葬儀屋と学歴




今回の記事は、業界のほとんどの方の同意を得られないかも・・・
まっ、軽く読み流していただければ(^_^)

さて、先日こんな質問がMSN質問箱に投稿されました。

「娘が大学4年で、大手の葬儀屋から内定を貰ってきました。
ビックリしています。折角大學まで出したのに、
何故葬儀屋なんかになるの?
穢れた職業よ(偏見ですが)絶対受け入れられません。
娘は「葬式の司会をする」仕事だと説明されたそうですが、
死体に触ったりするのではないでしょうか。
一体大手の葬儀屋で大卒で就職した場合
どのような仕事をするのでしょうか?」
(引用終わり)

大学

まず思ったのは、この娘さんは賢いね。
娘さんは葬儀屋さんの仕事って「葬式の司会をする」だけじゃない、
ってことは十分承知のうえだと思います。
でもこんな親だからホントの事言ったら反対すると思って、
「葬式の司会をする」だけ
って言い方をしているのだと思います。

この親御さんの考えはひどいと言えばひどいのですが、
現実問題としてこのような考え方をする人は
(言いたいのを我慢しているケースも含めると)
結構いらっしゃると思います。
この問題のうち葬儀屋に対する嫌悪に関しては以前

葬儀は高いという問題と葬儀屋は嫌われるという問題を深く考えてみる1/3

なぜ葬儀屋は嫌われるのか? 1/4

という記事を書きましたので、こちらをお読みいただけるとありがたいです。

また
葬儀社に就職したい!人のためのノウハウ 4/5
でも、葬儀屋就職への最後のハードルは親、と述べています。

で今回俎上(そじょう)に載せたいのは
折角(せっかく)大学まで出したのに、何故葬儀屋なんかに
のところ。

わたしも就職活動の時、同じようなことを言われたことがあります。
会社訪問したくて電話をかけた先の、葬儀屋さんに・・・(^_^;)
葬儀屋自身が「大学を出てまで・・・」って言ってるんだから、
そりゃ親御さんは言うよね。

まぁ「大学を出てまで・・・」と言っても
最近はどこの大学でも良いなら誰でも行ける時代なんですけどね。

それに、実は高学歴な葬儀屋さんて、最近はそれほど珍しくないんですよね。
確かに私の同僚にはほとんどいませんけど、知り合いの葬儀屋さんには
国 立・六大学クラスの葬儀屋さんがいるらしいです。
(慶応・立教・青学の出身者よりも早稲田・明治・法政の出身者が多いのは、
いかにもですけど。)

ところで高学歴(ここではいわゆる一流大学卒って定義します)の優位性について
考えてみると、
高学歴という付加価値が、葬儀業界で有利に働くケースは
ほとんどないと思います。
大手を中心に大卒の新卒者を採用しだしたのはこの10年くらいなので、
学閥なんてのもないですし。
つまり葬儀業界では高学歴の優位性を活かせないので、
確かにもったいないとも言えそうです。
しかし、そもそも今のご時世、一流大学出てることが無条件に有利な仕事って、
Ⅰ種国家公務員の一部と都市銀行くらいしか私には思い浮かびませんけれども。

では傾向として高学歴者と低学歴者とで、
葬儀屋さんとしての実務能力の違いはあるのでしょうか?
アカデミックな教養が仕事のパフォーマンスに反映されるかってことですね。

葬儀屋に必要な能力でも述べたように、葬儀屋さんには
ホスピタリティとタフネスが不可欠、
逆にこれらさえあれば、あとは何とかなります。

ということで、高学歴と低学歴では、
葬儀屋として明白な能力の違いはありません

しかし、であるならば、
むしろ高学歴の人に葬儀業界に来て欲しい
と私は思うのです。

なぜなら冒頭の親御さんのように、
葬儀屋さんに嫌悪感を感じている人というのは、
論理よりも感覚に引きずられるタイプです。

そういう人はハロー効果に弱い。

ということは、葬儀屋だけど高学歴、っていうのが
彼らのような人間の、葬儀屋に対する考えを
最も効果的に改めさせることができる
と思うのです。

だからあえて高学歴の人に葬儀業界に来てほしいと思うのですが・・・

いかがでしょ?

