良い葬儀本の条件

最近出版されたお葬式関係の本を俎上に載せつつ
良い葬儀本の条件について語ります。

あなたのお葬式―遺された家族が困らないために

アマゾンの説明によると著者は
葬儀に関する幅広い知識を持ち、「全宗葬祭師」として、
あらゆるタイプの葬儀に対応している。

とのこと。
それにしても、「全宗葬祭師」って・・・(^^;)
私も勝手に「オールラウンド・プロフェッショナル・アンダーテイカー」って
名乗ろうかしら。
リングにかけろ」の必殺技みたい(^^;)

さてこの本、どっかで読んだ内容だとおもっていたら
以前このブログで紹介した葬儀本アプリを作った葬儀屋さんが書いたものでした。

(参考記事: あたらしい葬儀「本」

以前葬儀屋さんの本を3種類に分類しました。
(参考記事:葬儀屋さんの本について:書評
この本は 「情報提供型」の体裁を取っていますが
過去の葬儀本で何度も語られてきたのと同様の内容が述べられているだけなので
個人的には「情報提供型」と呼ぶにはちょっと難があります。
どちらかというと「本業アピール型」でしょうか。

日経新聞社から本を出したというのは消費者に対して大変効果的なアピールとなるので
全く印税が入らなくてもモトは取れると著者は判断していると思います。

 「情報提供型」の葬儀本として優れているかどうかの条件は
「説得力のあるベストの葬儀社の選び方」が提示できているかどうか
です。
悪い葬儀社の特徴を挙げるだけでは、近年では実用的と言えません。
葬儀社の選び方が効果的であればあるほど、
その葬儀本は優れています。

ただそんな本は少なく、この本も例外ではありません。

葬儀社の選び方については実質的に
「電話を受けたときにちゃんと会社名と担当者名を名乗っているかどうか」
ぐらいしか言っていません。

新人研修か!(^^;)

あと見積もり額と実際に施行した葬儀の金額の平均的な誤差が何パーセントか言えるどうか、って
いうのもよく分かりません。
何パーセントと言ったのなら合格なのでしょうか。

というわけで、一般の消費者の方はこの本を買い求めになられるんでしたら
前述したアプリを購入されることをお勧めします。

追記

著者として本を出版した以上、
本の購入者に作品を論評されるのは当然予想されていると思います。
しかし一方で本職の物書きでない人にとって、
いろいろ論評されるのは厭なものだというのは私も十分理解しております。
この文章は別に著者を困らせることが目的ではありませんので、
要望が有れば希望箇所を削除するのはやぶさかではないことを、
お断りしておきます。