を題材に都市部におけるマンションのご遺体安置について述べておきます。
日本人はどう死ぬべきか? 養老 孟司,隈 研吾 日経BP社 2014-12-11
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養老孟司氏のしゃべり本(バカの壁とか)×高齢者向けの内容
なら売れるだろう、っていう狙いでしょうか?
内容の一部を日経ビジネスのWEBページの記事から抜粋します。
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隈:ご遺体が家に帰ることは、ほぼない。養老:だって、狭いマンションに持ってこられると迷惑なんですよ。(中略)隈:死が想定されていないマンションに、死が想定される老人がいっぱいいるんですよ。養老:でもマンションのエレベーターって、棺桶が横に入るように設計されていないでしょ。棺桶を立てるんだもん。大変ですよ。隈:棺桶を立てることって、日本人にとっては、ものすごく許せないことですよね。(中略)隈:今、最新のマンション用エレベーターは、箱の後ろを外して、棺桶が横に入るようになっているんです。養老:そうなんだよね。ちょうど棺桶の大きさに穴が開いている。ただ、東京の昔の団地はそうなっていなかったですよ。いつからそうなったんですか?隈:1980年代ぐらいからじゃないかな。養老:俺がぎゃあぎゃあ言ったからかもしれないね(笑)。
さて都内のケースを前提にして述べていきますね。
結論から申し上げますと、マンションでの御安置でも
心配する必要はありません。
ご遺体が家(マンション)に帰ることはほぼ無いとおっしゃっていますが
都内でも何割かの方はマンションにお帰りになっています。
ずっと病院だったけど最後は自分が暮らした場所に一度は・・・・
とか
夜間亡くなって病院には安置しておけないし、さりとて火葬場の安置室は空いていないし
というケースですね。
この際はストレッチャーにお体をお乗せした状態で
安置するお部屋まで向かいます。
安置するお部屋まで向かいます。
このページの後半でも述べられていますが
今は、エレベーターの下部が開かないマンションはあまり見なくなりました。
もしそんなエレベーターの下部が開かない物件に当たった場合は
ストレッチャーを傾けてエレベーターにお乗せするか
階段を使うか、ですね。
階段は大変ということをおっしゃっていますが、
葬儀屋さんはそういう状況を想定して握力と脊柱起立筋を鍛えてますから(俺だけか?)
物理的にできなかった経験はないです。
次にマンションから出発するときですが
基本的に無理をして御棺にはお納めしません。
エレベーターだけの問題ではなく室内の廊下の切り返しや
玄関出たところの廊下幅が短いケースなどあるので
そこは脳内シミュレーションを行なって無理はしません。
行き先が式場なら式場で納棺しますし、
直葬のケースで行き先が火葬場の場合、火葬場に霊安室があるならそこを使います。
マンションで納棺して階段を使っておりるのはレアケースです。
お二人の対談を読んで心配されている方もいるかもしれないので
実務者(葬儀屋さん)からの意見を述べてみました。
実際の現場を知らない方は、単純に無理と思ってしまうんでしょうね。
マンションに限らず、最近の戸建ても玄関や廊下が狭くて棺が入らないケースもあります。そもそも建てる段階で家で人が死ぬ(又は帰ってくる)事を想定していないためでしょう。
私のところは田舎なので、古い家も多いのですが仏間が八畳×2なんて事も珍しくないので、自宅安置でてこずることはあまりないです。
たまに、記事のようなマンションや最近の間取りの家の場合は、頭フルる回転で最善の方法を考え出します。難しいケースを上手くこなした時の達成感は癖になりますし、この仕事の面白い所だと思います。
****様、
窓から、っていうのもありますよね。
肩の筋肉が震えますが・・・