互助会に直接電話して、最高裁判決を受けて互助会の解約手数料は格安になるのかを聞いてみた、
という話です。
監督官庁は知らんぷり
先日、互助会の解約手数料が高すぎるので是正せよという最高裁判決がでたことを、お伝えしました。
(参考記事: 互助会の解約手数料は高過ぎだと、裁判所に認定されるまで)
その時私の考えでは
「割賦販売法に関連した監督官庁である経済産業省の指導で
互助会はほとんど似た仕組みになっているはず。
だから大手互助会1社がアウトなら他の互助会も同様に
全顧客の解約手数料を下げる流れになるのでは?」
と思ったのです。
しかしその後はっきりした情報が入ってきません。
そこで
結局全国の互助会解約手数料は格安(一月あたり80円未満)になるのか
を調べてみました。
まずは経済産業省取引信用課(03-3502-2302)へTEL。
(ちなみに先ほど監督官庁と申し上げましたが、
互助会は経済産業省の天下り先を用意するなど、仲の良い関係です。)
取引信用課では
詳しいことは経済産業省消費者相談室(03-3501-4657)に聞いてくれ
と言われました。
そこで経済産業省消費者相談室へTEL。
やりとりはこんな感じです。
「経済産業省でも問題意識を持って研究会を開いている。
そして解約手数料の根拠は分かりやすく表記にしなさいと指導している。
しかし基本的に解約の手数料額に関しては個々の互助会に任せており
経済産業省はいくらにしなさいと、監督する立場にない。」
とのこと。
これは腑に落ちない理屈。
解約手数料が個々の互助会の判断であるにしては
一定のゾーン(1.5割から2割弱)に集中しすぎていると思うのだが・・・
そして個々の互助会の対応は
全日本冠婚葬祭互助協会 消費者相談センター(0120-034-820)で教えてもらえるかも、
と言われる。
しかし7日間で10回以上電話するも常に電話中。
これわざと回線制限してるんじゃね?
つながった人は教えてください。
互助会に確認してみた
うーん、ここまでか、と思ったところで
事前相談の方から、某互助会を解約したいんだけど
どうしたらいい?
との御相談をいいタイミングで受けました。
渡りに船で、その方から依頼を受けるかたちで
問い合わせの電話をその大手互助会(セレマではない)の担当支店に入れました。
どうやら解約手数料は約17.5%になる模様。
セレマの判決を伝え、この結果は反映されないのかと尋ねると
ここでは分からないので本部のコールセンターにTELしてくれと言われる。
大手互助会本部のコールセンターへTEL。
対応頂いたのは声からすると恐らく中年男性の方。
「裁判の結果を受けて解約手数料は安くならないんですか?」
「はい」
「でも互助会の仕組みって経済産業省の指導でやってるんですから、
セレマさんがダメなら御社もダメってことではないんですか?」
「セレマさんは親睦会費など適切ではない経費を必要として計上していたので違法という判決が出たんです。」
「じゃ御社の経費は適切なんですね。」
「はい」
「じゃあ経費の内訳を教えてください。」
「・・・すいません、手元に詳しい資料がなくて・・・」
「いや、あなた本社のお客様窓口ですよね?」
「はい・・・・」
「なぜ自分の会社のことが分からないんですか?」
「・・・」
「内訳が分からないのになんで適切って言えるんでしょうか?」
「・・・・」
「覚えているところでいいので、適切な経費とやらを教えてください。」
「あの・・・例えばですね、機関誌の作成とかですね」
「判決で機関誌作成の経費は認めないって言ってましたよ(これはハッタリで言ってみた)」
「あ・・・ああそうでした。それは認められていないんでけども・・・」(しばらく沈黙)
「今後解約手数料は下がる予定はあるんですか」
「あの裁判以降契約された方には少ない解約手数料でご契約頂いているんですが
昔加入された方にはこれまで通りの解約手数料でお願いしています」
「以前と最近では経費の内訳って変わったんですか?」
「大きな変化はないと思うんですが。」
「じゃ、昔の契約も変えないとおかしくないですか?
