これからキリスト教の葬儀に参列される方のために、事前に知っておくべきことを葬儀屋さんが分かりやすくまとめました。
目次
キリスト教葬儀の服装
数珠がいらない点を除けば、服装も仏式のお葬式と同じルールです。
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キリスト教葬儀の香典と受付
香典と受付の作法も仏式のお葬式とほぼ同じルールです。
キリスト教の葬儀は9割方教会で行われますが、受付の仕組みは葬儀会館と同じです。
通夜・お葬式の受付のマナーを葬儀屋さんが教えます | 考える葬儀屋さんのブログ
香典のマナーを葬儀屋さんが教えます | 考える葬儀屋さんのブログ
また受付で式次第(葬儀の流れを解説したもの。当日合唱する賛美歌の歌詞が載っているものもある。)を渡されることが多いです。
献花の作法だけ理解しておきましょう
キリスト教の葬儀で事前に理解しておくべきことは、献花の作法です。
- 献花を両手で受け取る(このときには花が右手側、茎が左手側にきているはずです。)
- 献花を置く台の前に進み一礼
- 献花を時計の針と同じ方向に90度回転させる(この段階で花が手前、茎が祭壇側になっているはずです)
- 献花を台に供える
- 一礼する
- 自席に戻る
hakkoudenさんのサイトに適切な動画がありましたのでリンクを貼っておきます。
https://youtu.be/UNBfEfVJ9vM
ざっくり言うと前の人をまねて花を置いたら礼をする、ということですね。
これだけ理解できていれば、式中困ることはありません。
ただ危険なのは式が終わる時間ぎりぎりに到着してしまって、到着と同時に祭壇前に連れていかれて誰のやり方も参考できず、献花を強要されるケースです。
このようなケースで、献花に自信が無い場合、
霊前の献花に連れて行かれそうになったら、葬儀屋さんにレクチャ-(説明)してもらいましょう。
神道の場合はレクチャーされても覚えきれない人もいますが、キリスト教の献花はシンプルなので問題ないでしょう。
祭壇前で立ち尽くすくらいなら、ちゃんと聞きましょう。
と、ここまで書くと怖じ気づく方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまで全員の献花が終わった後、最後に到着してしまったケースの話です。
賛美歌について
式中オルガンの伴奏に合わせて賛美歌を歌います。
おそらく聞いたことのある曲もあると思いますが、知らないために歌えないのは失礼にはあたりません。
ただ↓定番のこの曲なら歌詞カード見ながらなら歌える人が多いのでは。
余談ですが、賛美歌の番号を入力すると自動的に賛美歌が流れる機械を教会の方が使用しているのを見たことがあります。
プロテスタントとカトリックの違いについて
キリスト教に詳しくなくても、大きくプロテスタントとカソリックの宗派の違いがあることを知っている方は多いでしょう。
ただお葬式に参列する程度なら、違いを知らなくても問題ありません。
強いて覚えておくとすれば、プロテスタントの聖職者を「牧師」、カトリックの聖職者を「神父」と呼ぶことくらいでしょうか。文化庁編『宗教年鑑』によると(この年鑑のデータは宗教法人の自己申告なので信憑性は低いのですが)
信者数は同じくらいですが、教会の数はプロテスタントの方が多いようです。
葬儀屋さんの立場からすると、プロテスタントの葬儀を担当することが圧倒的に多いです。
これはカトリックの教会は毎回特定の葬儀屋さんに葬儀を依頼するため、それ以外のほとんどの葬儀屋さんにはカトリックの葬儀の依頼が来ないためです。
特定の葬儀屋さんに依頼するのは、儀式を厳格に行うのでちゃんと段取りを理解した葬儀屋さんが好ましいからだと考えられます。本来キリスト教には前夜式はない
キリスト教では前夜式と、その翌日に行われる告別式がとり行われることが多いようです。
しかし欧米では、葬儀の前日にはなにもしません。つまり前夜式というのは日本でしか行われていないのです。
この理由をある大学の神学部の教授に質問したことがあるのですが、回答は「日本の仏教の通夜の習慣にあわせて、行い始めた」とのこと。
