構造です。

お金

とはいえ一つ指摘しておくと
事例として挙げられた2つの御喪家の長期間安置は
火葬炉の不足が原因ではなく
むしろ格差社会の問題、つまりお金がないことが原因であると思います。
なぜなら番組中でも触れられているように
他の式場は空いていたのに
安く借りられる、それゆえ人気の高い火葬場併設の式場を使うことにこだわったせいで
1週間以上待たされる、という選択をしたわけですから。
(しかし遺体の維持コストとリスクを考えると、
担当葬儀社はもっと良いアドバイスができたはず、
ということを一つ目の御喪家担当の葬儀屋さんの容姿を見ながら思いました。)

本来公共性が高いサービスにおいても支払う費用によって差がある
というのは医療や教育がそうであるように
当然のことながらお葬式にも及んでいるということです。

痛ましいことですが
この現実から目をそらして葬儀屋はボッタクリと叫んで溜飲を下げて終わり
にしてほしくないです。
 
やはり事前のシミュレーション(事前相談)くらいはしておくことをおすすめします。
とはいえ、どうしてもそれができない、したくない、
という方もいらっしゃるのは理解できます。
最終的には、
嫌なことをやって備えるか、嫌なことをやらないで後で困るか、
というのは個々の価値観ですし、どこまでやるかはトレードオフの問題なので・・・ 

(追記)
さてこの番組の内容に関しては
事前にNHKの方から意見を求められたので、メールでお答えしていました。
先に結論ありき、の取材に関してはお断りすることにしているのですが
今回はそうでは無かったので。
とくにリアクションが無かったので、お役に立ったかどうかは分からないのですが
一部反映されていたのかな、という感じです。

それにしても実際に火葬炉前の映像を撮れるところが、さすがNHK(^^;)











17 件のコメント

  • わたしも見ました。

    こちらは群馬の片田舎なので、ちょっとピンと来なかったのですが、火葬まで1週間待ちって、ちょっと想像できないですね。

    今の段階で、これだけ待つということは、死者数のピーク時には2週間待ちとかザラになるんですかね?
    そうなれば、経済的合理性で民間斎場でも安いということになるのかな?

    火葬場の問題は。都市部ならではかもしれませんね。
    番組内で、自分のうちの近くに、火葬場なんて建てられたら、資産価値が落ちる、というような人がいましたが、田舎だとそもそも土地なんて二束三文ですから(;^_^A

    それにしても、火葬場にしても葬儀屋さんにしても、一般の人が忌み嫌うことで自らの首を絞めているということもある、と自覚した方がいいですよね。

    一部の葬儀屋さんは、嫌われ仕事をしてるんだから、高いお金をもらって当然だ、という方はいるし、一般の人のそのような見方が一部の葬儀屋さんの〝負の〟意識を増長させていると思うのです。

    本来、「死」は忌み嫌うべきものではないと思うのですが、とても残念な状況ですね。

  • ありがとうございます。
    都市部の状況を知らないものですから、
    あの番組を見ても意味がちっとも理解できませんでしたが、ようやくわかってきました。

    私の住む地区では、昔は各集落の村はずれに火葬場がありました。
    墓地や曰く付きの場所とは違って、火葬場については、皆それほど忌み嫌ってはいなかったですけどね。
    だって、皆が必ず通る道ですもん。

    私など子供の頃、昔火葬場があった場所の下の海で、よく友達と遊びましたけどね。
    私たちは、その場所を「さんめ(さんまい)の下」と呼んで、貝がよく獲れる場所だったので、男子たちが好んで行きましたよ。

  • 見逃してしまった(T_T)

    私の住んでいる地区の火葬場は建設されるまでに反対がありましたが結局予定地に出来ました。着工が決まるなり、この地区には3つも葬儀場がポポポポーンと(笑)
    私が生まれる前は各集落ごとに火葬場があったらしいですけど。小学生の時はその後地で肝試しやるのが恒例でした。
    某結婚式場は昔火葬場の後地にありますよ(^-^;)

  • 夢は作家の整体師様
    > 死者数のピーク時には2週間待ちとかザラになるんですかね?
    今はお金を払うことで時間の短縮は可能ですが
    そのうち物理的な処理能力を超えてしまうでしょうね。
    ○日待ちって結局は問題の先送りをしているだけですもんね。

