弔電の安くて効果的な送り方を葬儀屋さんが教えます




お葬式のマナー本には書かれていない
弔電(お悔やみ電報)の安くて効果的な送り方について解説します。

私は葬儀屋さんなので、これまで数万通の弔電を受け取って、約5千通の弔電をお葬式で読み上げてきました。
その経験から申し上げると、9割以上の方が間違った方法で無駄にお金をかけて弔電を送っています。

弔電の選び方・書き方が分からないという方はたくさんいらっしゃいます。
弔電はめったに送るものではありませんし、受け取る相手の状況を考えると失敗は許されないので、悩んでしまうのも無理はありません。

この記事は、どなたかが亡くなったという知らせを受けて、これから急いで電報を打たなければいけないが、

  • どの電報会社をえらべばいいのか
  • 電報の種類はどれがいいのか
  • どんな文章にすればいいのか

が分からないという方のために書きました。

お急ぎの方は下記の
お得な電報業社の比較(2019年10月改訂)
をクリックしてください。
たとえばNTTを利用すると4,000円以上かかる弔電を、千数百円で送る方法を説明しています。
(お時間のある方は一通り記事に目を通して頂ければと思います)

弔電とは、お悔やみの気持ちを表した電報

まず弔電とは何か、と言う話から。
読み方は「ちょうでん」で
人の死をいたみ悲しむ気持ちをあらわした電報、のことです。(三省堂大辞林より)
故人の訃報を聞いた方で、葬儀式場に参列できない方が遺族に対して弔意(お悔やみの気持ち)を表す電報を打つわけです。

せっかくいただいたものなので弔電披露という形で、一部の特に大切な弔電をお葬式の式中に葬儀の司会者が読み上げるケースが多いです。

そんなわけで
良い弔電は、お葬式をキレイに暖かく引き締める重要なアイテムだと思います。

近年コミュニケーションには電子メールが使われることが多いですが
「手で触れることができる」アイテムというのはお葬式では大切なことです。
儀式というのはそもそも
目に見えないものを見えるようにする役目がある(弔意を表すために頭を下げる、手を合わせる、など)
からです。
電報2

参列・香典辞退でも弔電は送れる

最近お葬式は身内だけの家族葬にして、参列や香典や供花を辞退する遺族が増えてきました。
訃報通知にもその旨が記載されていることが多いです。

しかしそんな場合でも弔電は送れます。
参列や香典や供花の場合は、相手に対する気遣いや、後日いろいろ御礼やお返しをしなければならないことを遺族が負担と感じるのでお断りするのでしょう。
しかし弔電はコストが安く、御礼やお返しも不要なのでを送っても遺族に負担はかけません。
参列できないときだけでなく、参列お断りの時でも弔意を表すことができるのが、弔電の良さの一つです。

(参考記事:友人知人の訃報(亡くなったという知らせ)を受け取ったらすぐやるべきことリスト )

正しい弔電の送り方・打ち方

さてこれから、
実際の「正しい」電報の送り方打ち方について
お話しします。

電話ではなくインターネットで

電報と言えば、「115」に電話してオペレーターに口頭で申し込むもの、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
しかしこの方法は値段が高くつくのと、申込時間が日中に限られる(2017年から8時から19時までの受付になってしまいました)ので、おすすめしません。

この記事をご覧になっている方はインターネットを使用していらっしゃると思うので
クレジットカードをお持ちならインターネットからの申込みをおすすめします。
詳しい理由は後述いたしますが、
安い
文章の校正がしやすい
好きな時間に申し込める
からです。

弔電の値段の相場は?

ではまず具体的な弔電のポイントについて説明していきます。

まず台紙を選んで印刷した紙をはさみこむタイプの弔電の選び方について。
ほとんどの弔電がこのタイプです。

ハート電報中身
NTTなどの大手通信系を例に挙げると基本的に料金は
電報台紙料金+電報(メッセージ)料
という構成になっています。
そして電報台紙は通常1,000円~7,000円くらいまでランクがあります。
さてどれにしましょうか?

