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ISO(国際標準化機構)導入は葬儀屋さんにとってプラスか




ごく一部ですけど
葬儀屋さんでISO9001を導入しているところがありますよね。
私の勤める葬儀社でも数年前導入の話が出ました。

ざっくりとISO9001の仕組みを説明すると

手順を文書化して、記録化することで
サービスのクオリティを担保するという仕組みの国際基準。

それまで
異業種に勤めている友人からISOの話を聞く機会があったのですが
どうも葬儀業界とは相性が良くないんじゃないか・・・
と思っていました。

導入検討の話が出てから
既に導入している葬儀社の知合いから情報を集めたところ
やはり葬儀社にとってプラスにならないと判断し
導入を見送りました。
 書類

ISOを導入したことで葬儀社にとってプラスになることがあるとすると以下の2点。
①手順が文書化、記録化されることでサービスのクオリティがアップする
②ISOを取得している企業ということで、消費者に信用される、いわゆるシグナリング効果

①に関しては
クオリティはアップしないという結論に達しました。

以前こういう記事を書きました。
この記事ではマニュアルを作れ、と主張しています。
なぜなら葬儀業務には絶対マニュアルで処理できないタスクが出てくるから。
そのタスクを処理するためにはルーティンワークの負担を極力軽減させなければいけない。
だからマニュアルを作れ、という主旨でした。

ISOはどうやらこのルーティンワークを記録する書類を作成すること自体に
時間がかかってしまうようなのです。

エンロン事件後成立したSOX法によって、
信用がどうこう以前に、書類化に忙殺され、
むしろ企業のパフォーマンスが低下したことと似ているかもしれません。
 

また手順を文書化しても
それがサービスのクオリティアップにつながりそうもありません。

なぜなら

葬儀の現場って凄く大げさにいうと
戦争状態。

戦争にも国際法というルールが一応あります。
でも国際法はこれだけはやっちゃいけない、
という最小限のルールにとどめていますよね。
なぜなら不測の事態が起こりうる戦場で
いちいち細かいルールのチェックなんか機能しないから。

製造業なら必要かもしれませんが

葬祭業の場合、総括的レベルでチェックできる項目を満たしたからと言って
その程度のサービスでは高い評価は得られません。
 

次に
②に関してもあんまり効果ないらしいです。
確かにメーカーや食品系なら信用できるかもしれません。
しかし葬祭業の場合はピンとこないですよね。
同じサービス系であるホテル業がISO取ってるというイメージがありません。
おそらくISOよりもホテル名自体の方が
安心のブランドになっているからかもしれません。 

ISO9001を導入した葬儀社の方へ
実際のところはどうなんでしょうか?
もしこのブログをお読みでしたらご意見お待ちしています。











18 件のコメント

  • 以前、ISOを導入した葬儀社におりましたが、私は導入して良かったと思っています。
    その葬儀社はそこそこの規模がある法人でしたが、葬儀屋レベルの仕事から葬儀社レベルの仕事の仕方に変化するきっかけになったと思いますし、数百人いるスタッフの人材的品質のバラつきを無くし、底上げも出来たと思います。
    また、記録を残していくことは確かに手間ですが、その記録をいかに生かしていくがが大事で、手間以上の効果はあった思います。
    きっと導入するメリットがあるかないかは、その葬儀社の規模やスタンスによって大きく違うのでしょうね。

  • 伝統芸能や伝統工芸は「伝承や承継」ですのでマニュアル化は難しく、あくまでも「個人能力評価」(いわゆる職人や匠)ですのでISOは意味がありません。
    しかし、サービス業である葬儀ではISOは有効でありマニュアル化は必須です。
    家族や数人だけの社員の葬儀屋であればマニュアルは意味がありませんが、少なくとも複数の者が業務に当たる場合においては「クオリティー維持にはマニュアル化が必要」です。(ISOはマニュアル厳守の意味では有効)

    子弟制度が残る分野では無理ですが、医療を含めたサービス業で「マニュアル不在はあり得ません」。(問題発生や発覚時に、原因や解決策が特定できない)
    マニュアルもISOも「厳守と維持が重要」であり、Wチェック・システムの構築を行わなければミスはなくなりません。(ミスのほとんどは、ヒューマン・エラーですので)
    家族で営む葬儀屋でも、「自分達で出来る範囲でのマニュアル化」は必要です。

    ヤバい情報が来ましたので、「新法案」関係と共に送ります。

  • コウ様、
    貴重な情報ありがとうございました。
    うむ、導入しておけば良かったんでしょうか(^^;)

  • prof様、
    確かにマニュアル化は必須なんですが
    どうも導入したところの話を聞くと
    「火葬許可書を忘れるな」というレベルの確認項目が多く
    書類に西暦で日付を入れると元号で入れてないから不可と言われる
    とのことでした。
    これはちょっと・・・

