葬儀費用の未来を予測する

(2009年に書いた葬儀費用変化予測の記事です。このころは、まだ葬儀業界は成長産業とマスコミで言われていました。)

以前インターネット上での葬儀費用の下落について述べました。
今回は今後の葬儀費用の未来を予測してみたいと思います。

下図は現在の葬儀件数と葬儀費用の分布図です。

縦軸に葬儀の件数、横軸に葬儀費用の価格帯を示しました。
通夜告別式を執り行った場合の葬儀費用(宗教者の御礼を含む)の一番多い価格帯を180万とし、直葬を執り行った場合の葬儀費用の一番多い価格帯を25万とした場合のグラフです。

すると山型のグラフ(正規分布図)にはならず
フタコブラクダ型のグラフになります。

こうなる理由を説明します。
一般的な通夜告別式を執り行う場合、参列者を絞り込んで変動費を最小にしても、100万円を切るのがやっとです。

なぜなら100万円より少ない予算でお葬式を執り行おうとしても、その価格帯はほとんど存在しません。
なぜなら
葬儀の規模の大小にかかわらず宗教者への御礼は発生することが一つ目の理由、
葬儀社側としては施行スタッフが複数名必要で、拘束時間長くなるため、ある程度の人件費がかかるのが二つ目の理由です。
そのため通夜告別式の総額で100万円以下の価格設定が難しいのです。

そうなると予算がない人の次の選択肢は直葬しかありません。
直葬を選べば25万円くらいの予算で済みます。
つまり100万円の次の選択肢は25万円になってしまう価格体系のため、フタコブラクダ型のグラフになるのです。

上記のグラフが山型であれば葬儀費用の下落は段階的に緩やかになるのですが、100万の次がいきなり直葬の25万円なので、直葬を選ぶ人が増えてくると葬儀費用の全体の平均価格が急激に落ち込んでしまいます。

この構造は平均寿命の統計によく似ています。
末期医療の発達、つまり老人の寿命を延ばすということよりも
乳幼児の死亡率を減らす方が
平均寿命に与える影響が大きいのです。
乳幼児は0才なので、全体の平均寿命を大きく下げてしまうからです。
つまり直葬が増えると急激に全体の葬儀費用が落ち込むのです。

このまま行くと将来は下図のような分布になることも予想されます。

死亡人口が2038年まで増えるから葬祭業は成長産業
というマスコミ報道がいかにお気楽かお分かりいただけるでしょうか。

葬儀社側としては、このような結末を避けるため
・分割支払い制度の導入
(通常の葬儀を執り行ってもらって、足りない分をローンにする)
・短期少額保険の導入
(葬儀費用分の死亡保険に入会してもらう)
・付加価値をつけた直葬プランの導入
(25万円の葬儀費用を付加価値をつけて50万円くらいにする)
などのソフトランディング(軟着陸)対策を講じているのですが、どうなるでしょうか。

状況は厳しいですね。




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