そんなわけで、
学歴の価値がなくなりつつある昨今にもかかわらず
この業界に一流大学出身者が普通に入ってくれるようになればいいなぁ
と思う今日この頃。
でも、実現するころには学歴の価値はほとんどど無くなっているかも・・・











12 件のコメント

  •  高学歴でもそれをひけらかすことなく謙虚に誠実に勤めを果たしてくれる人や、低学歴でも努力を怠らず常に向上しようとする意欲のある人でしたらぜひ来ていただきたいですね。
     例えば非常に学歴が高くても、低学歴の人にわかる言葉で話せない人は役に立ちません。それならば語彙が少なくても誰でも理解できる言葉で話す人のほうが実務では有用です。
     まあそれでも、せっかく時間もお金もかけて大学で勉強してきた人が、その知識をまったく葬儀業で役立てられないならもったいないかなと思うこともあります。私は超低学歴ですから、周囲に対してですけど(汗
     そしてあえて言うなら、学歴が高い人は高収入を願ったり独立を目指す傾向も強いので、それがあまり極端ならば部下にはほしくありませんね(泣

  • うちの会社には大卒は普通だったので、大学まで出したのにという例のつぶやき(私はTwitterで知っていて残念だとは思っていました)に対して、今時まだいるんだな~と思ったのが正直な感想でした。何たって私が大卒ですから(^_^;) 学歴ってスタートする前の話で、基礎体力があるのでスタートダッシュが少し出来ますぐらいの話で...確かに学閥とかハロー効果というのは納得ですが...

    それと最近では、一流と言われている大学の学生からの問い合わせが増えています。葬祭業もやっと認められてきたのかなと少しは思います。

  • 高見 晴彦 様、コメントありがとうございます。
    > 高学歴でもそれをひけらかすことなく謙虚に誠実に勤めを果たしてくれる人や、低学歴でも努力を怠らず常に向上しようとする意欲のある人でしたらぜひ来ていただきたいですね。

    同感です。
    もっといろいろな人が入ってきて業界を活性化してくれればと、思っています。

  • 鈴木晴之 様、コメントありがとうございます。

    > それと最近では、一流と言われている大学の学生からの問い合わせが増えています。
    確かにそれは感じます。でも実際就職に至るのはごく一部という印象です。
    やっぱり、親御さんの反対があるのでしょうか。

  • 現在、葬儀社に転職をしたいので、求人に応募していますが、最終学歴が大卒っていうのが、よくあります。

    私は大学中退なので、応募できなくて、残念におもってますね。

  • 葬儀業界の高学歴化は中国や台湾、韓国では政府の考えとして進められています。
    例えば、韓国のソウル保健大学葬儀学科の入学倍率は20倍以上であり、他大学の葬儀学科も低くはありません。
    中国では葬儀社は1社を除いて公営であり(法令で民営は禁止)、大学新卒を算用する様になりつつあります。
    民間霊園では大卒+留学が標準であり、自国言語+外国語が採用基準となっています。

    これらは、葬儀に関する法令や政府の指導があるためであり、高度の専門能力や管理能力を各自治体や事業所は確保しなければならないためです。
    大卒等の学歴=優秀な人材ではありません。
    特に日本では大学募集人数よりも出願者数が少ない事態が続いており、一部の有名校を除けば定員割れであり外国人留学生を入学させて、学校運営を維持しているのが現状です。
    即ち、希望をすれば誰でも大学に入れる(アメリカ同様)であり、大卒だけでは価値は然程ありません。

  • しかし、大卒者が葬儀業界に入るようになったのには2種の原因があります。
    1番目は企業側の思惑であり、当社は大卒が職員ですとのご家族や他者へのアピール性(これは業界としてもイメージアップになる)、従来の放漫経営や管理を解消する目的もあります。(旧態已然の体質からの改善)
    2番目は学生側の選択肢に葬儀業界が入ったことです。
    誤った情報により、葬儀業界が右肩上がりと報道され(葬儀施行数nは伸びますが、n単価の減少が激しく実質的にはマイナス成長)たために「有望な産業」と取られています。
    また、今までは大卒者が少なく「簡単に上に上がれる」との考え方も否定できません。

    アメリカの大学生は大企業へ就職せずに、小さな会社に就職して業績を伸ばし、ストックオクションを求めます。
    未だに日本人の大企業信仰や終身雇用信仰はありますが、
    ニッチ産業やニッチ企業への興味が増加したのも事実です。
    そして最大の原因が「死生観の変異」と考えています。