意外とお葬式に関しては柔軟なようです。
(キリスト教の一派であるロシア正教には通夜に相当する「パニヒダ」という言葉は存在しますが、儀式は行われません)最近、一般の参列者は仕事終わりに参列しやすいという理由で、仏式の場合お通夜に参列するケースが多いです。
そのことを考えると前夜式の存在は参列者には役に立っているようです。プロテスタントの葬儀の流れ
繰り返しになりますがキリスト教の通夜葬儀に参列するときは、献花の作法さえ覚えておけば問題ありません。
以下参考までにキリスト教の通夜(キリスト教の場合は前夜式と呼びます)とお葬式の流れを述べておきます。
(教会によって多少異なります)【前夜式次第】
- 前奏
- 賛美歌 合唱 オルガンの演奏に合わせて参列者が合唱します。前述したように知らなければ歌いようがないので、歌わないからといって失礼にはあたりません。
- 聖書朗読 聖書の一編を朗読します。葬儀や故人の人生にひもづけた内容が多いです。非キリスト教徒の参列者には「仏式のよりキリスト教のお葬式の方が分かりやすい。お経は何言っているか分からない」という感想を漏らす人がいますが、確かに牧師は平易な言葉で聖書を解説してくれるので、クリスチャンでなくともよく分かる内容が多いです。
- 主の祈り 大体以下の内容を牧師が唱えます。
「主の祈
天にまします我らの父よ
ねがわくばみ名をあがめさせたまえ み国を来たらせたまえ
みこころの天になるごとく 地にもなさせたまえ
我らの日用の糧を今日も与えたまえ
我らに罪を犯す者を我らがゆるすごとく
我らの罪をもゆるしたまえ
われらをこころみにあわせず悪より救い出したまえ
国とちからと栄えとは限りなく なんじのものなればなり アーメン」 - 聖書朗読 同じく別の聖書の一編を朗読する。
- 祈祷
- 賛美歌 合唱
- 式辞
- 賛美歌 合唱
- 祝祷
- 後奏
- 親族代表の挨拶・・・親族が挨拶をします
- 献花・・・遺族から献花が始まります。葬儀屋さんか教会のスタッフにうながされたら、事前に学習したとおりに献花してください。
【葬式次第】
お葬式も前夜式とほぼ同じです。
異なるのは献花が終わってから、火葬場に向かうことです。- 前奏
- 聖書朗読
- 賛美歌合唱
- 祈祷
- 聖書朗読
- 賛美歌合唱
- 式辞
- 賛美歌合唱
- 祝祷
- 後奏
- 挨拶 親族代表
- 献花
- 火葬場出発
- 火葬場到着・火葬
- 拾骨
- 式場帰還
- 食事もしくはそのまま解散
カトリックのの葬儀の流れ
カトリックでは葬儀(葬送儀礼)と告別式(参列者とのお別れ)は連続して行われますが、別の儀式として明確に区別することが行うことが多いです。
(葬儀式次第)
- 聖歌 (潅水・献香)
- 祈願
- 聖書朗読
- 答唱詩編
- アレルヤ唱(詠唱)
- 説教
- 共同祈願
- 聖歌
- 主の祈り
- 祈願
(告別式式次第)
- 聖歌
- 祈りへの招き
- 潅水・献香
- 結びの祈り
- 献花
- 火葬場出発
- 火葬場到着・火葬
- 拾骨
- 式場帰還
- 食事もしくはそのまま解散
キリスト教専門に葬儀をしている業者の者です。
私どもに言わせれば、ブログの細かいところのツッコミはスルーして、ご親族ではない一般の方にも、開式から終わりまで都合をつけて来ていただくことの方が大事です。
なぜなら、ご葬儀は、それまで故人を生かしてくださった神様に感謝をささげる礼拝だからです。
佐々木行恵 様
ご指摘ありがとうございます。
実はこの記事、数時間で書き上げて推敲をほとんどしておりません。
なぜそれでアップロードしたかというとGoogleが記事をインデックスして検索順位が上がるまで場合によっては数ヶ月かかるからです。
本文書くより推敲のほうが時間がかかるので、とりあえずアップロードしてしまいました。
そのため不完全な記事を読者に読まれないように、過去記事の中に紛れ込ませてツィッターの自動通知機能のOFFにしていました。
でもアップロード数時間後に読まれてコメントをいただくことになってしまうのですね。
一度記事を取り下げようと思いましたが、そうするとコメント欄も一度消去されてしまうようなのでそのままにいたしました。
反省しております。申し訳ありません。