もう先々月の古い話なので恐縮なんですが
読売新聞の冠婚葬祭に関する世論調査(対象は全国の20代以上)
についてのお話しです。
葬式に関する回答はこんな感じ。
* 慣習やしきたりにこだわらなくていい 58%
* なるべく簡素におこなう 92%
* 火葬だけをする「直葬(ちょくそう)」はとくに問題はない 72%
この調査を受けて
マスコミの方が「葬儀はもう終わり」と騒いだのはよく分かるんですが
葬儀業界でも、まぁ大変、という意見が主流だったのは
正直「意外」だったので
鮮度のない話題にもかかわらず記事をアップしました。
良く言われる話ですが
半分水の入ったコップをみて
「もう半分」と思うか「まだ半分」と思うか
っていう話がありますよね。
上記の調査結果を「裏返して」みると
* 慣習やしきたりにこだわりたい人は41%
* このご時世に葬儀を盛大にやりたい人が8%
(それ以前に↑この質問の回答の選択肢が「なるべく盛大」「なるべく質素」の二者択一なのがヘンとも言えますが)
* 直葬を問題だと考えている人が28%
となって
私は、あー、こんなにも葬儀肯定派がいらっしゃるんだ
と思ったのです。
全国調査ということもあると思いますが
意外とみなさん保守的ですね。
おまけに
40代以下の「次世代」が43%を占めている調査の数値ですからね。
直葬に関する質問も自分がどうするかということではなくて
一般論としてどう思うかという質問ですし、
他の質問事項で「自分」の葬式をしたくないという人は5%でしたし。
確かに葬儀業界に関して私は衰退産業だと思っています。
しかし葬儀屋さんにお聞きしたいのですが
そもそも御社の商圏内のシェアはどれくらいなのでしょうか?
7割超えて伸びしろありません、なんてところは数えるほどではないですか。
セグメントをちゃんと絞れば十分やっていけると思います。
もちろんダメになる葬儀屋さんはこれからどんどん出てくるとは思います。
しかし
昔は葬儀業界がぬるま湯だっただけで
国際競争にさらされているメーカーや、少子化の影響をすでに受けているサービス業に比べて
意外と葬儀業界の将来は悪くない、と思うのですが
いかがでしょうか?
(参考記事:葬儀屋さんのグローバルな競争力を考えてみる)
あと追記ですが
(おそらく回答者の半数以上は実際に葬儀屋さんから見積もりを取ったことはないと思いますけど)
「葬式にかかる費用には不明朗な部分がある」と思いますか、そうは思いませんか。」
という質問に対して
答えは
1.そう思う 80 2.そうは思わない 19
でした。
マスコミが印象操作しがちな部分にも関わらず
(確かに不明朗な葬儀社も多いですけど)
2割の人がそう思わないと思っていただいていることも心強いです。
一番不明瞭なのはお寺に払うお布施です。
金のかかる寺とかからない寺がありますからね。
葬式にやたら金をかけたがる世代は中高年でしょう、若い世代は雇用悪化で式も墓も建てる余裕ないみたいですよ。
火葬だけ済まして、読経はCDで納骨は自分の敷地で出来れば一番お金がかからずに済むんですがね…
どうも葬式は葬儀屋さんの為に、納骨や法要、その他はお寺の為にあるシステムですね。
人間死んでも遺族が居る限り、お金が発生する仕組みですね。
冠婚葬祭で伸びしろがあるとすれば、孤立死や遺品整理に特化した分野と思います。
この分野専門の互助会も必要あるのでは…
前略、いつも鋭い切れ味でつぶやかれているのを羨ましくも感心しつつ・・。今回もまたしかり!この業界は・・まだ伸びが見込めるでしょう。アンケートを逆手にとっていかにせめられるか・・・。でも、価格を比べても中身が比べられないから・・・。いかに情報を提供して納得してもらえるかでしょうねぇ。
ふぁいとっ!!
読経をCDで墓は敷地なら、別に仏教的にしなくてもいいのでは…。
最近葬式があったので興味深くみていました。
確かに葬儀会社の不明瞭な見積もりの問題、寺院に対する高額な御布施、これが葬式の価値観を下げているとは思います。
ですが、葬儀会社も、利益にならなくても最期の別れにできる限り協力したいという理念で務めているところもありますし、お寺も、御布施は個人の想い次第なので無理なくでいい、代わりに亡くなった方があげてくれてありがとうと幸せに思えるような法要にしましょうというお坊さんもいます。
どうしても悪いイメージが先行しますが、喪主もお寺も葬儀会社も、根底にある法要の価値をもっと大切にしていってほしいです。
猫丸様、
> 火葬だけ済まして、読経はCDで納骨は自分の敷地で出来れば
この方式、やったことありますよ。
iPADにお経の音源入れて。
さすがに敷地に埋めるのは法的にムリなので
自宅にずっと安置していただいていますが。
umezho様、
励ましのコメントありがとうございます。
> 前略、いつも鋭い切れ味でつぶやかれている
ツイッターではブログよりも若干「黒い」キャラクターでつぶやいています。
(^^;)
通りすがり様
コメントありがとうございます。
お寺も葬儀屋さんも玉石混淆ですね。
でも最近の傾向として、ちゃんと「淘汰」されていると感じることが多いです。
消費者の方が賢くなったおかげだと思います。
行政直営の「玉野市方式」はレベル的な問題も多くありますが、行政後押しの「新居町方式」は実績を上げています。http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-510/genki/gyosyu/kakusya/168_arai.html
湖西市やJA王国の長野県内でも「新居町方式」が行われています。(地方都市でしか無理と思うが)
「新しい水が入り、澱んだ水が澄む」ことは歓迎であり、自然淘汰は社会の摂理です。
刻苦勉励し、切磋琢磨が必須です。
prof様、
なるほど
こういう手もありますね。