「お葬式の真っ赤なホント 葬儀社の社長がいい葬儀社の見分け方を公開します」 を読んで

今回ご紹介するのは
福岡県春日市の葬儀社社長の書いた本。

お葬式の真っ赤なホント 葬儀社の社長がいい葬儀社の見分け方を公開します

本の帯には「あなたの葬儀社選びに一石を投じます。」

そうまで言われるとやっぱり読まないわけにはいかないかと。

で、感想です。

著者の基本姿勢は良心的で賛同できます。

書かれている内容の8割は既読感がありますが、
そう感じてしまうのは私が葬儀業界内の人間だからかも。

さて私がこの本を一度読んでみたいという購入動機となった
「いい葬儀社の見分け方」についての部分は
残念ながら期待はずれ。

本来ネタばらしになるところですが
ありふれた内容なので要約します。
・口コミで葬儀社を選ぼう
・葬儀社に電話してみよう
・見積りを取ろう
・葬儀社に足を運ぼう
ってことがざっくりと
P74~P83まで、10ページにすら満たないボリュームで書かれています。
さらにいうなら共同体が崩壊している都市部においては
いわゆる口コミは機能しないのですが。

というわけで目新しいことは何も書かれておらず
消費者のいい葬儀社選びには
実際ほとんど役に立たない本だと思います。

しかし自称、葬儀本評論家(今この肩書きを考えました(^_^;))の私としては、
この本はもっと別の味わい方があると思うのです。

この本の執筆動機について
「東京都生活文化局の調査結果において葬儀に満足した人が20%しかいなかったことに愕然とし、なんとかしなければ」
と思ったからだと述べていらっしゃいます。
しかしこの東京都生活文化局の調査発表は2002年、この本が出版されたのは2010年の秋です。
9年近く愕然としていたのでしょうか(^^;)

本当の動機は
「冠婚葬祭互助会は葬儀業界のトラブルメーカー」の見出し文を含んで40ページにわたって微に入り細に入り互助会批判を行って部分にあると思います。
(葬儀社の選び方は10ページに満たないのに。(>_<))

近所の互助会に自社を誹謗中傷されたという恨み言が続き
最後に
「私がこの本を執筆しようと決めた理由には、このような背景もあったのです」
って書いています。
この互助会憎し!の部分が本当の執筆動機では(^_^;)
だからこの本の著者のメッセージを一言で要約すると
「葬儀社選びのポイントは、互助会に依頼しないこと!」
じゃないでしょうか。

最近の葬儀本は、
外部に敵を設定する
のがはやりのようですね。

こんな視点で読むと違った意味でおもしろい本です。




6件のコメント

福岡は互助会が多い上に強く、JAも躍進していますから大変でしょう。
この人は「葬式無料情報センター」の福岡代表もしている人で、上記のHPも参照下さい。
http://osousiki-center.jp/
悪い見積もり例も出ています。

情報センター(紹介センター?)の代表と葬儀社の社長を兼ねていますが、相談を受けるとどこを紹介するのでしょうか?

K社の社員ブログはチョコチョコ見てます。それだけを見るならまあ良心的(文章力はいまひとつ気になるけど)なスタッフたちに見えますが…
けど先日の「いい人」論みたいなものですね(汗

企業とスタッフのスタンスも必ず一致するとは限りませんので、実態を見ないとなんとも言えないんですけどね~(汗

悪い例の見積書ですが、今だにこの様な杜撰な見積書を出している葬儀社はあるのでしょうか?
まだあるとしたら、かなりの問題です。

はるさん、
社員の方の写真を見ると
たしかに「いい人」そうですね・・・
って最近このネタ多いですね(^_^)

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