判決の指摘が適切だと思ったから、解約手数料を下げたんですよね?」
「・・・・・」
ここまで話したところで、ふと我に返ると
私に依頼した事前相談の方がキョトンとした表情でこちらを見ていることに気づく。
しまった、つい、考える葬儀屋さんのブラックな面を出してしまった(-_-)
これ以上の回答を引き出せないと判断し
ここで終了。
その事前相談の方には、
・何か別の投資したい対象があるわけではないことを確認し
・この互助会は互助会の中では倒産リスクは低めなこと
・将来手数料が下がる可能性はあること
以上の理由からもう少し、様子を見ましょうか
というお話しをしました。
確かにこの本部のコールセンターの男性がダメっていうのもあるかもしれませんが、
裁判で負けたセレマさんはダメだけどウチはいい
っていう会社としての方針がそもそもおかしいと思います。
それともいいとは思っていないけど、なりふり構わない時間稼ぎということでしょうか。
別に私が互助会系の人間じゃないから批判している
というわけじゃありません。
現場の方には同じ葬祭業としてシンパシーを感じています。
ただ上の方の考え方がね。
世間は互助会と非互助会をたいして区別していません。
おなじ葬儀屋として見ています。
だから葬儀業界全体の評価を考えてコンプライアンス的に「正しい」ことをやってください、と言う話。
今回のことは消費者にしわ寄せが行く話しなのだから。
互助会の言い分はおかしい
全日本冠婚葬祭互助協会のサイトに
株式会社セレマ最高裁決定を受けて
という記事が掲載されました。
これまでの互助会側の言い分も腑に落ちなかったのですが
今回は腑に落ちないどころか
言ってることがあまりにもひどいんで紹介します。
これまで互助会の解約手数料規定そのものを無効と判断した裁判例はありません。
確かに訴訟を提起した消費者団体は、「解約手数料そのものが無効であり、互助会は1円も解約手数料を取ってはならない。」と主張していました。
しかし、セレマ裁判も含め、これまで互助会の解約手数料規定そのものを無効と判断した裁判例はなく、いずれも互助会が一定額の解約手数料を頂戴することを認めています。
「無料にしろ」は、最初に最大限の要求を突きつける裁判の戦略に過ぎません。
そんなこと互助会側もお分かりですよね。
本当の論点は
合理的な費用はどのくらいか
ということです。
まさか0円か、総額の2割の解約手数料かの二者択一だと
思ってるわけじゃないですよね。
この後も往生際の悪いロジック(論理)が続きます。
そもそも、今回の最高裁決定は、消費者団体からの上告受理申立てを受理しない旨の決定を下しただけで、解約手数料については一切判断しておりません。
附帯上告受理申立てをセレマ側もしてましたよね?
それから最高裁が受理しないことを決めたってことは、
解約手数料に関する高裁判決が通っているということではないんですか。
最高裁は判断を回避した→高裁判決も無効 とミスリードさせたいのでしょうか。
(論理が強引すぎてミスリードにもなっていないが)
互助会の解約手数料を巡っては、大阪高裁判決とは異なる考え方の判決が各地で次々と言い渡されています
ここで事例として挙げられている裁判記録は
裁判所のサイト内の判例アーカイブにアップされていなかったので、確認は取れませんでした。
ただ明らかに敗訴している日本セレモニーの件に言及していないのは意図的なものですよね?
司法判断が確定したとは全く言えない状況
「全く」言えない、は言い過ぎではありませんか。
今までさんざん互助会は経済産業省の指導の通りやってますから安心です、
と言っておきながら
あれはセレマさんだけの話、っていうのは都合良すぎではないでしょうか。
高裁判断で、
募集費・募集管理費・会員管理費・代理店に払う獲得インセンティブ・組織の維持運営費etc
は認めません、とやられちゃったわけですから、
高額な解約手数料を取る理屈は今後もう通用しないでしょう。
今後も裁判の積み重ねを待つほかないと考えております。
やれるもんなら訴えてみろ、ってところでしょうか。
全国の消費者団体の皆さん、ウォーミングアップお願いします。
司法判断は確定しておりません。とはいえ~
俺等は全然悪くないけど、譲歩してやらないこともない
という態度でしょうか。
企業のクライシスマネジメントでもっともやってはいけない行動パターンだと思います。
全日本冠婚葬祭互助協会の上層部は
この説明で消費者の方が納得すると思っているのでしょうか。
だとしたらかなり消費者のことをバカにしていませんか。
一般の消費者の方は
解約がイヤなのは分かるがなんでここまで?
と不思議に思われているかもしれません。
信じられないかもしれませんが互助会の経営者の中には、
互助会解約者のことを公然とバカ呼ばわりして罵(ののし)る人がいるのです。
互助会経営者の本音が分かる例として
「互助会解約者を罵倒する互助会社長」
という記事を掲載しておきます。
考え方がおかしいとしか言いようがありません。
私は互助会の人間ではありませんが
互助会の現場のスタッフには友人もたくさんいますし
同じ葬儀屋さんとしてシンパシーを感じています。
ただやはり互助会上層部の考え方はおかしいと思います。
互助会の現場の方はどうお考えですか?
うお~互助会の会社でなくてよかった~~と思う質問攻め・・・流石です。
上の決定的な方針は降りて来ず、現場の個々のスキルでしのいでる状況でしょうか?
