第11回「葬儀についてのアンケート調査」の結果が報道されない理由

マスコミの報道で「葬儀費用っていくら」という話がでると必ず引用されるのが
日本消費者協会が3~4年に1度行っている「葬儀についてのアンケート調査」です。

そしてこの「葬儀についてのアンケート調査」はデタラメであると、このブログでは以前からずっと主張しています。

詳しくはこの記事をお読み頂きたいのですが、
(参考記事:マスコミが報道する葬儀費用のウソ(日本消費者協会編)
問題点を要約すると
○サンプル数が少ない(2003年のアンケートの近畿地方の葬儀一式費用の項目の回答者は1人!)
○葬儀費用を払っていない人にも答えさせている(「葬儀費用は○○円かかった」と誰かが言っていた、という伝え聞いた金額を回答した場合も有効にしている。つまり葬儀費用を払ったことが無い人にも回答させている。実際に支払ったことが無い人が回答者の過半数を占めている場合も)
その結果実態よりも高い金額が出てしまっており、消費者を不安にさせている、というのが私の主張です。

去年アンケート調査を行っていたことは把握していましたが、実は先月(2017年2月)に調査結果が発表されていたことが判明しました。

なぜ私が見落としていたかというとほとんど報道されていないかったから、です。
ニュース検索をしても全くヒットしません。
日本消費者協会自身もこのページでひっそり告知しているだけです。
第11回 葬儀に関するアンケート調査報告書
<https://jca-home.jp/news/%E3%80%8C%E7%AC%AC11%E5%9B%9E-%E8%91%AC%E5%84%80%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%E3%80%8D%E7%99%BA/より引用>

この「葬儀についてのアンケート調査」は日本消費者協会がマスコミの注目を浴びるまたとないチャンスです。
そのため前回はマスコミを招いて大々的に発表会を開いていました。

なぜ今回はこんなにおとなしいのでしょうか。

その理由は
葬儀の平均費用が前回より上昇してしまったからです。

前回の第10回の葬儀の平均費用は1,899,000円であったにもかかわらず、今回第11回の平均費用は1,957,000円になってしまっています。

葬儀屋さんならお分かりでしょうが、葬儀費用は年々下がっています。この3年で葬儀単価が上がった葬儀屋さんなんて全体の1%以下でしょう。
この調査結果は、「葬儀についてのアンケート調査」の信頼性を全て失わせるくらいおかしいのです。

実は個別項目(飲食費や寺の御布施など)の金額は前回とほとんど変わっていません。
しかし個別の項目を合計した「葬儀費用の合計」項目の回答のうち、200万円以上と答えた人の比率が22.3%から36.8%へ大きく増えたことにより、葬儀費用の合計の平均金額が上昇しました。

つまり私が指摘してきた「伝聞の数値を反映させると実態よりも高くなる」効果が、今回は大きくでてしまったのでしょう。

マスコミの人も「葬儀費用って下がり続けているっていう前提で報道してきたのに、この調査おかしくないか?」ということに気づいて、あえて触れないようにしていると推測されます。

最近は私の努力もあって(^^;)
マスコミで日本消費者協会の数値が紹介されるときには「ちょっと問題有るけど」というエクスキューズが付くようになりました。
もう日本消費者協会の「葬儀についてのアンケート調査」はその役割を終えました。

第12回の調査はやらなくていいです。




2件のコメント

かかし 様
マスコミもいままでさんざんこの調査結果を報道してきたんですから
今回もやればいいのにねぇ。

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