私は今まで5千通以上の弔電を、お葬式で読み上げてきた葬儀屋さんです。
弔電の例文と、例文の読み方を調べている方が意外に多いようなので、解説いたします。
実際にこれから弔電をお送りになる方は↓こちらの記事を参考にしてください。
弔電を安く送る方法と、効果的な弔文(ちょうぶん、弔電の文章)の書き方を解説しています。
ちなみにお分かりかとは思いますが、弔電の読み方は「ちょうでん」です。お悔(く)やみ電報(でんぽう)とも呼ばれます。
弔電によく出る単語の読み方
弔電によく出る単語の読み方と、解説ページへのリンクです。
- ご冥福(めいふく)
「ご冥福をお祈りします」の意味と正しい使い方を葬儀屋さんが教えます - ご厚情(こうじょう)
- 謹(つつし)んで
- 哀悼(あいとう)の意(い)を表(ひょう)します
「哀悼の意を表します」の意味と正しい使い方を葬儀屋さんが教えます - 哀悼(あいとう)の誠(まこと)を捧(ささ)げます
「哀悼の誠を捧げます」の意味と正しい使い方 - 偲(しの)び
- お悔(く)やみ
「お悔やみ申し上げます」の意味と正しい使い方を葬儀屋さんが教えます - 衷心(ちゅうしん)より
「衷心」の意味と正しい使い方 - 深謝(しんしゃ)
- 拝察(はいさつ)
- ご厚情(こうじょう)
- 痛惜(つうせき)の念(ねん)
痛惜の意味と正しい使い方 - 拝趨(はいすう)
- 弔問(ちょうもん)
弔問と会葬と参列の違い
亡くなった方をうやまう敬称として、使われるのは以下の単語です。
ただし、ビジネス上のつきあいで会社として送るならともかく、個人で送るときは、本人の名前をそのまま使う(太郎様、など)ことが多いです。
- 御令室(ごれいしつ)様・・・妻
- 御尊父(ごそんぷ)様・・・父
- 御母堂(ごぼどう)様・・・母
- 御岳父(ごがくふ)様・・・妻の父
- 御岳母(ごがくぼ)様・・・妻の母
- 御令婿(ごれいせい)様・・・婿
- 御子息(ごしそく)様・・・息子
- 御令嬢(ごれいじょう)様・・・娘
- 御主人(ごしゅじん)様・・・夫
弔電の基本文例と、読み方一覧
弔電の基本文例と、読み方一覧です。
故人や、送る相手の関係性に関わらず、使用できる文章です。
- ご生前のご功績(こうせき)を偲(しの)び、心からご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
- ご生前のご厚情(こうじょう)に深く感謝(かんしゃ)するとともに、故人(こじん)のご功績(こうせき)を偲び、謹(つつし)んで哀悼(あいとう)の意(い)を表します。
- ご逝去(せいきょ)の報(ほう)に接(せっ)し、心からお悔(く)やみ申(もう)しあげます。
- いつまでも、いつまでもお元気で長生きしてくださるものと思っておりました。在りし日のお姿を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。
- 突然の悲報に接し、驚いております。残されたご家族の皆様のご心情をお察しし、すぐにもお慰(なぐさ)めに飛んでまいりたい気持ちですが、遥(はる)かな地よりご冥福をお祈りいたします。
- ご生前の笑顔ばかりが目に浮かびます。どうぞ安らかな旅立ちでありますよう、心からお祈りいたします。
- 悲報(ひぼう)に驚(おどろ)いています。ご遺族(いぞく)皆様のお気持ちを思うと胸が痛みます。心から哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
- 突然の悲報(ひほう)に接し、おどろいております。謹(つつ)んでご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
- 突然の悲しいお知らせに接し、悲しみにたえません。在(あ)りし日を偲び、心よりご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
- ご逝去の報に接し、心から哀悼(あいとう)の意(い)を捧(ささ)げます。
- 悲報(ひほう)に接し、悲しみにたえません。心よりご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
- ご逝去の知らせを受け、ただただ、驚いております。ご生前の功績に深謝(しんしゃ)するとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
- 在(あ)りし日のお姿を偲(しの)び、心からご冥福をお祈りいたします。
- ご訃報(ふほう)に接し、心から哀悼(あいとう)の意(い)を表(ひょう)します。安らかにご永眠(えいみん)されますようお祈(いの)りいたします。
- あまりに突然のご逝去(せいきょ)、お慰(なぐ)めの言葉もございません。ただ、ご冥福(めいふく)をお祈りするばかりです。
- 悲報(ひほう)に接し、心からお悔やみ申しあげます。お力落(ちからお)としをお慰めするすべもなく、ただ故人のご冥福を祈りあげるばかりです。
- 突然の悲報に接し、ご遺族様のお悲しみいかばかりかと拝察いたします。お別れもできなくて、残念です。故人のご冥福をお祈りいたします。
- ご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。ご尊父様には、幾多(いくた)のご厚情(こうじょう)をうけながら、ご恩返(おんがえ)しをすることもできず、痛惜(つうせき)の念(ねん)もひとしおです。ご冥福をお祈りいたします。