細かく統計を取ったわけではありませんが、おそらく葬儀の現場での弔電のボリュームゾーンとして5,000円~6,000円くらいのものが一番多いと思います。
これは弔電会社で一番有名なNTTの弔電の電報(メッセージ)料が高く、最安値の台紙を選んでも4,000円近くかかってしまうからです。
そのためこれが弔電の相場になってしまっています。

台紙の値段は関係ない

そもそも弔電の台紙の値段(ランク選び)で迷うのは
豪華な台紙の方が遺族に対して効果的にアピールできると思っているから
少しでも高いものを、と迷うのですよね。

しかし正直なところ弔電の種類なんてせいぜい20種類程度なので
ある程度の分量の弔電が届く場合は、だいたい誰かと台紙がかぶります。
そのため実際はどの台紙を選んでもアピール度にはほとんど関係がないのです。
そもそも弔電を受け取る遺族には
台紙を含めてその弔電を送るのにいくらかかったのかなんて、わかりません。

台紙の値段ではなく文章が大事

アピール度というのは、
台紙のランクではなく弔電の文章で決まるのです。
弔電は「弔意を言葉で伝える手段」なわけですから当たり前の話ですよね。

つまり台紙は安めので良いので
(とはいえ、画用紙程度の厚紙を二つに折った台紙がありますが、それは貧弱なので正直おすすめしません。それ以上のものならなんでも良いと思います)
定型文をそのまま使うのではなく、自分で考えた文章を入れるのです。

せっかく台紙は漆塗りの高級なものなのに
本文は

●●●様のご逝去の報に接し、ご冥福を心からお祈りいたします。

という電報会社で用意した決まり切った例文を使用しているため、
残念なことになっているケースが多いのです。

よく遺族の方が
「これ、誰なのかしら」
と弔電を見ながらつぶやいているケースが多々あります。
(例えば弔電の送り主が、亡くなった夫の会社関係だったりすると、
奥さんは送り主が誰なのか分からない、というケースが良くあります)

おそらく9割以上の方が定型文を使っているのではないでしょうか。
もしかしたら電報会社が用意した定型文を使わないといけないと思い込んでいる方が多いのかもしれません。

そのような状況なので、自分だけのオリジナルの文章を少し付け加えるだけで、
その他大勢から抜け出すことができ
遺族に対するアピール度がグンと上がるのです。

さらに言うなら、
0円のタイプも5,000円のタイプも
文章を印刷している紙は同じものです。
その紙をどの台紙に挟み込むか、で値段が決まっているのです。

以上のような仕組みなので、遺族が弔電を保管する場合も、結局お葬式が終わると台紙は外して
文章を印刷した紙だけ保管している方がほとんどなのです。
このことからも台紙にこだわるのではなく、文章の内容が大事
というのがお分かりいただけると思います。
電報1

弔電の文章はこうやって決める

さて弔電の選び方をご理解頂いたところで
次は弔電の文章を具体的にどうするか?ですよね。

初心者の方は、(というか弔電を送り慣れている人はほとんどいないと思います)
何をどうしたら良いか分からないですよね。

そういう方は電報サービス会社のホームページVERY_CARDの弔電文例画面
からとりあえず適当な定型文を選び出し
頭と末の文章はそのまま定型文を流用して、その間に自分なりの文章を入れる
という方法をおすすめします。

自分なりの文章をどう書いて良いか分からない方は
自分だけが知る(そして遺族が知らないと思われる)故人の想い出を書くことをおすすめします。
学生時代の友人なら学生時代のエピソードを、
会社の友人なら会社員時代のエピソードを書くのです。

文末が「が、思い出されます」
という文章を挿入すると良いと思います。

たとえば

「●●●さんのご逝去の報に接し、謹んでお悔やみを申しあげます。
ご遺族の皆様のお悲しみをお察し申しあげますとともに、安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。」

という定型文を使って、自分なりの文章を入れると・・・
(例)
「●●●さんのご逝去の報に接し、謹んでお悔やみを申しあげます。
●●●さんとは学生時代席を並べて勉強しました。私の就職が決まったとき
「おごりだ」と言ってくれて、居酒屋に連れて行ってもらい、朝まで痛飲したことが思い出されます。
やさしい彼の心遣いを一生忘れません
ご遺族の皆様のお悲しみをお察し申しあげますとともに、安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。」

