お客様アンケートの評価を信じてはいけない!




お葬式が終わって、ご遺族にアンケートをとっている葬儀屋さんもいることと思います。

今回は
お客様アンケートの評価を信じてはいけない!
という話です。

お客様アンケートの評価は葬儀社にとってかなり甘い評価になりがちです。
例えば5段階評価で、実際は3くらいのデキだったのに、お客様は5の評価だったりする。

このような評価のずれが起こる原因を
認知不協和の回避行動(L・フェスティンガー1957)と
プロスペクト理論(カーネマントとトヴァースキー1979)を使って説明します。
どちらも行動経済学でよく使われる言葉で、株の取引をされる方は聞いたことがあるかもしれません。

認知不協和とは自分が信じていたことと現実が食い違うとき精神的苦痛を感じることであり、人はそれを回避する行動を取ろうとします
葬儀は人生に1,2度しかない高価な買い物です。
その買い物が失敗だったと認めることは大きな苦痛を伴います。
そのためにこれはいい買い物であったと自分を信じ込ませようとする心の動きが起こります。

またプロスペクト理論の中に
評価の起点となる参照点(リファレンスポイント)は絶対的な基点ではなく、顧客の期待を基準に成立する。
という考えがあります。
同じ利益、損失であってもその判断者がどこに価値基準を置くかによってその商品の評価は変わります。
以前に葬儀を経験した消費者はその評価がリファレンスポイントとなります。
一方で葬儀を一度も経験していない人はリファレンスポイントをほとんど決定できないか、もしくはマスコミ等で報道されている葬儀社へのマイナスイメージ(葬儀は高い、葬儀社のモラルは低い)を元に決定します。
つまり実態よりもかなり緩めのリファレンスポイントの初期設定が行われることになるのです。
プロスペクト理論では商品価値がマイナス領域に入ると損失感は(プラス領域に入ったときの利益感に比べ)倍増すると考えます。
人生で1.2度の高額な買い物がプロスペクト理論上マイナスに入っていると認めることは大きな精神的苦痛を伴うでしょう。
そのため認知不協和の回避を行い、リファレンスポイントを意識的にさらに(葬儀社にとって)甘めにずらすことが予想されます。

その結果お客様アンケートの結果はかなり甘いものになってしまうのです。

経験上、確かに遺族の葬儀の出来に対するアンケートの評価は甘いと私は感じます。
その一方で致命的ミスがあると、バリューが大きくマイナス方向に振れ、強いクレームになりやすいです。
この結果、過剰に甘い評価とごく一部の強いクレームを生み、コンプレインが出辛いという弊害を生んでいると思います。

これは顧客のコンプレインをうまく吸い上げて、業務改善ができないっていうことです。

私は父の葬儀が終わった後、担当した葬儀屋さんに御礼の手紙を書いたことがあります。
大して良い葬儀屋さんでもなかったはずなのに。

だから自分がお客さんから良いアンケートをもらうと、確かにうれしいのですが、いまひとつ手放しでは喜べないのです。

そんなわけで以前も話しましたけど、私は葬儀が終わった後、コンプレインがないかお客様に聞くようにしています。











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