- ご逝去に深く哀悼の意を表します。ご冥福をお祈りいたします。
- お悲しみに対し拝趨(はいすう)すべきところ弔問(ちょうもん)かなわぬ非礼(ひれい)をおわびいたします。謹んで哀悼の意を表します。
敬称を使った文例
次に、個人に対する敬称を使用した文例です。
敬称の部分を適切な呼び方に変えて使ってください。
- 御令室(ごれいしつ)様のご逝去(せいきょ)を悼(いた)み、謹(つつし)んでお悔(く)やみ申しあげます。
- 御尊父(ごそんぷ)様の突然(とつぜん)のご逝去(せいきょ)の報(ほう)に接し、お慰(なぐ)めするすべもごさいません。衷心(ちゅうしん)より哀悼(あいとう)の意(い)を表(ひょう)します。
- 御尊父(ごそんぷ)様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
- 御母堂(ごぼどう)様のご急逝を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。まだ信じられない気持ちです。心よりご冥福をお祈りいたします。
- 御岳父(ごがくふ)様のご逝去(せいきょ)を悼み、ご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
- 御岳母(ごがくぼ)様の突然の悲報に接し、呆然自失(ぼうぜんじしつ)のありさまです。お元気だったころのお姿ばかりが目に浮かび、訃報がいまだに信じられません。今はただ、ご冥福を祈るのみです。
- 御令婿(ごれいせい)様のご逝去(せいきょ)の報に接し、心よりお悔やみ申しあげます。ご生前をお偲(しの)びし、悲しみにたえません。遥(はる)かな地(ち)よりご冥福をお祈りいたします。
- 御令嬢(ごれいじょう)様のご訃報(ふほう)に接(せっ)し、お悲(かな)しみをお察(さっ)し申しあげますとともに衷心(ちゅうしん)より哀悼(あいとう)の意(い)を表(ひょう)します。
- 御主人(ごしゅじん)様の突然の悲報に接し、ご遺族様のお悲しみはいかばかりかと拝察(はいさつ)いたします。お別れもできなくて、残念です。故人のご冥福をお祈りいたします。
キリスト教の場合
故人がキリスト教の場合の基本文例と、読み方一覧です。
- ○○様のご訃報(ふほう)に接し、悲しみにたえません。安(やす)らかにご永眠(えいみん)されますようお祈りいたします。
- 神の御許(みもと)に召(め)されました○○様が、安らかな眠りにつかれますようお祈り申し上げます。
- ○○様追悼(ついとう)ミサにあたり、心より哀悼(あいとう)の意(い)を表(ひょう)します。
社葬の場合
社葬(会社が費用を負担する葬儀)の場合で、会社名で弔電を送る場合の文例と、読み方一覧です。
実際は会社代表名(代表取締役社長〇〇など)で、基本文例を使用して送るケースが多いです。
- ○○様のご訃報に接し、当社社員一同心(こころ)からご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
- ○○様のご訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。生前の偉大なご功績(こうせき)に、深い感謝の意(い)と尊敬(そんけい)の念(ねん)をもって衷心(ちゅうしん)よりご冥福をお祈りいたします。
法事の場合
法事(没後四十九日目や一年後などに行われる儀式)の際に弔電を送る場合の基本文例と、読み方一覧です。
法事に送るケースは珍しいのですが、それだけに受け取る相手に印象付けることができるので、おすすめです。
- 故人の一周忌(いっしゅうき)と伺(うかが)い、悲しみを新たにしております。ご遺族の皆様のお悲しみはいかばかりかとお察(さっ)し申しあげます。ご法事(ほうじ)に出席できませんが、故人を偲(しの)びます。
- ○○様の初盆(はつぼん)を迎えられ、新たに悲しみがつのられている事とお察し申し上げます。心よりお悔やみを申しあげます。
- ○○回忌(かいき)にあたり、遠方(えんぽう)から合掌(がっしょう)させていただきます。ご生前のご厚情(こうじょう)に感謝し、謹(つつし)んで故人のご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
- ○○様の○○忌と伺い、悲しみを新たにしております。ご法事(ほうじ)に伺(うかが)うことができませんが、遥(はる)かな地より在りし日のお姿を偲びます。
- ○○回忌にあたり、故人のご遺徳(いとく)を偲び、衷心(ちゅうしん)より哀悼(あいとう)の意を表します。
慰霊祭の場合
慰霊祭の場合の基本文例と、読み方一覧です。
慰霊祭とは宗教色のない故人(複数名が対象のことが多い)をしのぶ会合や儀式のことです。
- この度の慰霊祭(いれいさい)にあたり、ここに眠る御霊(みたま)の安(やす)らかなることをお祈(いの)りいたします。
- この度の慰霊祭開催にあたり、関係者各位(かくい)のご尽力(じんりょく)に敬意(けいい)を表(ひょう)しますとともに、御霊(みたま)のご冥福(めいふく)を心よりお祈りいたします。
- 慰霊祭に際し、ご臨席(りんせき)を賜(たまわ)り、ご芳情(ほうじょう)のほど誠(まこと)に有(あ)り難(がた)く、故人も大変喜んでいる事と存(ぞん)じます。厚く御礼(おんれい)申しあげます。
以上、弔電の基本文例と、読み方一覧でした。
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