こんな感じです。

そしてこういった自分だけが知るエピソードを書くことで
・自分が故人とどういう関係かを伝えることができて
・今や新しいエピソードを生み出すことのできなくなったはずの故人の新しいエピソードを遺族は知ることができて
・遺族は、遺族以外の人からも故人が愛されていることを知る
ことでしょう。

もしかするとグリーフワーク(遺族が悲しみから立ち直ること)に役立つこともあるかもしれません。
そして遺族はその弔電を長く手元に置いてくれるでしょう。

高い台紙を購入して無味乾燥な定型文を載せるよりもずっと有効なお金の使い方だと思いませんか?

それからやはり自分だけの文章を挿入するので、
115に電話して口頭で文章を読み上げるよりも
インターネットから入力することをおすすめします。
ちょっと照れくさい内容だとしても
問題ありませんし聞き間違いも起きないし、
何より推敲(文章を考えること)ができます。

電報3

おすすめ電報業社の比較

では上記のおすすめの方法で弔電を打つ場合、
主要な電報業者を比較してどこがお得か
調べて比較してみました。(2019年10月現在)

かつて電報と言えば115番に電話してNTTに頼むというのが一般的でした。
しかし2003年の法律改正後、NTT以外の会社が電報業務に参入することが認められました。
競争原理が働いたことと、インターネットの導入で運営費用が下がったことによって、安く申し込める電報業者がいくつかあります。

条件は
・上記の文例(172文字)を使用したとして
・一番安い台紙で
・コストのかからないインターネット経由で弔電を申し込んだ場合
ということで比較してみます。

NTTのD-MAIL
まずは最も知名度が高いNTTです。
台紙500円+文字代3,360円=3,860円(税別)
WEB申し込みなんだから文字代で
こんなに料金取らなくても・・・と思ってしまいます。

ほっと電報
ソフトバンクグループの電報サービスです
台紙 500円+文字代3,350円=3,850円(税別)

ほとんどNTTと同じ料金ですね。

おそらくこの二社が高額なのはネット以外に電話での口頭申し込みも受け付けているからでしょう。
人件費のかかる電話申し込みの料金にネット申込の料金を合わせているために、高額になっているものと思われます。
(ネット申込みにした場合、電話申込みに比べてNTTの場合は40円、ほっと電報の場合は50円安くなるだけです)
ネットが使えないという人向きです。

またほっと電報は自社のサイトで私のこのブログ記事を盗作していました。
それを指摘すると該当ページを削除しましたが、外部のライターがやったこととして全く謝罪する姿勢を見せません。
私の記事を盗作したPSコミュニケーションズ「ほっと電報」へ | 考える葬儀屋さんのブログ
この点から私は企業として信用できないと考えています。

でんぽっぽ
KDDIグループの電報サービスです。
文字数に関係なく台紙の違いが価格差になっています。
最安値の台紙で1,650円(税込)
通信大手の中ではがんばっている価格設定です。

VERY_CARD
佐川急便の子会社が運営しています。
文字数に関係なく台紙の違いが価格差になっています。
最安値の台紙を選ぶと1,408円(税込)

ハート電報
文字数に関係なく台紙の違いが価格差になっています。
最安値の台紙を選ぶと1,360円(税込)
会員登録を行うとさらに10%割引きになり、1,224円で弔電が送れます。

こんなところでしょうか。
他にALSOKなど数社あったのですが、本業の片手間にやっていたり、他社に業務委託しているようなところだったので省きました。

私が普段弔電を送るときはハート電報
の弔電を使っています。

理由はネット専業の電報会社なのでスマホからも申込みしやすいのと、何より他社と同じクオリティで格安だからです。
私は10%の割引きが適用されるので会員登録しています。
しかし非会員でも安いので、弔電を送る頻度が低い人は会員登録しなくてもよいでしょう。

またVERYCARDは弔電といっしょに供花を送るサービスもやっています。
弔電だけでなく供花も送る方にはVERYCARDをお勧めします。

電報会社のブランドは関係ない

ちなみにお歳暮などの場合、
(百貨店の包装紙などによって)どこから送られてきたっていうことが
アピールになる場合があります。

弔電の場合、電報会社によって遺族の心理的な受け取り方に違いは出るのでしょうか?

