入川保則「自主葬のすすめ」を読んで




自分が末期癌であることを公表し
最近マスコミにもよく登場する俳優入川保則氏が
ご自分のお葬式に関して語った本、
「自主葬のすすめ」をご紹介します。

自主葬のすすめ
自主葬のすすめ 入川 保則

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この本を読んでまず思うのは
入川氏って、映画「エンディングノート」のあのお父さんに似てるな
ってことです。

死を目前にしての腹の据(す)わり方と
葬式へのこだわりに関して。
(本来「こだわり」って否定的な意味だったのですが、
ここでは肯定的な意味で使っています)

この本では緩和医療医の大津秀一氏との対談が行われていますが、
そういえば映画「エンディングノート」の試写会でも、
砂田監督と大津氏は対談されていましたね。

「自主葬」とは入川氏の造語ですが
般若心経と、その解説を自分で録音した音源をお葬式で流す
というもの。
(惜しむらくは「自主葬」ではなく
編集者はもっと良い名前を考えてあげれば良かったと思います。
言いづらいし内容が伝わりにくいと思うので)

一点豪華主義というか、この録音に関しては、
プロ用の録音スタジオを使用して、オーバーダビングで合唱するパートまで
作るという凝(こ)りよう。

ここが入川氏の自分自身のお葬式へのこだわりです。

細部に関しては多少ツッコミを入れたいところはあります。

葬儀屋さんとの打合せで、
葬儀屋さんが10万円の値引きを即決するのが、粋なシーンとして描かれているけど
これもドンブリ勘定には変わりはないと思います。
あと葬儀費用の前払いを勧めていますが、
葬儀屋の倒産リスクがあります。

それからあのエンディングノートのお父さんも
普通の人では、ああいうふうにはいかないからこそ
あの映画を観た人の心を打ったと思うのですが、
同様に、やっぱり普通の人は入川氏のようには、
なかなかいかないと思います。
自主葬の条件として最初に
「まず癌になる。癌になると自分の寿命が分かって真剣にお葬式のことを考える」
って、もうその段階で普通の人は無理だと思いますし。
だからこそ入川氏は素晴らしいとも言えるのですけれど。

というような引っかかる箇所は少しあるものの
御本人は、ぶれない価値観をお持ちで、
自分の葬儀について深く深く考え抜かれていらっしゃるので
(家族葬にしたら、友人はどうなる?という問題に関しても
「お別れ会」と称した飲み会を残された時間の中で開催しているし。)
この「自主葬のすすめ」は一読の価値があります。

追記
映画「エンディングノート」のお父さんはキリスト教を選びましたが
仏教思想を肯定しながらお坊さんを呼ばない入川氏のこのスタイルも
現在の仏教界に対する批評を含んでいると思います。
ホントがんばってね、仏教界!











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