葬儀社内で一番バカな人と重要な人

先日
池田信夫 blog : 天皇制の経済学
という記事を読みました。

葬儀屋さんも事業部制だよね。
情報は現場が持っている。

ある程度大きい組織(100人以上かな、今回はこの規模の組織の話です)の葬儀屋さんでも
権限はほぼ現場に委譲されていることが多いよね。
これは悪いことじゃないと思う。

ワンマンの社長に権力と情報が集中している葬儀屋は
うまくいってないことが多い。
あそことかあそことか(^^;)
社長自身はうまくいっていると思っているんだけど
結果的に現場の動きを妨げていることが多い。

だから現場がしっかりしている事業部制の葬儀屋では
社長はかならずしも有能でなくても良いケースが多い。

ピラミッド

事業部制の葬儀屋さんの組織で一番ストレスがたまるのは
職位の階層が下がっていって、現場スタッフと非現場スタッフとの境目
つまり現場スタッフとの「接点」の直上にいる非現場管理職だと思う。

それぞれの組織の構造によって、
その役職は支店長であったり部長であったり、役員であったりするのだけれど。
現場からはバカにしか見えなくて、事実上バカ扱いされる。

もちろん実際はそれほどバカではないのだけれど、
先程述べたように情報は現場に集まり、非現場管理職には集まらないから
現場からはバカにしか見えず、嘲笑と否定の対象になる。

たとえその人が元現場出身者であっても、
時間が経つにつれてやっぱりバカ扱いになる。
(実際はそれにピーターの法則が加算されるわけだけども)

どの業種にも多かれ少なかれあることかもしれないが
葬祭業はこの断絶が激しいように思う。

もうバカ呼ばわりされることで、
給料もらっているような状態だ。
(他業種から管理職として葬儀社に転職する人は
この点にご注意あれ。
そして現在そういうポジションにいる人は構造的な問題と割り切って
自分を責めないこと。)
通訳

最近の葬儀業界が急激に変化しているといっても
それは昔に比べて、の話だから
IT業界なんかに比べるとほぼ「止まってる」みたいなもの。
大きな舵取りは絶対必要だけど
トップダウンで矢継ぎ早の指示を出さないからといって
現場の機能が停止することはない。

というか出しても意味がない。
なぜなら、現場に伝わらないことが多いから。

だって指示は途中から「バカ」が伝えることになるんだから。

指示を受けて現場は
計画実行のHOWはあるけどWHYが無い
と感じていることが多い。
これが繰り返されると
現場は信用しないし、動かない。

だから大手葬儀屋でもっとも重要な人材って
「通訳」なんだよね。
経営者の言語と現場の言語が両方分かった上で
それを翻訳してお互いのグループに伝えられる人。
こういう人ってなかなかいない。

もしかしたら組織にとっては
社長よりもキーパーソンかも。