結論から申し上げますと弔電の場合、受け取る側の遺族は、どこの電報会社から送られてきたかというのを全く意識しません。

そもそも電報に電報会社のマークが入っていないことも多いです。
仮に遺族がどの電報会社から送られてきたかを知ったとしても
その弔電にいくらお金をかけたのかというのは、遺族に伝わりません。
何より、お葬式という肉親が亡くなっているあわただしい状況ではそこまで気が回りません。

インターネットで弔電を申し込むときの実践的アドバイス

実際に弔電(お悔やみ電報)をネットで申込するときのアドバイスです。

まずPCで申し込むか、スマホで申し込むか、ですがどちらも使える状況であれば
画面が広くキーボードが使えるPCが少しだけ有利です。
しかし、数分時間がかかるだけでスマホでも特に問題なく申し込めます。
(参考記事:スマホで弔電を申し込んでみた<ハート電報編>
スマホで弔電を申し込んでみた<VERYCARD編>

初挑戦の方でも迷わないような仕組みになっていますが念のため注意点を記しておきます。

1.事前確認事項
a(お通夜ではなく)お葬式の開式時間
b 送り先(≒葬儀が行われる場所)の住所
c送る相手の名前(例えば喪主)

を調べておいてください。
a.届いた弔電の代読(披露)はお通夜ではなくお葬式に行われます。
早く届くぶんには問題ありませんが、お葬式に間に合わないのは問題があるため
お葬式の開式時間を入力させられます。
b.自宅に弔電を送る方がいますが、遺族は(式中に代読してもらうために)その弔電をわざわざ葬儀式場に持参しているケースが多いのです。そんな手間をかけさせないために最初から葬儀式場にお送りするべきです。
c.弔電を送る相手の名前は、喪主であることがほとんどです。しかし家族の誰かであれば、必ずしも喪主でなくても構いません。ただし宛名の姓が故人や喪主と異なっていて、故人の名前が文中で使われていないと、受け取った葬儀屋さんがどこの喪家か識別できないときがあるので、注意が必要です。

2.レイアウト
(縦書き・横書き)と文字の書体が選べるのであれば
縦書き毛筆体
がもっとも格調高く見えるのでおすすめです。

3.名前に特殊な文字が使われている場合
たとえば
髙 﨑 濵 隆 瀨 德 曻 鉃 圡 礼 神 社 福 祐 暲
↑こういった文字ですが(機種によって文字化けしていたら申し訳ありません。)
前述したVERYCARDのサービスで申し込めば専用の外字入力方法が用意されています。(ただしPCの場合)

また心遣いとしては
名前の読み方が難しい方は本人の自覚がおありだと思うので
御手洗(みたらい)
というように読み方を()付で表記するのが親切です。

4.最終確認

最終の入力確認画面では特に

a お葬式の日時
b(文中に入れているなら)故人の名前
c 送り先の方(例えば喪主)の名前
を間違っていないかもう一度確認してください。
まれに喪主の名前を間違っていたり、届け日の入力を間違えてお葬式が終わってから10日後に届く弔電があります。

こうなってしまうと送らない方がマシということになってしまいます。

5.申込にかかった時間は私の場合、スマホを使って初挑戦で13分くらいでした。(PCならもっと早いでしょう。
また自作の文章を考える時間は入れていません。つまり定型文をそのまま使った場合、この時間だということです)
簡単貼付け入力という機能を使用すれば相手の送り先のテキストデータを貼付けてさらに時間を短縮することが可能です。
電話で弔電を申し込んでいたころに比べると格段に楽になっています。

