遺品をただ式場にちょっと並べたくらいで
「その人らしい葬儀を行うのがウチのモットーです」
みたいな広告を出している葬儀社の方へ。
今回紹介するのはこの本。
世界に売るということ 平野 暁臣 プレジデント社 2014-07-26
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著者は
空間メディアプロデューサーでもある平野 暁臣氏。
この本の中に、氏が企画した岡本敏子さんの葬儀(お別れ会というべきか)に
関する記述がある。(P70~)
幸いにもネット上にそのページが掲載されていた。
葬儀の画像はこのページ
http://megalodon.jp/2014-0915-1100-22/homepage2.nifty.com/ggk/recentworks/toshikosogi.html
http://megalodon.jp/2014-0915-1100-22/homepage2.nifty.com/ggk/recentworks/toshikosogi.html
葬儀屋として
やられた!
やられた!
という感じ。
この「作品」は
・亡くなった二人に最も近い存在で
・空間演出のプロでもある人物が
・考え抜いた
という条件が揃った結果
生まれた傑作。
どうしても葬儀屋は
足そう足そうとするんだよね。
足そう足そうとするんだよね。
一つは商売だから。
足し算でしかお代はいただけないと思ってしまう。
次に葬儀屋は故人の生前の情報を持たないから。
過剰に情報を足して埋めようとする。
でも最近のように親しい人が中心のお葬式になると
あくまでモノは故人への想いを喚起させるトリガーであればいい。
実際、限られた時間や情報や予算の中で
こういう「引き算の付加価値」をつけることは大変難しい。
だけど自分の引き出しの中に持っておきたいと思う。
こういう「引き算の付加価値」をつけることは大変難しい。
だけど自分の引き出しの中に持っておきたいと思う。
ある時期からメモリアルコーナー的なものが発展してきましたが、どうしても自分に置き換えた時にくすぐったいものが多く有名人かよ!みたいな飾りが嫌です。
空間メディアプロデューサー レベル高い。
日本の葬儀は医療点数の様に処置点数等の技術料金、サービス提供料金ではなく「商品料金」のために、追加が増えれば売り上げが上がり、利益が増えるとのシステムは未だに主流です。
そのために、過剰なサービスや過剰な演出が見られるのも事実ですが、これを嫌う人達(依頼者)も増加しており、原点回帰を考える時期でもあります。
アメリカでは連邦法や州法により、「棺の持ち込み料金の徴収は禁止」されており、客がネットで購入した棺の持ち込みを拒否は出来ませんが、日本では「技術や能力は評価されない」ために、次から次へと商品を売りつけており、これも葬儀業界や葬儀従事者の社会的評価を得られない原因となっています。
棺や祭壇の評価よりも、担当者の評価の方が重要なのですが。(評価の得やすい花祭壇も問題が出てくる)
かかし様、
ディスプレイも葬儀社によってレベル差ありますよね。
prof様
>日本では「技術や能力は評価されない」ために
そうなんですよね。
「サービス」って言葉が「無料」と同義で使われる国ですから。
実は日本は世界一の社会主義国であり、平等主義であり「個人能力評価」はしてはいけないとのルールがあります。
これは、公務員においても「等級号俸方式」を採用しており、1年毎に1号俸の昇給で「能力や業績に関係なく、皆平等に同じ額だけ昇給」をします。
これに恩恵を感じる者は定年まで残り、不満や上昇を目指すものは外に出ます。
中国では病院の入口に医師の顔写真と専門科目、地位と料金が明記されており、同じ内科で見てもらう場合も「高い医者と安い医者」を選べます。
高い医者は知識や経験、技術も優れており、疾患を見つける能力や治癒させる能力に優れています。
そのために富裕層や党関係者は最も高い医師に診てもらうために「平均寿命は85歳以上」、貧困層は最も安い医師に診てもらうために「平均寿命は70歳位」(山間部の少数民族は60歳代)となり、日本の様な「専門医でも新卒医でも同じと」の考えは存在しません。
日本のシステムは「誰でも平等に受けられる」との意味では優れていますが、より優れた人達が評価され、優れた人材を育成する環境では非常に劣悪です。
これは葬儀業界も同じであり、能力評価システム(葬祭ディレクターは無理)を構築しなければ、売り上げ至上主義から脱することは出来ません。
特に、安売り戦争になると「品質と人材軽視」が進むために、能力低下が懸念されます。
ジュニア⇒シニア⇒エキスパート⇒プロフェッショナル⇒マイスター(現場、指導)/プロフェッサー(研究、教育、指導)が一般的流れですが、葬儀は段階的上昇や上位がないので、プロフェッショナル=プロ=従事者となってしまっています。(葬儀のプロ等)
10月1日になり、税制改革が実施されましたので「これはやられた」との1事案を公表します。
経産省から財務省に対して「税制優遇要望(平成27年新設)」が出ています。
お察しの通り、互助会絡みです
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2015/request/meti/27y_meti_k_11.pdf
経産省主導で作られる「仮称 互助会加入者保護機構」の免税や減税を主体とした案件です。
互助会支援(バックアップ)と「あまさがり」の確保に繋がり、互助会と加入者、役人はハッピーとなります。(経産省と議員先生は直球勝負で気持ちが良い)
専門業者を助ける官庁はなく、役人もいない。
prof様
>「税制優遇要望(平成27年新設)」が出ています。
流石にこれはちょっとヒドイです。
少なくとも「経営危機に至っ」た責任を誰かに取らせる方が先なのでは・・・
昨年の経産省資料が一連の流れを示唆しています。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/gojokai/pdf/001_04_00.pdf
経産省からは財務省だけではなく、総務省にも要望が出ています。(さすがに官僚は抜かりがなく見事!)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000311052.pdf
「互助会は悪だ」、「JAはズルい」と騒いでるうちに互助会は着々と優位性を増し、JAは農協法の枠を外れる(葬儀部門の株式会社化)ことで規制されていた市場拡大を増しており、専門業者も「優秀な人材活用」をしなければ、互助会やJAには戦えません。
専門業者にも優秀な人材はいるのに、人材を葬り人材の墓場化。(20年のキャリアも2年の息子より下か)
prof様、
面白い情報ありがとうございます。
コメント欄のやりとりで終わらせるのはもったいないので
近日中に改めて一本の記事にしたいと思います。