  • トム 様、コメントありがとうございます。
    買い手市場の影響が出てるのでしょうか。
    ただアドバイスを申し上げますと、まだまだ葬儀社の人事って
    いい加減なので、頼み込んで熱意を示せば結構学歴の問題は
    見逃してくれたりしますよ。

  • prof様、いつも貴重なコメントありがとうございます。
    アジア圏の葬儀社の就職事情ってそんな状態なんですね。
    私は葬儀業界を、役人が監督するよりは、自由競争に任せるべきではないかという考えなのですが、
    prof様の話をお聞きすると、
    やっぱり行政が介入した方が良いような気もしてきました。

  • 中国では国民保護のために、民間の葬儀への参入を認めていません。
    貿易自由化に伴い、葬儀市場の外国企業への開放が数年前に実施する予定もありましたが(アメリカSCIや日本企業)、民政部は葬儀市場の混乱が生じ国民にとっては不利な条件になりかねないと判断し拒否しました。

    一方、台湾ではご遺体の安置は公営火葬場と寺院のみに許されており(一部特例あり)、これらに併設された斎場で葬儀を行うのが一般的です。
    そして、式典を施行するのが葬儀社であり、これらは全てが民間企業です。
    しかし、台湾の葬儀社の6~7割はヤクザの様な組織や企業とも考えられ、全施行数の3~4割はこれらの葬儀社が関与しています。
    大手の葬儀社は健全ですが、小さな葬儀社や地方の葬儀社ではこれらの傾向があります。

    そのために、台湾政府民政部と地方政府民政部では、国民保護と葬儀業界の健全化を目的に法令を制定し、管理しています。
    エンバーミングは臨床経験を有する医学資格者以外は認めておらず、遺体美容師(遺体の化粧や着付け)は自治体主催の講習会や大学主催の講習会を受けなければなりません。
    中国の様に葬儀に関する事(霊園・墓石は民間も可能)は、民間を認めないのと異なり、葬儀や霊園・墓石は民間で行っても良いが、法令に違反した場合や苦情が多い場合は登録を取り消し、営業許可を取り消すとの姿勢です。
    個人的には、台湾方式が国民保護(選択肢の拡大も含め)と業界の健全化(クリーン効果とレベルアップ)では、有効と考えています。

  • 韓国は儒教思想が強く、非常に特殊な考え方があります。
    葬儀は日本と同様に民間の葬儀社で行う事も多いのですが、大都市では病院の葬儀部で行う場合が多いのが特徴です。
    そのために、大学葬儀学科の卒業生でも病院へ就職する者が多く(大卒資格が必要)、病院内(多くは病院の地下)で葬儀を行い、火葬場に遺体を搬送して火葬を行い、納骨施設に焼骨を収容しています。

    韓国でも国策として土葬から火葬へ変換しましたが、これに伴い葬儀業務の近代化や健全化が求められ、これらに対応する高度職業人の育成が望まれ、韓国各地の大学(私立がメイン)に葬儀学部が新設されました。
    しかし、法令で規制する部分も明確であり、現時点ではエンバーミングは認められていません。(ソウルの漢江近くには行っている施設がありますが、あくまでもコッソリ)

    葬儀を福祉等として捕らえれば法令は必要であり、全くの商業として捕らえれば法令は必要ではありません。
    商業では自由競争が基本であり、その手法は各自営業者のモラルに一任されます。
    国民生活センターや各地の消費生活センターへの苦情分類では、葬儀に関する苦情や相談が常に上位であり、日本としても法令化や規制に乗り出す時期には来ています。
    しかし、本来は健全な営業活動や施行を行っている葬儀社は法令化を望むのかも知れませんが、現状では日本の葬儀業界は法令化や規制を望んでいません。

    法令化は国民保護(日本人以外を含め)にも業界の健全化や保護にも有効なのですが、既得権益が減少する業者もいる(大企業や権力の強い葬儀社)ことから、実現は不可能でしょう。
    大卒葬儀社社員=優秀な葬儀社社員ではありませんが、物事を考える葬儀社社員が増える可能性は大です。

  • prof 様、度々のコメントありがとうございます。
    圧巻というか、中国韓国台湾の葬儀屋就職事情がほとんど網羅されてしまいました。
    私の拙文のコメントとして扱わせてもらうのは申し訳ないような・・・

    >(ソウルの漢江近くには行っている施設がありますが、あくまでもコッソリ)
    一体、このような情報は、どうやって?!
    (^^;)

    今後ともよろしくお願いいたします。

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