弔電で使ってはいけない言葉

弔電では使ってはいけない言葉があります。

忌み言葉はもう気にしなくていい

弔電を含めてお葬式などの不幸事で使ってはいけないと言われているのは
「忌み言葉」です。

例えば死(し)を含む言葉ですね。
4という数字を嫌がるのもそうですね。

もしくは同じ表現を重ねる言葉です。
不幸事の繰り返しを連想させるから、というのが使ってはいけない理由です。
例えば「度々(たびたび)」「益々(ますます)」「再び」などです。

以上の内容は葬儀のマナー本によく書かれています。
私は出版も経験した事があるので内部事情が分かるのですが、葬儀のマナー本は一定数売れるので、葬儀参列経験の無いライターさんが聞きかじった内容を寄せ集めたいい加減なものが結構出回っています。
正直申し上げてこれまで数万回弔電に目を通して、式中に読み上げてきた葬儀屋さんの立場からすると、
もう忌み言葉は特に気にしなくても構いません
仮に使われていたとしても今は気に留める遺族はほとんどいないのです。
私も式中に読み上げた弔電を、遺族に渡すために整理しているときに、「あ、そういえばこれって忌み言葉だったな」と気づいたことがありましたが、プロでもこの程度の気に留め方なのです。
あえて使う必要はありませんが、失礼はないかと弔電を送る前に何度も見直すなど過剰に気にする必要はありません。

宗教別の言葉の注意

仏教の場合

私の経験上、皆さんが一番失敗している弔電の言葉は「天国」です。
日本のお葬式の8割は仏教形式なのですが、天国は仏教の概念ではなくキリスト教の概念です。
たまに仏教形式のお葬式に「天国で幸せに・・・」という文章の弔電を送ってこられる方がいます。
式中に読み上げなくてはいけない場合は「これ、読んでいいですかね?」とお坊さんに都度確認しています。

キリスト教の場合

逆に「ご愁傷様です」「ご冥福をお祈りします」は仏教の言葉だから、キリスト教のお葬式に送る弔電に使ってはいけない、ということを言う人がいます。
しかしこれは間違いです。
(困ったことにNTTの弔電のページの解説ですら、同様の間違いを犯しています)
ご愁傷様や冥福は仏教から派生した言葉ではないので、キリスト教のお葬式に送る弔電で使ってもかまいません。
(このあたりの詳しい事情は文末の参考記事を参照してください)
一方「成仏」や「極楽」は明らかに仏教用語なので、キリスト教のお葬式の時は使ってはいけません。
しかしそもそもこの言葉をわざわざ弔電で使う人はいないので、実際は気にしなくて良いでしょう。

神道の場合

それから神道の場合も、特に注意する表現はありません。

故人の敬称(呼び方)はかならずしも使わないといけないものではない


忌み言葉と同様に、文中の故人の呼び方(敬称)についても、ああだ、こうだ言われます。
弔電の受取人と故人との続柄によって、よく使われるのはこんなところでしょうか。

父・・・ご尊父様
母・・・ご母堂様
夫・・・ご主人様
妻・・・ご令室様
妻の父・ご岳父様
妻の母・ご岳母様

細かいところでは、おむこさんを指す、ご令婿(れいせい)という言葉すらあります。
一度企業の総務部の方から質問を受けたことがあるだけで、
広辞苑には載っているというレベル。
実際に使われているのを見たことは一度もありません。

この「敬称」は必ず使わなければならないというものではありません。
最近は「○○様」と故人名をそのまま使うケースが増えてきています。
弔電の目的が儀礼的なものから、自分の弔意を伝えるものへとシフトしているからでしょう。
確かに会社同士の付き合いで総務部から弔電を送る場合、もしくは故人との続柄は分かっているが名前が分からない場合は、敬称を使うべきです。
しかしもう少し親しい関係なら、「三郎様」というように名前で呼びかけた方が、むしろ送り手の弔意や気持ちが文章から伝わりやすくなると思います。

耳から聞いて漢字変換が難しい言葉はさける

お葬式の時に、いただいた弔電の中から遺族の方が選んだ弔電を、葬儀の司会者が読み上げることがあります。
もしその状況を想像するなら、「耳から聞いてぱっと漢字が思い浮かばない単語」は避けた方がよいでしょう。
特に音読みの単語のときに起こりがちです。

最速の弔電サービスはどこ?

