コンプレインが多いお客様は、やりやすい

ちょっと語弊があるかもしれませんが、
担当していて「楽な」お客様が、たまにいらっしゃいます。
それは
コンプレイン(不平不満)が多いお客様です。

接客業をしている方は、「えっ、コンプレインが少ない」の間違いじゃないの?と思われるかもしれません。
いいえ、コンプレインの多いお客様の方がやりやすいのです。

なぜなら
望んでいることを主張してくれるから
です。

大多数のお客様は葬儀に関する知識がほとんど無いため
「何が分からないのか分からない」
状態です。
そのため葬儀の担当者としては常にアンテナをはっておかなくてはなりません。

打ち合わせの際、
いま自分が発した言葉への、
お客様の返答の内容、語気、抑揚、相づちのタイミング、表情、目の動きなどから
視覚と聴覚をフル稼働して
お客様は何を分かっていて、何を分かっていないのか
また何を望んでいるのか
というサインを読み取らなくてはなりません。

葬儀屋が思う以上に、相手は「こんな初歩的なことを質問するのは恥ずかしい」と思っています。
または自分がどれだけ理解できているかということすら分かっていらっしゃらないことも多いのです。
そのような状況では
何を望んでいるのか
というレベルまで引き出すのはとても難しいのです。
もちろん、そんなことが分からなくても、型にどおりの無難な葬儀は行うことはできます。
しかしそれではこちらもプロとして恥ずかしいわけです。
一生懸命に非言語的な表現でもいいから読み取ろうとします。

しかし
コンプレイン(不平不満)が多い
お客様の場合はそんな苦労をする必要が無いのです。
ご自分が望んでいることを主張してくれますから。
こんなにやりやすいことはない。

以前、テレビのレポーターをされている方のお母様の葬儀を担当したことがあります。
葬儀まで3日ほど時間があったのですが。その間、頻繁にそのレポーターの方は私に質問を投げかけられました。(この方のケースはコンプレインではありません。単なる質問です)

なぜそんなに頻繁に質問を投げかけることができたか
というと、レポーターという職業上
自分は何が分かっていないのか分かる
能力が突出していたからです。
だから私としてはとても楽でした。

葬儀後、
「いろいろ質問攻めにして、大変だったでしょ?」
と言われて
「いえ、全然そんなことなかったですよ」
と申し上げたのは、私の本心でした。