2010年9月3日19時から放送された
TBSの「がっちりアカデミー!!」という地上波の番組で
「公営葬儀で費用を安く」という話題が出ました。
ちょっとこの番組の内容は消費者に誤解を招く恐れがありますので、
少し述べてみたいと思います。
(地上波で発言されては、私のマイナーなブログで指摘したところで、
焼け石に水なのは重々承知しています。
しかしながら消費者と善良な葬儀屋さんが結果的に困ると分かって何も発言しない
というのはいけないと思いました。)
区民葬は物品の提供のみ
区民葬とは、区民のお葬式を、役所が地元の葬儀屋さんに特別価格で委托する制度です。
一件、通常の葬儀の半額程度でできそうなことが、パンフレットに書かれています。
しかし東京23区においての区民葬は、基本的に物品の提供のみ
と考えておいた方が良さそうです。
実際は、祭壇や棺などを自宅に持ってきたら、「あとはよろしく、はい、さよなら」ということなのです。
そもそもこの区民葬の制度は、地域共同体が機能していて、
近所の人がお葬式を手伝ってくれていた時代に始まったものです。
基本的に物品の提供のみを前提として、
葬儀社の人的サービスの提供は想定していなかったようです。
そのために安い価格設定ができたのでしょう。
結局、普通に葬儀屋さんに頼むのと変わらない金額のことも
以前区民葬の指定業者さんに電話をしまくって、確認したことがあります。
なんでわざわざそういうことをしたかというと、よく「区民葬、もしくは区民葬の予算で葬儀ができますか?」という問い合わせがお客様からあるので、区民葬の実態を知るためです。
区民葬の指定業者さんは実際にはさらに追加項目として人件費をもらって、
(名目は必ずしも「人件費」を意味するとは限らない)
自社の最安のプランと同じ水準にしているところが多かったです。
区民葬に関してはこのあたりのことを理解していないと、いざというときになって、
困ってしまうことになります。
よくさがせば、追加項目無しでやってくれる葬儀屋さんもあるのかもしれませんが
区民葬を希望する場合はくれぐれもご注意下さい。
おまけ
それから余談ながら、なんで番組の中で「日本消費者協会の葬儀に関するアンケート調査」の
平成15年版の236.6万円という数字を使ったんでしょうか。
19年版の231万円データがあるのに・・・
葬儀費用をより高く見せたかったのかな?
ま、どちらも間違っているんですが、
平成15年版は近畿地方の葬儀基本部分のアンケートサンプル数が1名!
というすごい代物 (^_^;)
(参照ページ:マスコミが報道する葬儀費用のウソ)
また番組に出てらっしゃった「先生」に関しては
で過去に何度か取り上げております。
多分、今後も「ご活躍」されるのではないかと・・・
いやあ、拙いもので申し訳ありません。まあ案外一般の方々もああいう番組は「話半分」に聞いているのかもしれませんけれど。