弔電はお通夜に間に合わなくてもいいのですが、翌日のお葬式の開式時間には間に合わせる必要があります。

訃報(誰かが亡くなったという連絡)を受け取るのが遅れて
今から弔電を申し込んでも、お葬式の開式時間に間に合うかどうか厳しそうな場合の、アドバイスです。

まず各業者の電報到着予定時刻を確認してください。
中には電報の速達(という言い方もおかしいのですが)のようなサービスもあります。
参考までに主要なネット電報サービスの締切り時間一覧を作成しました。(2019年6月現在)

仮に20日の12時開式の都内で行われる葬儀に間に合わせたいとき、申込みのリミットは下記の通りです。

ハート電報
19日(前日)の16時まで (註1)
VERYCARD<通常>
19日(前日)の18時まで (註2)
NTT<ネット申込>
19日(前日)の19時まで (註3)
VERYCARD<サプライズ便>
20日(当日)の9時まで  (註4)

(註1)弔電のみの場合。線香など商品が付いたタイプは18時まで
(註2)種類によっては14時までのタイプがあります。
(註3)NTTのサイトによると19日(前日)の19時までなら19日中、19日24時までに申し込むと20日の8時以降になるという記載があります。実際の葬儀現場では19日24時までに申し込むとほぼ20日の12時までに届いているようですが、申込は自己責任でお願いいたします。
(註4)+700円かかります。

つまり最速の弔電は、VERYCARD<サプライズ便> で、追加料金は必要なものの、当日でも間に合う可能性があります。

※配達は交通状況の影響を受けます。最終的には申込の際にサービス会社のアナウンスを参考にするようにしてください。

どうやっても弔電の到着が間に合わなそうなときは送らない

以上の方法を使っても明らかに開始時間に間に合いそうにない場合、私は弔電を送るべきではないと思います。

弔電はあくまで
遺族が指定した通夜・葬儀の日時に合わせて参列することができないので、参列の代わりにすぐに届く電報という手段を使った
というのが本来のかたちです。

電報が葬儀の終了後に届くのは間が抜けています。
・後日訪問するか
・お悔やみと参列できなかったお詫びの手紙を送る
という対応が正しいと思います。

メールを弔電の代わりに送らないほうがいい

弔電の代わりにメールを送って済ますことはおすすめしません、
というのが私の意見です。

確かにメールは手軽です。
お金もかからず簡単に早く送ることができます。

ここで少し考えていただきたいのですが、お葬式は儀式という「一見無駄で面倒なこと」をやっています。
参列者が手を合わす、頭を下げる
という行為で故人に対する弔意や感謝を表します。
このように目に見えないみんなの「気持ち」というものを、
儀式という行為で見えるようにすることで
遺族の悲しみを癒(いや)しているのです。
ああ、あの人はみんなに愛されていたんだなと、いうように。
おそらく遺族を経験した方には、私が言っていることがなんとなくお分かりいただけると思います。

だからもしなんらかの事情があって葬儀に参列できない場合でも
弔電(≒遺族への手紙)という、メールに比べて一見手間のかかる儀礼的な手段で、弔意を目に見える(手で触れられる)形にしてほしいのです。
同じ文章でも、メールではなく弔電という形式の方が、絶対あなたの気持ちが伝わると思います。
メールと手紙、大切な人からもらってうれしいのはどちらですか?
そういうことです。

もう一つメールをおすすめしない理由は
メールで、弔意を表すフォーマル度が高い文章を使うと違和感がある
ということです。
実際メールでお悔やみの文章を送ろうとした私の友人がそう言っていました。

例えばメールで
「この度はご母堂様の訃報に接し、誠に痛惜の念に堪えません。」
という定型文を打ってみれば分かりますが、(実際はコピペかもしれませんが)
言葉が軽くなる感覚があるはずです。
弔意を表す文章は、まだメールという媒体になじまないようです。