  • こちらは製造業ですので、取引の条件ですから必須ですが、
    規格文書の管理・定期監査対応等で維持にも相応の人手が必要になります。
    小規模の会社はやはり難しいようです。
    また、導入しても社員が理解していないと、とんでもない規格文書を作成していたり。
    仕事の質を上げるためのシステムですが、社員の質を上げないと維持も難しいと
    感じます。

  • 葬儀業界でのミスは「致命的ではなく、扱いが雑」(先月の遺体取り違えでもなし崩し)ですが、医療現場では「ミス=死」に繋がるためにあらゆる対策が講じられていますが、「何故か日本は医療ミスが多い国」です。
    これは、日本の医療はアメリカ、ドイツと並び「世界でトップクラス」である反面に、あるゆる機器類やシステムがあり「非常に複雑で専門性が高い」との部分があり、ヒューマン・エラーを誘発する素因もあります。

    実際に、医療機器やシステムが不十分であり「人的能力依存型医療」の中国での医療現場では「医療ミスが少ない」との部分もあります。
    日本はチーム医療、システムと医療機器依存型医療であり、外科医等を除くと個人能力よりも施設能力が評価対象となります。
    そのために、「大きな病院ほど医療ミスが多い」(当然ながらマニュアルはしっかりしている)との部分があります。
    そのために、数年前より国内の大学病院の看護部門ではPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)を採用しており、新人教育、ミス防止、労務軽減、レベルアップを目指しています。(日本の葬儀業界でも取り入れるべきだが、恐らく無理 PFS)

    取りあえず、「ハインリッヒの法則」を採用して危機管理意識改革(情報の共有と、事故・ミス防止)辺りから始めなければなりません。
    恐らく、社内に情報掲示板、事故速報、事案解析情報、カンファレンス等を行う会社がないのが原因なのですが、「事故やミスから学ぶ」ことがもっとも簡単な防止策です。

  • はっちゃん様
    >社員の質を上げないと維持も難しいと感じます。
    なるほど。
    社員の質を上げるための仕組みなのに
    卵が先か、みたいな話ですね。

  • 以前は、OJTとしてはプリセプター・シップが多かったのですが、今はPNSが主流になりつつあります。
    http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/091130preceptor.html

    医療現場では指導医や指導看護師とのシステムがありましたが、一定レベル・アップには指導担当者方式も良いのですが、OJTとして考えるとPNSが良い部分があります。
    PFS(葬儀版のPNS)を構築してみてはいかがですか。
    問題は、「誰と誰を組ませるか」です。
    また、昨年の高知県立病院での医療ミス死事件を見ても、ヒューマン・エラーの重積で
    あることから、リスク・マネージメントも合わせて行う必要はありますが。

  • 葬儀現場におけるヒューマンエラーの多くは、申し送りの不備による情報の非共有化が原因だと思います。
    私見では、特に大きな葬儀においてはメイン+サブの組み合わせでチームを組み、サブはミス防止に徹することがベターと考えます。
    主従がはっきりしないと、手配忘れや確認漏れに繋がる恐れがあり、「やってくれたと思ってた……」ということも。
    PNSでは、そのあたりをどのように管理しているのか興味があります。

  • prof様
    PNSについてちょっと調べてみようと思います。
    書籍も数冊出ているようですし。
    貴重な情報ありがとうございます!

  • 千鳥歩き様、
    >PNSでは、そのあたりをどのように管理しているのか興味があります。
    そうですよね、医療系は葬儀屋とちがってシステムがちゃんとしているので
    学ぶことが多いです。

  • 新卒者や業界新規の者はプリセプター、プリセプティーの関係で1年間の「新人教育」を行い、その後はPNSで業務習熟を実施、次いでステップ毎の研修が基本ですが、これらの卒後教育分野でもOJTは私の分野ではありませんので、物理教師さんや千鳥歩きさんの様な「現場のOJT立場の人達」で煮詰めて下さい。
    PNSもデメリットがあり、国内でも大学病院や大規模病院では取り入れられていますが、中小病院では「人材的に出来ない」との場合が多々あります。

    PFSは日本の葬儀業界レベルを引き上げる可能性は多いのですが、取り入れが出来る企業は大手互助会と専門業者の5~10%程度であり、更なる「業界内格差が広がる」だけの可能性もあります。
    加えて、インシデント・レポートとアクシデント・レポートの採用と活用も必要です。

  •  初めまして。お悔やみの言葉のことで調べてたらこちらにたどり着きました。

    すみません。教えて頂きたいのですが、私はパートで、働いています。パート先の社員の方のお父様がお亡くなりになったのですが、お会いした時には「ご愁傷様でした」で大丈夫ですか?なかなか使わない言葉なので噛んでしまいそうで…。他にお悔やみの言葉があれば教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

  • えり様
    コメントありがとうございます。
    >他にお悔やみの言葉があれば
    「この度はお悔やみ申し上げます」はいかがでしょうか?

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