所詮葬儀屋はこの程度と思われてしまうでしょうね。雑なんですよね大手以外は・・・。
かかし様、
上層部の人って戦々恐々なんでしょうか。それとも逆に危機感0なんでしょうか。
ちょっとよくわかりません。
私の知ってるところは憶測(業者などから聞く話)で申し訳ないのですが
気にしてないように思えてなりません。俺には関係ねえ。現場でチャッとやっとけや
。私なら寝込んでるところなので尊敬しますね・・・。まぁそもそもあのシステムに賛成しませんけども・・・。
「経産」はお任せします。
多くの国民や市民が誤解をしている部分。
「法は弱者を守り、貧困者を助ける」と思っていること。
法を創るのは「官僚であり、それを承認するのが議員」。
そのために、「法は強者を優遇し、富裕者を擁護するシステム」です。
法令や行政システムを熟知した企業に、客である市民が勝てる可能性は皆無です。
裁判で違法が認定され「有罪判決」が出ても、抑止効果はほとんどありません。
裁判において「支払い命令」が出ても、国内の履行率は非常に低いのが現実です。
特に社内分社化が進んだ互助会企業では、「判決」は効果が低いものでしょう。
互助会のグループ企業の「決算書」を確認すると面白いです。
特に外様社長は注視すべきでしょう。
かかし 様、
>気にしてないように思えてなりません。
やっぱりそうですか・・・
prof様、
創業一族だけが、法の下に守られちゃってるイメージなんですけども
負け組互助会が多い中で、「勝ち組互助会」の特徴には変化があります。
以前は創業家と世襲者、リリーフの忠犬幹部だけで運営をしていましたが、
近年では「リサーチやプランニングを優秀な頭脳」に任せる互助会も現れ、
これらが勝ち組、メガ化しています。
旧来の「思い付き、意地や面子」からの脱却も見られ、システム的には
専門業者よりも優れている部分が見られます。
優秀なブレイン登用」、分社化により創業家の「リスク回避」が進みましたが、
これは責任回避や責任転嫁を考えれば当然であり、各社の株式保有者率を
見れば一目瞭然です。(大手互助会では2極化が見られる)
戦国時代を彷彿させるM&A、派兵と築城を見ると「創業一族とは思えない策略」が
あり、銀行やコンサル以外の頭脳の存在が伺われます。
出羽への派兵や築城は「兵糧攻め」の単純な作戦であり、信濃、美濃、越前の
M&Aも裏が無いのですが、駿府、遠江、三河に関しては「裏がありそう」です。
prof様
>銀行やコンサル以外の頭脳の存在
うーん、これは興味深い
昨日、「某互助会の葬祭責任者の方」と話しました。
その中で、「伸びている互助会にはブレインが居る」との共通の認識がありました。
旧態依然のイケイケの会社もありますが、「あの互助会のあの会社、本社機能を
移転したあの互助会、あの互助会のあのビル」等、思い当たる部分があります。
カネを握る手、カネを稼ぐ足、カネを産み出す口は「露出」していますが、
ブレインである脳は解剖学的に見ても「最も堅硬な頭蓋骨内の頭蓋腔で外部から
見えることなく遮断された独立状態」で存在しています。
そのために、中枢であるこの部分は「表に出ることなく隠避」されたいます。
ただし、現在のブレイン達はMBAが主体の様であり、「葬儀現場を知らない」との
弱点もあります。
叩き上げの現場経験論と机上の論理との葛藤もあり、活躍しているブレイン達の
「脆弱性」は否定できません。
願わくば「優秀な社員の発掘」をして頂きたいのですが、殆どが外部招聘。
prof様
>現在のブレイン達はMBAが主体の様であり、「葬儀現場を知らない」との
弱点もあります。
現在俎上に挙げている大前研一氏ですら・・・という面もありますね。
でも互助会の場合はコーポレートファイナンスをちゃんとやるだけで
楽勝って感じなんでしょうか。
資産管理や資産運用益は重要な課題ですが、本業あっての話です。
今日の様に日経平均が好調であれば良いのですが、いつまで続くか。
バブル時代は「どんなクソ株でも必ず2倍になり狂喜乱舞」でしたが。
例えば先週、平成32年に浦和美園駅近くに順天堂大学附属病院を開院する
計画が決定しました。(幸手市内での医学部新設は見送りか)
土地はUR、費用は県や国の予算も投入され病床数は800(防衛医大と同じ)
既に医療業界は動いていますが、葬儀社選定はまだ先であり「ひっくり返す可能性」は
あるのですが、MBAグループでは作戦を建てれるか疑問です・
また、来週水曜日に施行される「川崎市の葬祭上等要綱」には”とてつもない爆弾”が
仕掛けられています。
今回は「ハードよりもソフトで抑制して不許可や計画断念」にとの思惑もあり、