最後にメールをおすすめしない理由として
受け取った遺族が、
「弔電の替わりにメールなんて・・・」
と気分を害する可能性が十分あります。

メールがもっと長い年月使われてくればこの感覚も変わってくるかもしれませんが
今はまだその時ではないのでしょう。

それでもがんばってメールにしっくりくる、弔意が伝わる上手い表現をなんとかひねり出してみたら・・・

おそらくかなりの時間を費やさねばならないはずです。
文才も必要でしょう。
私にもそんな文章は思いつきません。
だったら最初から弔電というフォーマットを使った方が
送り手の負担が少ないと思うのです。

メールほどでないにしろ、ネットで申し込めばそれほど手間もかかりません。

以上の理由で、相手が海外にいるという状況でない限り、私はメールより弔電をおすすめします。

参列する人も弔電を打ってよい

次に参列者電報のすすめ、です。

会社関係や友人など一般の参列の方は近年、お葬式よりも前日のお通夜に参列することが多いと思います。
しかし実際のところ参列者の多いお通夜の場では
ゆっくりと遺族とお話しする時間がとれないことも多いです。
また直接話すのではうまく気持ちを伝えられないかもしれないと、心配な方も多いでしょう。

そんな方で、もし、遺族に何かメッセージを伝えたいと思っている方は
あえて参列した上で弔電を送ってみてはいかがでしょうか。

冒頭で原則的には参列できない方が弔電を送ると申し上げましたが
参列された方が弔電を打つのは別にマナー違反ではありません。
そのような方々に、参列者電報をお勧めします。

法事に電報を打つのはポイントが高い

次に法事電報のすすめ、です。
お葬式の後、四十九日法要、一周忌、三回忌という法事を執り行います。
そんな法事法要のときに、弔電を送ってみてはいかがでしょうか?

電報業者のサイトにもちゃんと法事法要用の文例が掲載されています。
VERY CARDの法事法要文例のページ

法事の際に、弔電を打つ方は少ないので、あえてこのタイミングで打つのです。
そうすることで、遺族に対してずっと故人のことを想っています、という気持ちを伝えることが出来て
効果的だと思います。

これまで義理でなんとなく弔電を打たれてきた方も多いと思いますが
遺族に送る手紙、という気持ちで弔電を打ってみてはいかがでしょうか。

きっと故人も喜んでくれるはずです。
弔電4

 

お花(造花)や線香などの商品付の弔電は選んではいけません

弔電といってもいろんな種類があって迷いますね。
大きく分けると前述した
・台紙を選んで印刷した紙をはさみこむ従来のオーソドックスなタイプの弔電

・ここ最近登場したお花(プリザーブドフラワー)やお線香などの商品付の弔電
があります。

結論から言うとお花や線香などの商品付き弔電は選んではいけません。




これが通常の紙を挟み込むタイプの弔電です。




そしてこれがプリザーブドフラワー付きの弔電




こちらが線香付きの弔電です。

商品付きの弔電は2010年頃から出回りはじめました。

弔電本体+5,000円程度のプリザーブドフラワー(薬品を使って長持ちさせた花)や線香などが
セットで届きます。
(お花を送ると言っても、祭壇にお供えする15,000円程度の供花を送るサービスとは別の話ですので、混同しないでください)

お葬式で使われ始めたのが最近のためインパクトが強く、「お金がかかっている」感は強いので
これを送ろうかなと思う人は多いのでしょう、
最近送られてくる弔電の1割はこのタイプが占めるようになりました。

しかし葬儀式場に送る場合(実際は、お葬式の最中に弔電の文章が読み上げられることが多いので、葬儀式場に送られる場合が圧倒的に多いのですが)
正直無駄になっているな、と感じることが多いのです。

商品付き弔電は誰から送られてきたかわからない

お花や線香などの商品付き弔電を葬儀式場に送ると葬儀社のスタッフが受け取ります。
そうすると葬儀社のスタッフは、
式中に代読する弔電を遺族が選びやすいように
商品とは別にその弔電だけを他の方が送った弔電と同じ束にまとめてしまうことが多いのです。
せっかくのお花は弔電とは別の場所にぽつんと置かれてしまう結果になりがちです。

弔電と一緒に送られた花や線香には送り主の名前がわかる表記が無いという致命的な欠陥があるので
遺族にとっては、「はてこのお花は誰から?」
という残念なケースが多いのです。