  • Narcissuss様
    亡くなるときは病院で、火葬場は目のつかないところで
    と、死はどんどん隠されていきます。
    見なくて済めばいいですけど、そう言うわけにもいきませんし・・・

     

  • locomaco様
    >この地区には3つも葬儀場がポポポポーンと(笑)
    作りすぎでは(^^;)
    既成事実をいいことに、火葬場不足の他地区の受けいれ用に利用されたんでしょうか。
    市外料金はかなり割高なので、意外と良い収入になる場合もあるので・・・                             

  • 「亡くなるときは病院で、火葬場は目のつかないところでと、死はどんどん隠されていきます。」

    そうか…
    私自身がそうだったのを含めて、
    「死は皆が必ず通る道なのに、なぜ身近なことと感じることができないのか」という点が疑問だったのです。

    昔は「死」がもっと身近だったんですね。
    集落ごとに火葬場があったことや、お年寄りと同居することで、死を日常のこととして肌で感じていたのですね。

  • 高齢者は「病院で死なせるな、自宅で死なせろ」との国の考えにより、保険点数は下げられ病床も削減され続けて(政府の意向では在宅死を2倍にしろと)、特養収容数も増えないために、高齢者は「孤独死すら出来なくなります」。

    ひとり暮らしで「どうしようもなく、入院して来た患者さんも多い中」、点数が削減されて退院させられた高齢者患者さんは何処に行くのでしょうか?
    十数年後には、年間に30~45万人は「死に場所がない」との事実が確実に訪れるのに、どうするのでしょうか。

  • 安置専門施設、エンバーミングetc

    有効に使えそうなモノはあるのですが、どこの葬儀社も自社で有効には使えていない・他社には使わせていない現実。

    頭一つ飛び抜けるチャンスでもあるのに…当社のお偉方と来たら…

  • prof様、
    介護保険スタート以来の迷走ぶりは目に余ります。
    介護業界に参入している互助会さんもいらっしゃいますが
    無政府状態(^^;)の業界から、行政の気まぐれに管理される業界への参入って
    よくやる気になったなぁ、って印象です。

  • 今から20年以上前、すでに23区内では年末年始は1週間待ちとなっており、身元不明や核家族化の解消にもなるとの理由で、「東京モルグ計画」を起案しましたが、「火葬や葬儀は民間の問題であり、行政が関与する問題ではない」と一蹴されました。
    現状の問題点は、20年以上前から予測されていましたが、東京都庁はこの手の問題は興味がありません。
    瑞江も都営(昔は都営)ではなく臨海(区の組合)が出来るまでは、「民間依存率90%以上」との他の自治体では類を見ない現状でした。

    あの大阪市営でさえ、12月31日まで稼働して1月2日から稼働開始であるのに、都内に関しては改善する余地はありません。
    身元不明や引き取り手のない場合は夜間、中国の様な高速火葬導入等も考えましたが、「民間企業の問題」で先に進みません。

  • prof様、
    そういう経緯があったんですね。
    本音は下手に手を突っ込んで、公的価格で運営すると
    財源が無くなるので、先送り
    というところでしょうか。

  • 革新系の区長達が広域組合(通常は公営ギャンブル)を作り、臨海を出してくれて本店としては助かりましたが、「超巨人炉」は出来ませんでした。
    私の部局でも、年間に400億越えの赤でしたので「今さら」ですが、本音はH社との問題だと思います。
    公責事業である部分を一手に行わせてきたH社に対して、「理不尽な事」は出来ません。
    都区部都民と都下部都民では「大きな行政サービス差」がありますが、死に関する部分では多いです。

    因みに共和国火葬では、火葬ONから収骨までの時間は、並焼きで30~45分、上焼きで60~75分です。
    また、M氏は湖南省へ埋葬で調整をしています。

  • prof様、
    > 公責事業である部分を一手に行わせてきたH社に対して、「理不尽な事」は出来ません。
    葬儀関連企業中、最高クラスの利益率から考えると、
    負い目を感じることはないかと思うのですが(^^;)

  • 旧街道筋の「投げ込み寺」からの経緯があり(北品川や桐ケ谷、その他)、東京市時代からの「パンドラの箱」です。(昔は火葬だけだったので)
    そのために、葬儀業界では非常に珍しい「ブルー・オーシャン」となっています。
    役所としては「これ以上の許認可は考えられない」(広域組合は別)ので、独占であることは間違いはありません。(助葬会施設はなくなり、板橋は論外)

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