法廷闘争に持ち込んでも「住民側優位」なシステムがあります。
この辺りは、士官学校を出たが洗浄経験のない指揮官では「分からない仕組み」です。
自治体や議会、市民や裁判所に対しての「証明責任は業者側」になりますので、
その意味では、「呪文」にはMBAグループはお手上げ。
prof様
>葬儀社選定はまだ先であり
公営病院の選定でも「センセイ」が暗躍しているという噂がありますから
私学系なら実弾アリの出来レースになるんでしょうか。
もう「先行投資」は割に合わない時代だとは思いますが
>とてつもない爆弾
そもそも「だれ得?」な話になりつつあるイメージなんですが・・・
大学病院へ喰いこむためには「あの議員先生」がkeypersonです。
または、「OB会」。(国立K大学病院などは、納入業者は全てOB会関連企業)
どちらにしろ「タマ」が必要です。
自治体による「葬祭場等規制条例や要綱」はそれ自体がlogicな考えとは言えませんが、
葬祭業自体がillogicalであり、結局は「非論理的な規制」となりました。
logicになれば「儲からない」、illogicalになれば「儲かる」との考えはありますが、
「公正中立になり論理的判断や意見書」を公的機関には出して行く予定です。
ネタとしては、先週逮捕された者の勤務先(互助会?)は分かりませんでした。
環七沿いに「来月から斎場新設工事」が始まります。(4階建て、1,492㎡)
先月、区役所から「許可」が降りており、この区役所は「1月からアクセスUpの行政」
でしたので、この案件での調査だったと思います。(2016年1月工事完了予定)
尚、この斎場新設に関しては「反対運動は起こりません」。
葬儀ネタでは、昨日の「総連関係者への全国捜査」で、自宅での葬儀中に
自宅の強制捜査(早朝から夕刻まで)が入りましたが、「葬儀はどうなったのでしょう」?
この場合は、葬儀は中止または延期でしょうか?(喪主or近親者が逮捕)
結婚式での新郎や新婦の逮捕は「主役不在」ですが、葬儀は「主役不明確」。
prof様
いつも貴重な情報ありがとうございます。
>葬儀は中止または延期でしょうか?
警察に対して刑法188条は適用・・・されないですね。
刑法第188条は「10年に1度程度のレアな罪状」で、司法警察官でも生涯遭遇しない
「時代遅れの罰名」です。
特に今回は「裁判所の札を2枚」(捜索差押令状、逮捕令状)を持参しているはず
ですので、令状執行が上位となりますので刑法第188条は適応外となります。
仮に、葬儀の最中に「ガサや逮捕」があるとすると、告別式であり通夜ではしません。
令状執行は「通常捜索と通常逮捕」であり、これらは「日の出から日没まで」と
規定されています。(テレビの警察24時等でも、日出後に自宅のドアをドンドンと)
そのために、日没後に行う通夜では「ガサや逮捕」は基本的にはありません。
ただし、これらは刑事事件の話しであり生安事件や公安事件は別です。
また、指名手配がかかると通夜でも逮捕されます。
prof様
>日没後に行う通夜では「ガサや逮捕」は基本的にはありません。
勉強になります・・・が、この知識を活かす機会は多分無いと思います(^^;)
マルBのフロント企業(たしか若頭だったと)で葬儀社もあり(当然ながら兵庫県)、
この会社のマニュアルは面白そうです。
物理教師さんの会社のマニュアルには不採用ですか。
prof様
>マルBのフロント企業(たしか若頭だったと)で葬儀社もあり
いやですね、これ(^^;)
母親が互助会に加入してたけど使わなくなったので解約を申し込んだら、解約手数料の高額さに納得がいかず消費者センターに尋ねた所、約款があれば、どうにもならないと言われました。解約金トラブルで調べると法律違反とありますが、互助会に言っても、どうにもならないと、55万円の掛け金に対して9万円の解約手数料を取られました。7年前に完済してます。7年間も預けて9万円も手数料引かれて納得いかないが裁判しても裁判費用や期間を考えると泣き寝入りするしかないのでしょうか?
黒木さま
コメントありがとうございます。
お気持ち分かります。
最高裁で違法判決出たにもかかわらず、互助会業界全体としては「特定のあの互助会が裁判に負けただけ」と居直っているんですよね。
同時にそういいながら、違法判決以降入会した人の解約手数料は安くしているという・・・
>裁判しても裁判費用や期間を考えると泣き寝入りするしかない
はい、文中の裁判も、法律が変わって消費者団体が訴訟を起こせるようになったので可能になった話なので
個人レベルでは割にあわないと思います。