例えばこれはNTTの線香付き弔電です。
 

どこにも送り主の名前がありませんよね。

そして↑これが、線香と一緒に送られてきた弔電です。
線香とは別の場所に、他の弔電と一緒に飾られています。
遺族は線香といっしょに送られてきたなんてわかりませんから、
「(失礼ながら)安っぽい台紙ね」と誤解したままでしょう。

送った方はまさか葬儀の現場でこんなことになっているとは、思ってもみないでしょう。

しょうがないので私は葬儀の現場では
弔電に付いてくる送り主の名前が書いてある短冊みたいなもの(伝票?)を
花や線香の箱の底にテープで貼っています。
しかし開式前で忙しいほとんどの葬儀屋さんはそこまではしていないでしょう。

以前NTTに勤めている友人に対し指摘したことがあるのですが
改善されていないようです。

それからお葬式終了後、義理堅い遺族は誰から送られてきたかわからないものの、その商品を持って帰ろうとするので
迷惑なことになりかねません。

以上の理由で葬儀式場に商品付弔電を送ることはおすすめしません。

後日自宅に送るのには適している

一方で、四十九日の法事や、一周忌三回忌などの命日や法事にあわせて御自宅にお送りするには、適した商品と言えるでしょう。
自宅なら、受取人は家族ですから、誰から送られてきたか伝わります。
それから亡くなって時間が経っても故人のことをちゃんと想ってくれているということも伝わりますので、むしろ弔意を表すのに適しているといえるでしょう。

弔電会社のサイトにはちゃんと、法事用の弔電の文章というのも用意されていますので参考にしてください。
VERY CARDの法事法要文例のページ

弔電のお礼は不要

例えばお香典をいただいた場合、後日香典返しを贈るように、弔電をいただいた場合、何かお礼の品を贈った方がよいのでしょうか?

結論から申し上げますと、弔電のお礼は不要です。

そもそも安い弔電は1,200円くらいからあるので、それにいちいちお礼をしていては遺族の負担になってしまいます。
また弔電の本文に住所が書かれていないことも多いので、送り先を調べるのも一苦労です。
そのため弔電のお礼を送らなくても無作法ではありません。
ただもし弔電の送り主の住所を知っていて、かつ葬儀後のお礼状や喪中はがきを送る予定のある方は、送り先に加えておきましょう。

海外に弔電を打つ場合

こちらの記事を参考にしてください。
弔電を海外へ送る または 海外から送る方法 

関連記事へのリンク

最後に弔電の文章に関連する記事にリンクをはってみました。
参考にしていただければと思います。

ご愁傷様の意味と正しい使い方
「お悔やみ申し上げます」の意味と正しい使い方
葬儀屋さんが教える香典のマナー
「ご冥福を祈る」の意味と正しい使い方
「哀悼の意を表します」の意味と正しい使い方
お葬式で使ってはいけない言葉











11 件のコメント

  • とても参考になりました。
    私が無知で横書きで出してしまったのですが、失礼にはあたりませんか。
    手配してからこちらのブログを拝見しました。

    • 総務難しい 様
      >とても参考になりました。
      ありがとうございます。

      >失礼にはあたりませんか。
      縦書きが格調高く見えるのでおすすめししてるだけで、横書きがマナー違反というわけではありません。
      全く問題ありません。

  • とても参考になりました。こういうことに関して無知ですと、今はネットで検索をして調べて失礼の内容にとしますが、ついつい大手企業の公式ページが正解だと思って信用してしまいます。(←全てが合ってないわけではありませんが。)本日弔電を送るのですが、とても勉強になりました。そして自分の言葉でというところで、今文章を考えています。(小さい頃に遊んでもらった親戚なので思い出を思い出すのが難しい…笑)参考にして送ります。ありがとうございました!

  • 今の時代、形より心が喜ばれると思います。
    まさに、こちらではそこを抑えながら詳しく教えて下さり、本当にためになりました。ありがとうございました。
    お父様を介護した末に見送られた友人に、真心の弔電を考えて送りたいと思います。

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