今回紹介する本はこれです。
巷(ちまた)に服好きの店員は多いのですが、
服をお客さんに買ってもらうことが好きな店員は少ないと思います。
ユナイテッドアローズにはたまにいくのですが、
好感の持てる社員が多いと思ってました。
例えば、型番を指定して靴の在庫を確認した場合、
ユナイテッドアローズでは、ちゃんと他県のショップの在庫も調べてくれて、
「取り寄せましょうか?」と聞いてくれます。
そこそこの値段の靴だと、購入に至らないことの方が多いのです。
なぜなら値段が高くなると、フィッティングの基準も厳しくなり、買い手は妥協しなくなるからです。
それはお店の人も当然分かっているはずで、取り寄せが空振りになる可能性が
高いことを分かった上で、聞いてくれるのです。
またバーゲンに行ったときのことです。
スーツの試着をしたあと、
(これもフィッティングのチェックに時間がかかるのです)
どっちにするか悩んでしまい、
「こんなとき(バーゲン時)に、手間を取らせて悪いね」と言うと
「いえ(バーゲンは)うちが、勝手にやっていることですから」
というかっこいい返事が返ってきたことがあります。
ユナイテッドアローズ店員の質は、
気取ってるだけのメゾン系ショップの店員より数段上だと思ってました。
さて、全国に多くの店員がいるのに、なんで質をキープできるのだろうと常々思っていたので、この本が出ると同時に購入しました。
この本の中で
葬儀屋にも応用できると思われる、自分に引っかかった言葉を抜粋してみます。
(引用開始)
・「お客様の要求を満たすことは、時には面倒くさく、能率が悪く、経費がかかることを肝に銘じ、ただひたすらにお客様にサービスすることがユナイテッドアローズのつとめである。」(束矢ルールより)
・「サービスの原則」とは「お客様が常に正しい」というスタンスをどんなときでも優先するということ。
・販売員の地位向上を目指す
・損得より先に善悪を考えよう
・教えるコツは教えすぎないこと
・人財開発課には、こうしたサービス逸話や感謝の便りが頻繁に寄せられてくる。その数は、この二年半の集計で四八〇件にのぼる。それらを毎月集約し、「サンキューノート」と銘打ってイントラネットに掲載、全店・全部門に公知する。
・理念の理解と浸透をチェックする機能としては、全店を対象にした覆面接客調査がある。
・「わが社の社会貢献の第一は、顧客満足である。これなくして売上げも利益
もない」
・「店はお客様のためにある」
・「顧客マインド」(顧客満足)と「商売マインド」(売上げ、利益)は、相反するものではない
・CSマインドと商売マインドは相反するどころか、この両立こそがUA理念
の実施への唯一の方法
・販売を一生の仕事と考え、販売のプロをめざす意欲のある人しか採用しない
・商いやサービスは、クリエーションそのものである
(引用終わり)
地位が低いと見られていた販売員が、本当は一番カッコイイのだ
と考える社内風土はカッコイイと思います。
葬儀屋もそうありたいです。
それから顧客満足第一を唱えるサービス業の会社は多いが
(というより、サービス業の会社は絶対顧客満足第一と言いたがる)
実際は現場に売り上げ第一を強いる、ダブルスタンダードがほとんどだと思います。
ユナイテッドアローズ内にも葛藤は当然あると思うのですが、
理念の浸透のさせ方は社員の数を考えると、うまくやっていると思います。
私は基本的に株に関しては、TOPIX連動型のETFしか買わないんですが、
応援する意味も込めて、ユナイテッドアローズの株を持っています。
(いま含み損をだしてますけど、いいんです(T_T)
長い目で応援してますから)
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